VANTAGE POINT/バンテージ・ポイント/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

VANTAGE POINT

VANTAGE POINT DVDジャケット 邦題 バンテージ・ポイント
レーベル SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2008年
上演時間 90分
監督 ピート・トラヴィス
出演 デニス・クエイド、マシュー・フォックス、フォレスト・ウィテカー
画面 2.40:1/アナモルフィック
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、スペイン語
DOLBY DIGITAL 2.0ch フランス語
字幕 英語、フランス語、スペイン語

あらすじ

 スペインでサミットが開催され、先進諸国の首脳が集結していた。これはテロに対する戦いの合意を取り付けたもので、その発表をプラザで行っていた。しかしながらアメリカ大統領が舞台のマイクに向かったとき、どこからか狙撃をされ、大統領は倒れてしまう。シークレット・サービスは大統領を狙撃した犯人を捜すが、その直後、ホテルとプラザで爆発があり、多くの負傷者を出す。事件はプラザにいた様々な人の視点で語られていき、次第に事件の真相が明らかになる。

レビュー

 アクションスリラーとしてスマッシュヒットを放った映画が「バンテージ・ポイント」です。出演者も芸達者な人たちが多く、観ていて安定感が感じられます。製作費を大幅に上回る興行収入を叩き出している作品です。

 この映画の特徴といえば、アメリカ大統領狙撃事件のシーンが何回も繰り返されるという点にあります。それも登場人物の視点から違った視点で語られるというのが大きな特徴で、同じシーンを描いていても、登場人物により、違う描き方をしていて、その度に謎解きをしていくという構成は斬新なものがあります。

 それが物語の事件の真相を少しずつ明らかにしていくという快感はありますが、逆に同じシーンを何回も描くために飽きやすいという弱点も背負ってしまっているような気もします。途中からその繰り返しが無くなり、事件の解決に一気に突っ走っていくようになりますが、そのシーンあたりが少し長過ぎのような気がします。映画の上映時間が90分と短いながら、結構長く感じられるのは、この構成故の弱点と思えます。

 事件自体は主役としてシークレット・サービスのバーンズが事件の真相に迫り、犯人確保に向け走り出すというのが最終的なポイントだと思います。もちろんそれ以外にもフォレスト・ウィテカーが演じる観光客が、事件に意外な形で係わり合ったり、テロリスト側の視点もあったりと複雑に絡み合っているのですが、結局のところはバーンズの動きが最後には事件解決に向けて配慮されているというのが感じたところです。

 シークレット・サービス側にも裏切り者がいたり、大統領の秘密とか、色々ありますが、アラブのテロリストたちがアメリカを敵視するのは、結局のところアメリカが正義であるという押しつけのようなところはあります。それが物語の根底にあるといえます。だから観ていてテロリストたちに敵意を持って見ることもなく、どちら側の正義もそれなりの敬意を持って観ていられるというところはあります。

 画質はDVDにしてはクリアではありますが、色の乗りが少し薄いかなと感じるところはあります。スペインの感じがあまり出ていないような気はします。ただ、フィルムルックの色調でもあり、観ていて不満はないといえます。音響はDOLBY DIGITAL 5.1chで観賞しましたが、かなりサラウンドフィールドが発揮されている映画であるといえます。観客の歓声や、爆発音など、音に包み込まれる感覚がよく出ています。

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