プレデター:ザ・プレイ(4K UHD/Disney+)/Apple TVで観た映画のレビュー

プレデター:ザ・プレイ(4K UHD/Disney+)

No Image 原題 PREY
レーベル 20th Century Studios
制作年度 2022年
上映時間 100分
監督 ダン・トラクテンバーグ
出演 アンバー・ミッドサンダー、ダコタ・ビーヴァーズ、デイン・ディリーグロ
画面 2.39:1/DOLBY VISION
音声 DOLBY ATMOS 英語
字幕 日本語

あらすじ

1719年のアメリカの先住民族居留地。一族のナルという少女は、周りに戦士として一人前に認められてもらいたくて、斧や弓矢のトレーニングをしていたが、実戦で動物の狩を行おうとすると、失敗をしてばかりで、周りから認めてもらえなかった。ナルにはタアベというすぐれた能力を持つ兄がいて、彼はナルが戦士になることを認めようとはしなかった。ある日、一族の一人がライオンに襲われて負傷するという事件が起きる。その捜索にタアベたちは出かけ、ナルも一緒に捜索に参加するのだが、彼らを狙っていたプレデターの存在が徐々に明らかになってくる。ナルはいち早くプレデターの存在に気づくのだが、タアベたちはそれを認めず、そのために徐々に仲間を失っていく。そして、ナルも力不足のためにプレデターに立ち向かえなかった。プレデターを狙っていたのは白人たちも同様だったが、白人に捕まったナルとタアベは、プレデターを誘き寄せる餌として身動き取れない状態にされてしまう。プレデターはそれを察知し、白人たちを血祭りに上げる。ナルの機転で動けるようになったナルとタアベは、プレデターと対峙するのだが、タアベも奮戦虚しくプレデターに仕留められてしまう。残されたナルは、用意を周到にして、プレデターと最後の対決に挑む。

レビュー

 20世紀スタジオが誇る人気エイリアンシリーズ物、「プレデター」の最新作が、この「プレデター:ザ・プレイ」です。残念ながら劇場公開はされず、ストリーミング配信のみでの公開になっていますが、アメリカでは配信元のHuluでの再生時間が過去最高の記録を更新したというニュースも飛び込んできていて、その人気の高さが窺えます。評価もかなり高く、Rotten Tomatoesの批評家評価は92%、観客評価は80%と高評価を得ています。

 話は「プレデター」シリーズなので、プレデターが人間を襲い、それに対して人間が反撃するという展開そのものに大きな変更はありません。しかし、この「プレデター:ザ・プレイ」は、オリジナルの「プレデター」の300年前を舞台にするという意表をついた設定にしています。また、プレデターと戦う人間側の主人公をアメリカ先住民にしている点、主人公がその中でも少女である点などに新機軸を感じるところであります。

 ただ、前半は主人公であるナルが戦士として認められたいがためにいろいろ活動をするのですが、それが戦士としての成長につながっておらず、観ていてイライラさせられるところはあります。ナルは斧や弓矢の訓練を繰り返し行いますが、それが動物を仕留めるところまでつながっておらず、半人前の状態のまま、物語が進みますので、そこが気になる点ではあります。

 さらに、ナルの兄であるタアベが優秀な戦士で、一族を率いて動物の狩やライオンに襲われた仲間の救出に活躍してしまうところなどが描かれているところからも、ナルの不甲斐なさが目立ってしまい、そこに主人公として感情移入を拒むところがあると言ってもいいでしょう。

 そんなナルですが、プレデターの存在を感知したのは彼女が最初であり、一人でプレデターの正体を暴こうと奮戦していきますが、プレデターに傷を負わせるチャンスが幾度となくありながらも、それを行えないところにも、戦士としての半人前の状態を表しているといえるでしょう。そのために仲間が次々にプレデターの血祭りに上げられてしまいます。

 途中からプレデターを追いかけていたのは、先住民だけでなく白人たちもそうであることが判明するのですが、プレデターを誘き寄せる餌としてナルとタアベは捕まってしまうところは、少々予想外の展開であると思います。でも、白人たちはあっさりとプレデターの餌食になり、腕や足をもぎ取られる始末で、結構バイオレンスシーンが過激であると思います。少なくとも、家族向き映画ではないかなと思います。

 クライマックスは、タアベとナルによるプレデターとの戦いが待っていますが、ここにきてようやくナルも一人前の戦士として自立し、プレデターとのタイマン対決に持ち込んでいくところで、クライマックスは結構面白い展開かなと思いました。

 映像は4K/DOLBY VISIONで収録されています。マスターデータは4Kですので、ネイティヴ4Kでの再生になります。4Kならではの高精細感が先住民たちの居留地の自然を見事に描写していると言えます。また、DOLBY VISIONによるHDRグレーディングは、自然の色彩や夜のシーンでの微妙な黒の諧調表現に効果を発揮しています。音響はDOLBY ATMOSで収録されています。オブジェクトが面白いように移動を繰り返し、頭上に覆いかぶさる音圧や、プレデターの移動感、プレデターに対する人間の攻撃音など、聞きどころ満載です。

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