STAR TREK:PRODIGY SEASON 1(Blu-ray)
邦題 | スター・トレック:プロディジー | |
レーベル | CBS STUDIOS | |
制作年度 | 2021-2022年 | |
上映時間 | 237分 | |
監督 | ケヴィン・ヒボン他 | |
声の出演 | ブレット・グレイ、エラ・パーネル、ジェイソン・マンツォーカス | |
画面 | 2.39:1/SDR | |
音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語/DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語/DOLBY DIGITAL 2.0ch スペイン語 | |
字幕 | 英語、フランス語、スペイン語 |
あらすじ
LOST AND FOUND:PART 1 AND PART 2
辺境の刑務所惑星で、ダルという若者は刑罰に処していた。ダルは、その惑星からの逃亡をいつも試みていたが、なかなか成功しなかった。そのダルに対して占い師とその娘のグウィンは、逃亡者「ゼロ」の行方を尋ねる。「ゼロ」はエネルギー体の生命帯で、占い師の企みに対して脅威になっていたため、占い師はなんとか「ゼロ」を確保しようとしていたのである。グウィンから「ゼロ」の確保を指示されたダルは、刑務所の一角で放棄された連邦の宇宙船を発見し、「ゼロ」やその他のメンバーたちと一緒にその宇宙船で刑務所からの脱走を図る。しかし、占い師からの命令を受けたドレッドノックがダルたちに襲いかかってくる。
STARSTRUCK
放棄された連邦の宇宙船、プロトスターで刑務所惑星から脱出したダルたち。そのプロトスターにはホログラムのジェインウェイが搭載されていて、ダルたちにアドバイスをしようとする。ホログラムのジェインウェイはグゥインが艦長かと判断するが、ダルは「自分が艦長だ」と宣言し、ジェインウェイの警告を無視して赤色惑星に向けてプロトスターの進路を向ける。そして、グウィンを監獄の中に閉じ込める。赤色惑星に近づいたプロトスターだったが、その重力に囚われ、危機に陥る。多数の隕石がプロトスターに衝突し、フォースフィールドが消えてしまい、グウィンを閉じ込めていたフィールドも消えたので、グウィンはプロトスターから脱出しようとシャトルを作り始める。そのためにプロトスターの危機は高まり、ダルはホログラムのジェインウェイの忠告を聞かざるを得なくなる。
DREAM CATCHER
プロトスターに乗り込んだダルたちは、ホログラムのジェインウェイから、連邦の仕事のやり方を習っていた。そして、宇宙を航行中、Mクラスの惑星に接近する。ダルたちは興味なかったが、連邦の仕事のやり方の練習としてジェインウェイはMクラスの惑星に上陸し、惑星を調査するよう指示する。ダルたちは惑星に生命体はいないというジェインウェイの言葉を信じて調査を開始するが、すぐにメンバー全てがバラバラに行動するようになる。そして、生命体がいないはずの惑星で、それぞれが生命体に遭遇する。その頃、監獄に囚われていたグウィンは監獄を脱出し、プロトスターの指揮権をダルから自分に移譲してしまう。そして、父である占い師の元にプロトスターで赴こうとするが、惑星の謎の植物によってプロトスターは絡め取られてしまい、脱出できなくなる。そして、ダルたちも遭遇した生命体が幻覚を見せる植物であることに気づき、プロトスターに戻って惑星から脱出しようとする。
TERROR FIRMA
ダルたちは、プロトスターに残っていたマーフとグウィンと再会する。グウィンを信用しないダルだったが、ロクたちは「マーフをグウィンが救った」と言う事実から、彼女を信頼する。グウィンは足を負傷していたが、足を固定することでなんとか歩けるようになった。ダルたちは10km離れているプロトスターに戻ろうと歩き出すが、惑星自体が生命体であることがわかり、惑星の地形そのものが絶えず変わってしまうため、いつまで経ってもプロトスターに辿り着けなかった。そのプロトスターでは、ホログラムのジェインウェイが惑星の触手からプロトスターを解放すべく、独断の行動を起こす。プロトスターを目指すダルたちの前に、再び惑星の触手が忍び寄るが、グウィンが松明を放ったことで一命を取り留める。ダルとグウィンは休憩時に和解し、星の位置が変わらないことからプロトスターへの道筋を見つけ出す。しかし、彼らの前にドレッドノックが現れ、グウィンが彼の指示に従わなかったことから、グウィンの固定していた脚の金具を破壊し、グウィンは動けなくなる。ダルたちは一旦ドレッドノックから逃げ、グウィンを改めて救助しようとする。ドレッドノックだけでなく、占い師も惑星に現れるが、グウィンを見捨ててプロトスター拿捕に動いたため、グウィンは実の父である占い師を見限る。そして、占い師やドレッドノックからの逃走で、プロトスターという船の真の意味をダルたちは知ることになる。
KOBAYASHI
