マトリックス レザレクションズ(4K UHD/iTunes Movies)
No Image | 原題 | THE MATRIX RESURRECTIONS |
レーベル | WARNER BROS. HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2021年 | |
上映時間 | 148分 | |
監督 | ラナ・ウォシャウスキー | |
出演 | キアヌ・リーヴス、キャリー=アン・モス、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世 | |
画面 | 2.39:1/DOLBY VISION | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
トーマス・アンダーソンは、ゲーム会社に勤務しており、彼が制作した「マトリックス」シリーズのゲームは、世界中で大ヒットを記録したゲームになっていた。ゲームを元に映画も作られ、「マトリックス」の続編をワーナー・ブラザースがトーマスたちを抜きにしても製作しようとしていた。しかし、「マトリックス」の世界は空想の世界の話ではなかった。トーマスの元にモーフィアスが訪れ、マトリックスの世界でこのまま生きるか、真実を知るかを選択させる。真実を知ることを選んだトーマスは赤い薬を飲んで、マトリックスの世界から真の世界に復帰する。それは、ゲームの話だと思っていた「マトリックス」が現実の世界であり、コンピューターが世界を支配する状況だったのである。そして、トーマスはかつてマトリックスで救世主として戦っていた記憶を思い出していく。マトリックスの世界から抜け出したトーマスは、バッグスたちと合流し、トリニティーを探す。トーマスにはトリニティーの力が必要だったのである。そのトーマスの前にかつての敵、エージェント・スミスが立ちはだかる。そして、トーマスの真の敵はトーマスが診療を受けていた精神科医だったのである。全ての記憶や力を取り戻しきれないまま、トーマスはトリニティーを取り戻すべく、戦いに身を投じる。
レビュー
1999年に公開され、社会現象を巻き起こしたSFアクション映画「マトリックス」シリーズの第4作目に当たる映画が、この「マトリックス レザレクションズ」です。前作「マトリックス・レボリューション」からは18年ぶりの新作公開になりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大のため、配給会社のワーナー・ブラザースは北米ではストリーミング配信サービスであるHBO Maxで劇場と同時に配信したために、劇場ではヒットに程遠い状況になっています。また、Rotten Tomatoesでの批評家評価は63%、観客評価も64%と芳しいものではありません。
日本でも2021年12月に劇場公開されましたが、ヒットには程遠く、2022年1月にデジタルダウンロード配信という異例の速さでホームビデオ市場に投入される結果になっています。今作は、「マトリックス」シリーズを監督したラナ・ウォシャウスキーが再度監督と脚本を務め、シリーズの統一性を測っていますが、残念ながら最初の「マトリックス」のような面白さに欠けるところがあります。
今作が面白いのが、映画「マトリックス」シリーズの世界はトーマスの世界ではテレビゲームのヒットシリーズになっており、それを元に映画化されている、という設定にあるかと思います。しかも、それが架空の話ではなく、実は「マトリックス」の世界は「モーダル」の世界で動いていて、マシンの電源として相変わらず人類が搾取されている設定はそのままであるというところにあると思います。
映画は「モーダル」の世界から真実の世界に脱出した女性バッグスを中心に、トーマスことネオを見つけ出して、「モーダル」の世界から真実の世界に脱出させようとしているのが話の中心です。そして、真実の世界に逃げ出したトーマスはネオとなって、自身の力を取り戻すべく、トリニティーを奪還する使命を帯びるというのが話の展開になっています。
ネオとトリニティーは前作と同じくキアヌ・リーヴスとキャリー=アン・モスが続投していますが、その他のキャラは別の役者が演じているので、話が分かりづらくなっています。話が分かりづらいのは「マトリックス」の世界が温存されたままで、その世界を維持するためにネオとトリニティー型の人類から切り離され、マシンの養分になっているというところが混乱しかけている証拠であるかと思います。
ネオに立ちはだかる真の敵は、エージェント・スミスではなく、「モーダル」の世界でトーマスを診ていた精神科医で、彼はブレット・タイムを使いネオを翻弄します。とはいえ、この精神科医の存在感はあまりなく、エージェント・スミスやモーフィアスも含めて、なんか違和感を感じるところがあります。ネオ自身も力を解放しきれていないので、バトルシーンが面白いかと言われると、そんなでもないと言わざるを得ません。
アクションシーンが思ったほど少ないのもそうですが、1999年に披露された時には驚いたブレット・タイムという技術も、18年の経過とともにCGの発達により色褪せており、新鮮味を感じさせないものがあります。総じて、新しい映像技術は目立つところではなく、アクションシーンも思ったほど興奮できるものではないです。
映像は4K/DOLBY VISIONで収録されています。マスターフォーマットが4Kですので、ネイティヴ4Kでの配信になっています。4Kならではの高精細の映像が堪能でき、またHDRの効果が抜群で、明るさの明暗度が高効果を発揮しています。音響はDOLBY ATMOSで収録されており、三次元サラウンドが映像と同期して自分の周囲に鳴り響きます。
コメント