THE WAY OF THE DRAGON
邦題 | ドラゴンへの道 | |
レーベル | 20th CENTURY FOX HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 1973年 | |
上演時間 | 99分 | |
監督 | ブルース・リー | |
出演 | ブルース・リー、ノラ・ミャオ、チャック・ノリス | |
画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | DTS 5.1ch 英語 / DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 DOLBY DIGITAL 2.0ch 広東語、北京語 |
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字幕 | 英語 |
あらすじ
ローマの中華料理屋を経営するチェンは、シンジケートの嫌がらせに苦慮していた。香港から彼女の助っ人に来たタン・ロンは、中華料理屋を守ろうと悪戦苦闘する。最初はタン・ロンを信用していなかったチェンも、彼の強さを知って、次第に信頼し始める。一方シンジケートは、タン・ロンを葬り去ろうと、日本人武道家と、アメリカ人武道家を呼び寄せ、彼にぶつけ始めた。シンジケートとタン・ロンの戦いは激しさを増す一方だった。
レビュー
ブルース・リーの香港映画第三作目となるのがこの「ドラゴンへの道」です。今作は、主演のブルース・リーが監督・脚本・製作・武術指導と、多方面で活躍しているのが特徴になっています。当然、香港では大ヒットを記録した作品になっています。
今回、ブルース・リーが演じるのは香港の田舎から出てきた青年という役を演じています。田舎者ですから、彼の行動は垢抜けず、その行動一つ一つが笑いを誘うものになっています。物語冒頭での空港レストランでのスープ注文などはいい例でしょう。
物語全般が、コメディ調なのは、ブルース・リーの意図したものになっていると思いますが、それが明るい展開になっていて、前作「ドラゴン怒りの鉄拳」と違って、観ていて楽しいものになっています。ブルース・リーが田舎からローマの都会に出てきて、成長していく様が十分に描かれていると思います。
タン・ロンを受け入れる側のノラ・ミャオ扮するチェンは、最初彼を馬鹿にしていますが、タン・ロンの強さを知ってからは、態度を豹変させ、彼を信頼するようになります。この辺も、観ていて楽しい展開の一つであります。「ドラゴン怒りの鉄拳」の清楚な役柄とは違い、現代の女性を演じきったノラ・ミャオの演技力にも注目をするところであります。
もちろん、物語としては、ブルース・リーの強さを表現するのが一番ですから、何回か格闘シーンがありますが、そのシーンではブルース・リーの強さが映える様になっています。彼の肉体を見せるシーンがかなりありますが、すばらしい筋肉美を見せてくれて、彼の強さをアピールしています。途中で、棒術やヌンチャクのシーンもあったりして、格闘シーンで飽きさせることがありません。
物語後半では、シンジケートの罠に嵌ったタン・ロンがチャック・ノリス扮する武道家と、戦いを繰り広げるシーンがあります。このシーンでもコメディセンスが働いていてチャック・ノリスの毛をむしるシーンなどは、笑いを誘っています。この戦いが激しいのを表現するためか、途中で猫のカットを入れたりしています。激しい戦いの唯一の観客が猫というのも象徴的だと思います。
物語がローマということもあってか、当時の香港映画としては珍しくロケーションをしています。もちろん、格闘シーンなどは、香港のスタジオで撮っているのですが、ローマの都市としての美しさなどは、映画の中で十分に表現されているような気がします。物語が少し雄大な感じがするのは、そのせいかも知れません。
画質は、フィルム調の画像でまずまずといったところです。元のフィルムの質があるのか、少しボケたシーンもあったりして、必ずしもシャープな映像というのではありませんが、十分にリストアされているものと思います。音響は、DTS 5.1ch を 2ch ステレオで鑑賞しましたが、格闘シーンを中心にかなり作られた音作りをしています。サラウンド効果も結構あるのですが、レンジが狭く、やはり1973年当時の音だな、と感じるところであります。
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