FURY(4K UHD Blu-ray)/フューリー/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

FURY(4K UHD Blu-ray)

No Image 邦題 フューリー
レーベル SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2014年
上映時間 134分
監督 デヴィッド・エアー
出演 ブラッド・ピット、シャイア・ラブーフ、ローガン・ラーマン
画面 2.40:1/HDR10
音声

DOLBY ATMOS 英語/dts-HD MA 5.1ch 英語/DOLBY DIGITAL 5.1ch ロマンス語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、ウクライナ語

字幕 英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、ポルトガル語、スペイン語、アラビア語、デンマーク語、オランダ語、フィンランド語、ギリシャ語、ヒンディ語、アイスランド語、韓国語、ノルウェイ語、ロシア語、スウェーデン語、トルコ語

あらすじ

 第二次世界大戦に参戦していたアメリカの戦車、シャーマンはドイツの戦車に比べ性能で劣り、多くの戦いで破壊されてきた。1945年4月、ドン率いるシャーマン戦車「フューリー」は戦いの中ただ一機のみ生き残り、作戦本部に帰還する。しかし、その戦いの中で副操縦士を失っていた。「フューリー」には新たな兵士が副操縦士として配属されるが、その兵士、ノーマンは入隊後8週間しか経験がなく、しかも本部でタイプライターを打つために入隊したという実戦経験のない新兵だった。「フューリー」には新たな任務が課せられ、ドイツの支配する都市を奪還する指令を受ける。作戦を遂行する「フューリー」だったが、新兵であるノーマンは、ドイツ兵を倒すのにも躊躇してしまい、足手まといになる。ドイツの支配する都市を制圧した「フューリー」やその他の戦車部隊は、付近を探索していた。ドンとノーマンはドイツ人女性と出会い、ノーマンは性行為をドイツ人女性と営むことで、成長する。しかし、そこにドイツ軍の空爆があり、ドイツ人女性は死んでしまう。都市を制圧した「フューリー」たちに新たな任務が課せられ、田舎の十字路に襲いかかるドイツ兵を阻止しろ、という任務を受ける。これができなければ、連合国軍のベルリン制圧はできないのである。十字路に向かう「フューリー」ほか4機の戦車部隊は途中でドイツ軍の戦車の待ち伏せに遭い、「フューリー」を残して壊滅してしまう。「フューリー」は、ただ一機で十字路の死守を図ることになる。

レビュー

 第二次世界大戦の末期の連合国軍とドイツ軍の戦いを、戦車という視点で描いた戦争映画が、この「フューリー」になります。主演にブラッド・ピットやシャイア・ラブーフなど人気俳優を配置したこの戦争映画は、興行収入が製作費を上回り、成功作としてみられています。また、評価もRotten Tomatoesの批評家評価で76%、観客評価で84%と比較的好意的な評価を得ています。

 この映画の特徴は、第二次世界大戦の中で連合国軍の一員であるアメリカ軍の製造したシャーマン戦車が主役であり、そのシャーマン戦車が性能面でドイツ軍の戦車に劣っていたために、戦いの中でどんどん破壊されているという史実をもとに、主役であるリーダーのドンを含むアメリカ兵たちが搭乗するシャーマン戦車「フューリー」に視点を向けて描いているところがポイントではないかと思います。人間の主役はドンやその部下たちなのですが、もう一つの主役は「フューリー」というのが、他の戦争映画と大きく違う特色があると思います。

 人間の主役で言えば、リーダーであるドンもそうですが、「フューリー」の副操縦士として新たに派遣された新兵、ノーマンも主役として彼の軍人としての成長を描いたものになっていると思います。元々本部でタイプライターの仕事につくつもりで軍に入隊したノーマンですが、シャーマン戦車「フューリー」に配属されてしまい、最初はドイツ兵を抹殺することすらできず、兵士として失格の烙印を押されてしまいますが、物語が進むにつれ成長し、最終的には立派な兵士として戦いに挑むところが、映画としての見どころがあると思います。

ノーマンは、途中ドイツの支配していた都市を制圧したときに、ドンと一緒にドイツ人女性を発見し、その女性と性行為に及ぶことで一皮脱いだ感覚があります。ただ、物語の全体のトーンからすると、この辺りの一連のシーンはちょっと蛇足のような気がしてなりません。映画の本質はアメリカ兵対ドイツ兵の対決をきっちり描くところにあり、そのシーンの迫力たるは素晴らしいものがあったために、このドイツ人女性との絡みはテンポを削ぐものになっていると思います。

 映画の見どころといえば、「フューリー」とドイツ兵との戦いを克明に描いたところがメインで、これが湿っぽい演出もなしにドライな演出で描き切っているところが、素晴らしいといえます。視聴している僕も、戦場の中に放り込まれたような感覚に襲われ、臨場感を感じ取ることができます。

 映像は4K/HDR10での収録になっています。元々は35mmフィルムで撮影をされていて、それをデジタルデータに変換するときに4Kマスターで変換していますので、ネイティヴ4Kでの収録になっています。ネイティブ4Kでの映像ですので、解像度は高精細感があり、臨場感を感じ取ることができます。HDR10による色彩拡張ですが、戦争映画をドキュメンタリー調で描いているためか、若干モノクロ的要素が見え隠れします。高輝度、高色彩というわけではありませんが、迫力は感じ取ることができます。音響は劇場ではDOLBY DIGITALとDATASATだったようですが、この4K UHD Blu-rayではDOLBY ATMOSで収録されています。音響効果は素晴らしく、絶えず三次元の音場感が周囲を取り巻き、飛行機は頭上を通過し、戦車の大砲や機関銃は四方八方に広がり、戦っていない時の作戦会議の場でも遠方の爆撃音が頭上で鳴り響くなど、戦争のリアル度を再現していると思います。

 なお、この輸入盤4K UHD Blu-rayは、日本語字幕、吹き替え音声付きです。プレイヤーの国設定を日本にしておく必要はありますが、設定さえできていれば、メニュー画面から日本語で表示されるので、視聴自体はかなり楽にできます。

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