ミニミニ大作戦(2003)(4K UHD/iTunes Movies)/Apple TVで観た映画のレビュー

ミニミニ大作戦(2003)(4K UHD/iTunes Movies)

No Image 原題 THE ITALIAN JOB
レーベル PARAMOUNT HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2003年
上映時間 111分
監督 F・ゲイリー・グレイ
出演 マーク・ウォールバーグ、エドワード・ノートン、シャーリーズ・セロン
画面 2.39:1/DOLBY VISION
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語/AAC 日本語
字幕 日本語

あらすじ

チャーリーは、一流の腕前の仲間を集め、イタリアのベネチアで、富豪が持っていた3500万ドルの金塊を収めた金庫をまんまと盗み出すことに成功する。しかし、成功の美酒に酔っている間に仲間の一人であったスティーブが裏切り、チャーリーたちを抹殺して金塊を奪おうとする。チャーリーたちは辛くも命逃れるが、チャーリーの父親的存在であったジョンがスティーブの手によって殺されてしまう。その1年後、チャーリーたちは、スティーブがアメリカのロサンゼルスで偽名を使っていることを知る。チャーリーたちは、ジョンの娘で錠前師であるステラを仲間に引き込み、スティーブから金塊を再び取り戻す作戦を練ることになる。スティーブから金塊を取り戻す作戦を練るために、スティーブの屋敷やロサンゼルスの交通事情等を詳細に調べ上げたチャーリーたちだったが、その調査の間にステラの正体がスティーブにバレてしまい、チャーリーたちもスティーブの前に姿を現し、宣戦布告を放つ。そして、金塊の保護を企むスティーブの裏を掻いて、チャーリーたちは新たなる計画を立てて、金塊奪取に臨む。

レビュー

1969年に制作された同名作品のリメイク作となる映画が、この「ミニミニ大作戦(2003)」です。今回は、出演俳優にマーク・ウォールバーグ、エドワード・ノートン、シャーリーズ・セロン等人気俳優を起用し、豪華なスター共演の映画に仕上がっています。チケットの売り上げも好調で、北米では1億ドル以上のチケット売り上げを記録し、制作費を軽く上回る収入を得ています。また、評判も悪くなく、Rotten Tomatoesの批評家評価は72%、観客評価は80%とまずまずの評価を得ています。

1969年の同タイトルのリメイク版ではありますが、オリジナル版を見ていないのでこのリメイク版が初視聴になるのですが、意外と軽い展開のアクション映画だなという印象を持ちました。犯罪映画に分類されると思うのですが、主役も敵も犯罪者で、警察の出る幕もないので、ヒーロー対ヴィランという構図だけで物語が進み、結構楽しめる作品になっています。

ヴィランというと、映画の冒頭を見ている時点で主人公チャーリーが慕う犯罪者としてジョンが登場しますが、ジョンをドナルド・サザーランドが演じていたため、思わず「ジョンがチャーリーを裏切り、物語が進んでいくのかな」と勝手に思い込んでいました。実はジョンはチャーリーを裏切るどころか、スティーブの裏切りによってスティーブの手で殺されてしまうという結構悲劇の人だったところが、意外に思ったのですが。

物語は冒頭のイタリアのベネチアでの金塊強奪シーンとスティーブの裏切りを除くと、あとはアメリカのロサンゼルスでのスティーブから金塊を取り戻す作戦を練るチャーリーと仲間たちの活躍を描く、痛快な作品に仕上がっています。チャーリーの仲間に加わるのが、ジョンの娘であり錠前師として活動するステラであり、物語の紅一点キャラとしてシャーリーズ・セロンが生き生きと演じています。また、チャーリーの仲間として、ジェイソン・ステイサムがロブを演じていたり、「ナップスターを作ったのは自分だ!」と言い張るコンピューターオタクのライルを演じたのがセス・グリーンであったりと、結構面白い配役になっています。総じて飛び抜けたスターがいないため、登場キャラ全員にスポットライトが当たるような設定になっていて、群像劇としての出来はいいと思います。

物語としてはいかにしてスティーブから金塊を自分たちの手に取り戻すかというチャーリーと仲間たちの計画と奮戦がメインになっていて、登場キャラの内面を深く描く内容にはなっていないのも、気軽に見られる映画に仕上がっている要素であると思います。チャーリーにとっては父親代わり、ステラにとっては実の父親、であるジョンの死がスティーブに対する逆襲の伏線とも言えなくもないですが、これが表面だって描かれることもなく、基本的に自分たちが富豪から奪った金塊を奪われ、取り戻すための戦いが前面に出ている作品になっています。なので、チャーリーたちは悩まないです。あくまで金塊取り戻しのための作戦遂行を実行するための行動しかしていないです。

スティーブからの金塊取り戻し作戦の遂行が前面に出た結果、物語はチャーリーたちがどうやって金塊をスティーブの手から取り戻すかが物語のキーになっており、その作戦の成否にハラハラドキドキする展開の物語になっています。特に物語中盤まで立てていた計画がオジャンになって、新たな計画を立案、遂行していく様は、物語の展開に驚きがあり、クライマックスの金塊奪取の行動がアドレナリン放出のシーンが連続です。

クライマックスでは、金塊を奪取するためにミニ・クーパーが大活躍をしており、ミニ・クーパーでなければ出来ない行動がチャーリーたちの計画に完全に組み込まれているために、ミニ・クーパーが映える演出になっています。ロサンゼルスの地下鉄、ヘリコプター、大渋滞の道路といった要素をミニ・クーパーに組み込み、カーアクションシーンを成立させてしまうところは、見どころだと思います。

映像は4K/DOLBY VISIONで収録されています。IMDbによるとマスターデータは2Kマスターを作ったようですので、アップスケール4Kでの収録になります。アップスケール4Kですので高精細な映像とまではいきませんが、シネマDCIでの2Kなため、そこそこの精彩感はあります。フィルムの粒子もしばしば見られます。DOLBY VISIONによる色彩管理は、高コントラストで、明るめのシーンと暗めのシーンがはっきり分かれている描写になっています。ただ、明るいシーンでも白が飛んでいるということではなくて、輝度的にはそんなには高くはないです。色で言えばカラフルではなくて、どことなくモノトーン的色彩に感じられます。

音響はDOLBY DIGITAL 5.1chサラウンドで収録されています。視聴環境でも書いているように、Apple TV 4KにBeats Fit Proを接続し、空間オーディオで5.1ch再生を行っているのですが、時々自分の前方上空に音像が出現している時もあります。ヘリコプターのローター音などがそうですが、上方音源がない5.1chサラウンドを空間オーディオで再現した時でも、ミニ・クーパーの疾走感とか、ヘリコプターの飛行音などが視聴者の前後左右に移動し、魅力的なサラウンドを提供しています。

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