TIM BURTON’S Corpse Bride/ティム・バートンのコープスブライド/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

TIM BURTON’S Corpse Bride

TIM BURTON'S Corpse Bride DVDジャケット 邦題 ティム・バートンのコープスブライド
レーベル WARNER HOME VIDEO
制作年度 2005年
上演時間 77分
監督 マイク・ジョンソン、ティム・バートン
出演 ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム・カーター、エミリー・ワトソン
画面 1.85:1/アナモルフィック
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch-EX 英語、フランス語、スペイン語
字幕 英語、フランス語、スペイン語

あらすじ

親の決めた結婚をしようとするヴィクターとヴィクトリア。二人は結婚式のリハーサルをするが、ヴィクターは失敗ばかりしてしまう。森の中でリハーサルを繰り返していたヴィクターは、ふとしたことから死体花嫁のエミリーと結婚の契約をしてしまう。その契約を解除しようとヴィクターはいろいろ手段を講じるのだが、次第にエミリーに惹かれていき、本気で結婚しようとする。一方ヴィクトリアはバーキスという男と新たに結婚されられそうになるが…。

レビュー

「チャーリーとチョコレート工場」に引き続いてティム・バートンがジョニー・デップと組んで作ったのがこの「ティム・バートンのコープスブライド」です。ティム・バートンの実生活でのパートナーでもあるヘレナ・ボナム・カーターも主人公の一人として参加しています。

今作は、ストップモーションアニメで作られた作品となります。その分ティム・バートンの独特の世界観が作品に反映されています。ティム・バートンの世界の特徴である渦巻きの模様も今作では健在で、冒頭のペンから蝶の模様まで、ティム・バートン節が明確になっています。

作品のテーマは、死者との交流ということで、主人公のヴィクターが間違いから死者のエミリーと結婚をしてしまうと言うストーリー展開になっています。ヴィクターは元々現実の世界での結婚をしようとしていましたが、リハーサルでの失敗から森の中に行ってしまい、そこで練習をしていたことから死者と交流を持ってしまうという展開になっています。

作品として面白いのが、現実の世界がモノクロっぽい色彩をしているのに対し、死者の世界がカラフルな色彩をしていると言うことです。これがあることで死者の世界がファンタジーの様相を呈していて、あまり怖くない死後の世界を描いていると言えるでしょう。

現実の世界でヴィクターは親の言いつけに従い結婚しようとしていますが、死者の世界に連れて行かれた後、現実の世界の婚約者であるヴィクトリアに助けを求めています。これは、本人達もまんざらの気があったと言う事であり、二人の恋の行方が物語を進めて行くと言えるでしょう。

死体花嫁であるエミリーは、ヴィクターの婚約の誓いを受けて彼と結婚しようとしますが、実際は彼が生身の人間であるヴィクトリアと結婚するのが正しいと思っていて、その中で苦悩していると言えるでしょう。

その彼女が物語り後半で急に存在感を高めていったバーキスという伯爵と関係あったということが、物語の展開を面白くさせていると言えるでしょう。

後半で死者たちが現実の世界に繰り出してくると、灰色に近い現実の世界が緑色に変わってきますが、これも独特の色彩感覚をしているな、と思います。なんとなく怖いんだけれど、死者の正体を知ってしまうと怖くない、と言う独特の感覚が描かれていると思います。

また、印象的だったのは蝶です。物語冒頭で出てくる蝶は、最後は死者の魂としての描き方をしていますが、それが一種の美しさを奏でていると思います。エミリーの蝶への変化は、まさに成仏していると言う印象を与えていると思います。

映像は、先ほども述べたように現実世界がモノクロ風で、死者の世界がカラフルな映像と言う描き方をしていますが、どちらにしてもきれいな発色をしていると思います。音響は、ミュージカル風のシーンなどで、広がり感を感じさせるものがあり、オーケストラの響きが美しいものとなっています。

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