アダム&アダム(DOLBY VISION/Netflix)
No Image | 原題 | THE ADAM PROJECT |
レーベル | Netflix/SKYDANCE | |
製作年度 | 2022年 | |
上映時間 | 106分 | |
監督 | ショーン・レヴィ | |
出演 | ライアン・レイノルズ、マーク・ラファロ、ジェニファー・ガーナー | |
画面 | 2.39:1/DOLBY VISION | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
2022年の現代、アダム・リードはいじめっ子にいじめられ、喧嘩をした罰として学校からの停学を申し渡らせる。アダムは父親を1年半前に失い、母親と二人暮らしであった。母親が会社の同僚とデートしていて家に不在の時、家のそばの森で何かの異変を感じ取る。森を探索したアダムは、自宅の倉庫のところに一人の男が傷を負って横たわっているのを見つける。その一人の男とは、2050年の未来からタイムトラベルをしてきたアダム本人だった。2050年のアダムは、歴史を改変したマヤ・ソリアンの野望を止めるべく、2018年の過去にタイムトラベルをした恋人ローラの後を追ってタイムトラベルをしてきたのであるが、何かの間違いにより、2022年の過去にたどり着いたのである。タイムトラベルをすることができる戦闘機は破損が激しく、事故修復に時間がかかるため、2050年のアダムは、2022年のアダムと一緒に生活することになる。しかし、2022年の過去にマヤとその部下たちがアダムを追ってタイムトラベルをしてきて、2050年と2022年のアダムたちはピンチを迎える。それを救ったのは2018年にタイムトラベルをして消息不明になっていたローラだった。彼女の助けを得て、2050年のアダムと2022年のアダムは2018年にタイムトラベルをして、歴史改変を正そうと画策する。
レビュー
NetflixとSKYDANCEがダッグを組んで製作した、Netflixオリジナル映画が、この「アダム&アダム」です。Netflix史上第3位の再生時間を記録したヒット作品になっています。評価は水準以上であり、Rotten Tomatoesの批評家評価は68%、観客評価は78%と、観客からは好意を持って受け入れられています。
物語は、タイムトラベル物なのですが、タイムトラベルで起きうる矛盾をそのままコメディ調でさらっと流してしまっているところが、この映画の特徴かなと思います。最大の矛盾は2050年の未来からきたアダムが、2022年の少年のアダムと出会い、一緒に行動するというものです。他のタイムトラベル物の映画では、同じ人物が同じ時間に存在すると、矛盾が生じ、その人物が消滅するというのが定説になっていますから、その矛盾自体を無かったことにしているこの映画は、かなり無謀だと思います。
しかし、映画そのものは、その矛盾を軽く宇宙の彼方に飛ばしてしまうほどの面白さを持っています。2050年の未来からきたアダムは、2022年の少年時代のアダムがこれからどう成長していくか知っていますが、それを全部バラすのではなく、小刻みに将来を明かしていくところは、ギャグの領域に入っていると思います。そして、二人は徐々にお互いを理解しあっていくようになるというのが、物語の骨子になっています。
2050年からきたアダムは、2018年の過去にタイムトラベルをして、マヤ・ソリアンが改変した歴史を正すべく行動をしているのですが、どこをどう間違ったのか、2022年の過去にタイムトラベルをしてしまいます。そこで12歳のアダムと出会うわけですが、2050年のアダムの目的は2018年の過去に戻って歴史改変を正すことにあるわけですから、2018年の過去にもう一回タイムトラベルしようとするところが、物語上重要な展開になっています。2022年の世界では、2018年にタイムトラベルをして、身を潜めていた2050年のアダムの恋人ローラがアダムたちを救うために戦い、アダムたちは2018年の過去にタイムトラベルすることに成功します。
映画はアダムたちの相互理解と同時に、アダムとその父であり、タイムトラベルの概念を生み出した大学教授との親子愛も描かれることになります。アダムたちは過去に父親を失った悲しみに暮れているわけですが、2018年の世界ではまだ生きていて、歴史改変がなければ、父は生きていたことになることから、アダムたちはソリアン社の内部に潜入し、タイムトラベルの装置の停止に奔走することになります。それが、最終的には親子愛の確認に至る出来事になっています。
映像は4K/DOLBY VISIONで収録されています。マスターデータは4Kですので、ネイティヴ4Kでの提供になっています。映像は高精細感があり、隅々までシャープな映像が映し出されています。色彩はDOLBY VISIONですので、とてもナチュラルでメリハリのついた色彩をしています。映像のレベルとしては高いものになっていると思います。音響しDOLBY ATMOSで提供されています。物語冒頭の2050年のアダムが戦闘機でタイムトラベルをするシーンから三次元サラウンドが唸りをあげ、その効果は物語ラストまでテンションを維持したまま、イマーシヴなサラウンドを提供しています。クライマックスのタイムトラベル装置の破壊もサラウンド効果は高く、聞き応えがあります。
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