TRON:LEGACY(Blu-ray 3D)
邦題 | トロン:レガシー | |
レーベル | WALT DISNEY STUDIOS HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2010年 | |
上演時間 | 125分 | |
監督 | ジョセフ・コシンスキー | |
出演 | ジェフ・ブリッジス、ギャレット・ヘドランド オリヴィア・ワイルド |
|
画面 | 2.35:1/1.78:1(IMAXシーケンス) | |
音声 | dts-HD MA 7.1ch 英語 DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語、スペイン語 |
|
字幕 | 英語、スペイン語、フランス語 |
あらすじ
コンピュータソフトウェア会社、エンコム社を設立したケヴィン・フリンは、ある夜、幼い息子を残して失踪をしてしまう。エンコム社は混乱に陥るが、パートナーのアランのおかげで軌道に乗る。息子のサムは成長したある日、アランのポケットベルにケヴィンからメッセージが届いたことを知らされる。サムはケヴィンの経営していたゲームショップに行き、そこの地下でケヴィンの開発していたコンピューターを見つけるが、その操作の最中、コンピューターの世界に取り込まれてしまう。サムはそこで否応なくプログラムとの戦いを強いられるが、そのコンピューターの世界を支配していたのは、ケヴィンの開発したプログラム、クルーだった。完璧なプログラムであることを求めるクルーはケヴィンの居所を探していたが、サムを救助にあたったクオラの後を追うことで、ケヴィンの居場所を見つけてしまう。サムは父ケヴィンと再会し、自分の来た道を辿って現実世界に帰ろうと、ケヴィンを説得するのだが、ケヴィンはそれを拒み続けた。
レビュー
1982年に制作された「トロン」の続編的映画がこの「トロン:レガシー」です。正確には前作「トロン」と繋がっていない部分もありますが、設定としては「トロン」と共通の部分もありますので、一応続編と言ってもいいと思います。ただ、前作「トロン」が当時のコンピューターの限界であるCGをフルに使っていたのに比べると、今作「トロン:レガシー」はCGの発展と3D化、デジタルサラウンドと、かなりバージョンアップしていて、映像と音のプレゼンテーションとしては成功しているように思います。
物語としては少し冗長かなと思うところがあります。コンピューターワールドでの完璧を求めるクルーと、それを阻止出来ず隠居の身を強いられるケヴィン、何とか取り込まれたコンピューターワールドから脱出を試みるサム、サムをサポートするクオラと、関係が色々ありますが、ケヴィンの立ち位置がはっきりしないために、物語が不安定な様子を表していると思います。
なぜケヴィンがコンピューターワールドの中で隠居の身を送っているかというと、ケヴィンの開発した完璧なプログラムであるはずのクルーが、ケヴィンに反乱を起こして、コンピューターワールドを支配してしまうからなのですが、その際に現実世界に戻るポータルが閉じられてしまったことによる、と明かされます。しかし、元々ケヴィンが作ったプログラムなのですから、コンピューターワールドでも何とか安全装置を作っておけばよかったのではないかと思います。その辺が少し甘い設定かなと思います。
後はケヴィンとサムの親子の関係も描いているはずなのですが、その辺の描き込みも甘いのではないかと思います。この二人が別れてから10数年以上経っている訳ですから、もっと二人の感情の揺れみたいなものを描いてもいいかと思うのですが、その辺が描き足りない様子がうかがえます。
その分冒頭にも書きましたが、コンピューターワールドでのCGとサラウンドは素晴らしいの一言につきます。30年近い時間の経過とともに、CGやデジタルサラウンドがどれだけ進歩したかを見るのにはうってつけの作品だとは思います。特にクルーを演じたジェフ・ブリッジスは、CGによって若返りの映像になっていて、そのSFXの凄さはよく分かるのではないかと思います。逆に言えば、それが主になっていて、ドラマが描き足りないのではないかと思います。
観客にインパクトを与えるためと思われますが、現実世界での映像は2Dで表現し、コンピューターワールドでの世界は3Dで表現するというのも、一種の魅力的世界観を作り出すのに成功していると思います。また、ライトサイクルやディスクでのバトルも3Dならではの迫力ある映像を提供していて、この映画が何を観客に言いたいのかがよく分かると思います。どちらかというとストーリーよりもそういったテクニカルな部分をメインに訴えかけたかったのではないかと思います。
映像はBlu-ray 3Dでの観賞になります。コンピューターワールドの世界がかなり暗いのですが、ノイズ等乗ることもなく、鮮明で魅惑的な映像を提供しています。一部シーンではIMAXフォーマットになっているために、ワイドテレビの画面一杯に映像が映し出されますが、画面が暗いために、シネマスコープサイズの映像と大きな違和感も感じずに、映像に没頭出来ます。音響はdts-HD MA 7.1chですが、3Dの映像を見事にサポートする形でサラウンドが活躍しています。重低音も響き渡り、素晴らしい音場感を作り出しています。
コメント