LA LA LAND(4K UHD Blu-ray)
No Image | 邦題 | ラ・ラ・ランド |
レーベル | SUMMIT ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2016年 | |
上映時間 | 128分 | |
監督 | デイミアン・チャゼル | |
出演 | ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、ジョン・レジェンド | |
画面 | 2.55:1/HDR10 | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語/DOLBY DIGITAL 5.1ch スペイン語、フランス語 | |
字幕 | 英語、スペイン語 |
あらすじ
渋滞中のロサンゼルスの高速道路。セバスチャンとミアの出会いは、高速道路での渋滞のイライラの中で起こった。その出会いは最悪だった。セバスチャンはジャズピアノをプレイしていて、いつかは自分の店を持ちたいと思っていたが、今はレストランでオーナーに指示された曲を演奏するだけだった。それも指示された曲から逸脱してフリージャズを演奏したために、レストランのオーナーから首を宣告される。一方ミアは、女優を志していて、オーディションを受け続けていたが、落選する日々を送っていた。生活費を稼ぐためにワーナー・ブラザーズ・スタジオの敷地内のコーヒーショップで糊口を凌いでいる状態だった。冬から春になり、ハリウッドのパーティでセバスチャンとミアは再会し、次第に意気投合する。お互いの境遇を聞き、お互いに励まし合ううちに、二人は恋に落ちていく。しかし、その恋も次第に破局の危機を迎える。セバスチャンがジャズバンドのキーボーディストとして採用され、ライブで演奏するようになり、そのバンドは全国ツアーを企画していたのである。一方、ミアも自分の一人芝居を劇場で行うも、観客はガラガラで、評価も最低だった。ミアは落ち込み、実家に帰省してしまうが、セバスチャンが新たなオーディションの知らせを持ってミアの実家にやってくる。ミアは最初オーディションを拒絶するが、最終的には受けることにする。そして、5年後、二人の人生は変わっていた。
レビュー
前作「セッション」で観客の度肝を抜いたデイミアン・チャゼルが監督を務め、ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンを主役に添えたミュージカル・ラブロマンス映画が、この「ラ・ラ・ランド」です。2016年のアカデミー賞では、主演女優賞、監督賞、撮影賞、作曲賞、歌曲賞、美術賞の6部門を受賞した作品であります。評価も結構高く、Rotten Tomatoesの批評家評価は91%、観客評価は81%を獲得している作品でもあります。
物語は、ジャズのピアニストとして成功を収め、自分のクラブを持つことを夢見ているセバスチャンと、女優になることを夢見ていて、女優のオーディションを受け続けているミアの二人が出会い、恋に落ち、お互いの境遇を励まし合い、そして成功が近づくにつれ、二人の恋が終わっていくという展開です。
物語は1年という期間の中で描かれています。最初は冬から始まり、春、夏、秋と経て、最後は5年後の冬、という展開の中でセバスチャンとミアの二人の恋と人生の夢を描き出しています。セバスチャンはジャズにこだわりがあり、レストランのBGM係でピアノを弾くシーンでも、クリスマスソングを弾いていたものの、いつの間にかフリージャズを演奏し、オーナーから首になってしまうという展開が待ち受けています。また、ミアの方でもオーディションを受けるために、ワーナー・ブラザーズのスタジオ内のコーヒーショップでバイトをしているというリアルな描写があります。
デイミアン・チャゼル監督は、前作「セッション」でもジャズをテーマにした作品に仕上げていますが、今作でも物語のテーマの一つにジャズというのがあります。ミュージカルシーンもジャズ風ですし、セバスチャンが目指すのもジャズという具合に、徹底しています。オープニングのロサンゼルスの高速道路で繰り広げられる「アナザー・デイ・オブ・サン」のミュージカルシーンは、ご機嫌な気分になれる演出だと思います。
物語のクライマックスは、5年後の冬を描き出しています。人生の夢を叶えたセバスチャンとミアが、再会するシーンがそうですが、このシーンで、もし「セバスチャンとミアの恋が結ばれていたら?」という設定の映像が二人の間に描かれています。ということは、この二人の恋は終わりを告げ、自分の夢は叶ったものの、恋は破局したことを明確にしているのですが、それがほろ苦い終わり方だなと思わせるところがあります。
映画は往年のミュージカル映画に敬意を払った形になっており、オープニングでの「シネマスコープサイズ」という字幕から、先々で挿入されるミュージカルシーン、ラストの「THE END」に至るまで、現代風というより昔ながらの映画に倣った仕掛けを仕組んでいます。
映像は4K/HDR10で収録されています。映像はフィルムで撮影されていて、そのフィルムのマスターとして4Kで保存されているため、ネイティブ4Kでの収録になっています。解像度は緻密で、精細感があります。HDR10の効果は多くのシーンで室内もしくは夜間のシーンが多いので、輝度の点では黒の描写が優れていて、光の描写は控えめに感じられます。カラーは魅力的な色彩をしていて、ロサンゼルスの雰囲気がよく出ていると思います。音響はDOLBY ATMOSですが、ミュージカルシーンが多いためか、思ったほどイマーシヴ・オーディオにはなっていなかなと感じます。音楽の音の広がり感は優れていますが、ドラマパートでの空間表現力はちょっと物足りないところがあります。
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