プロトスターのワープドライブの性能のおかげで、ダルたちはデルタ領域の入り口まで4000光年を飛翔し、占い師やドレッドノックから逃れることに成功する。しかし、占い師の娘であるグウィンは足の怪我は治ったものの、父の行為に対して自分の居場所がない思いを抱き、「ゼロ」に悩みを打ち明ける。グウィンや「ゼロ」はホログラムのジェインウェイに相談するが、その過程でホログラムのジェインウェイがアクセスできない情報がプロトスターにあることが判明する。その情報はグウィンと父である占い師の種族に関する情報であり、アクセスするにはグウィンの使う言語が必要だったので、グウィンがデータベースにアクセスを試みる。その頃、ダルとジャンクオムはホロデッキに来ていた。ホロデッキの性能の凄さに驚き、ホログラムのジェインウェイがホロデッキの説明をするが、ダルはホロプログラムの「KOBAYASHI-MARU」を見つけてしまい、それを起動する。すると、ウフーラ、ビバリー・クラッシャー、オドー、スポック、スコットのホログラムが登場し、「KOBAYASHI-MARU」の救出テストを実施するが、何度チャレンジしてもクリンゴンの攻撃を受けて、救出に失敗してしまう。ダルも一計を案じて最後のチャレンジをするが、それも失敗する。そして、ホログラムのスポックが「KOBAYASHI-MARU」テストは、絶対に失敗するプログラムで、艦長の素質を図るものであるとダルを諭す。落ち込んでいたダルはそれを聞いて元気を取り戻すが、その頃、グウィンが機密情報のデータベースの解析に成功し、プロトスターの秘密に触れて驚愕する。
FIRST CON-TACT
プロトスターは、かつてはジェインウェイの副長だったチャコティが艦長を務めていた船だったが、何らかの理由により放棄されたことが記録から明らかになる。その頃、プロトスターは他の船からの救難信号を受け、救助をしようとするが、実はそれはカモフラージュで、フェレンギ人のナンディが接触を図るために行なっていたことだった。ナンディはダルのかつての指導者であり、ダルとは顔馴染みであった。ナンディは連邦がファースト・コンタクトを果たしていない生命体が所有しているクリスタルを手に入れるため、ダルたちを巻き込んでその惑星に上陸しようとする。ダルたちもナンディの口車に乗せられ、未知の異星人とのファースト・コンタクトを行おうとする。しかし、その異星人は振動によりコミュニケーションを取る種族であり、ダルたちは最初それがわからずにパニックに陥る。グウィンが振動がコミュニケーションの手段だと解析したので、ダルたちは異星人とコミュニケーションを図り、異星人のコアになるクリスタルの管理場所に辿り着く。クリスタルを取ると異星人にとって問題が生じるため、ダルたちはクリスタルを取るのをやめようとするが、ナンディはクリスタルを持ち去ってしまい、異星人たちは怒り狂う。危機一髪の中、ダルたちはプロトスターに帰りつき、ナンディの手元にあるクリスタルを元に戻そうと転送装置を使って画策する。
TIME AMOK
フェレンギのナンディに騙され、異星人と不幸なファースト・コンタクトを行ってしまったダルたちに対して、ホログラムのジェインウェイは、生命体との接触方法についてレクチャーを施すが、なかなかうまくいかないどころか、ダルたちは連邦のやり方を取得する気はなく、プロトスターを奪って気楽な生活を過ごしていこうとしていた。占い師やドレッドノックは、プロトスターの位置を突き止めるが、彼らからプロトスターの位置まで移動するには時間がかかりすぎるので、ドレッドノックのコピーをプロトスターのレプリケーターで生産し、プロトスター自体を彼らのいる位置まで呼び戻そうと画策していた。その頃、プロトスターはタキオン嵐に遭遇し、プロトスターのワープドライブに影響が出てきた。ジャンクオムはそれを修復しようとするが間に合わず、プロトスターはパラレルの時間を生み出して爆発してしまう。ホログラムのジェインウェイは、爆発したはずのプロトスターがまだ存在していることや、存在したクルーがロクだけだったことから、無数の時間軸が誕生し、それぞれにクルーが一人だけ存在していることを知る。ジェインウェイは、時間を飛び越え、残されたクルーを説得し、ワープドライブの修復を図ろうとするが、ドレッドノックのコピーがそれを邪魔しようとしていた。
A MORAL STAR, PART 1
ドレッドノックのコピーは、生まれた無数の時間の修復の時に破壊したのだが、頭だけは生き残っていて、占い師からのメッセージをダルたちに伝えた。それは、プロトスターを引き渡せば、ダルたちが閉じ込められていた刑務所惑星からの解放を約束する、というものだった。ダルたちは惑星連邦に助けを求めるか、占い師の要求に屈するか、判断を求められる。そして、ダルたちはある決意をして、プロトスターのワープドライブを駆動させ、占い師のいる宇宙艦のところまでジャンプする。ダルたちはプロトスターを占い師に引き渡すと言い、占い師はそれに応じるだけでなく、グウィンの引き渡しも要求し、グウィンもそれに応じて占い師である父の元に戻る。占い師とドレッドノックはプロトスターに乗船し、自身の船を攻撃してダルたちを見捨てようとする。ダルたちは船の重力が消えたので生き延びるのに必死だったが、実はそれは演技であり、プロトスターからワープドライブは、抜き取っていたのだった。プロトスターが去った後にダルたちは占い師の船のパワーをプロトスターのワープドライブで復旧させようとする。グウィンは父がなぜプロトスターにこだわるのか真意を確かめようとしたが、グウィンが何か企んでいることを占い師も勘付いてしまったことと、プロトスターのワープドライブがないことに気づき、怒り狂う。
A MORAL STAR, PART 2
占い師が破壊した船のパワーを復旧させ、シールドを復活させようと、ダルたちは星にいた作業員たちにも協力を願う。その占い師はプロトスターにワープドライブがないことから再び自身の船に戻り、ダルたちが持っているドライブを回収すべく、船を保護していた機械たちを稼働させてダルたちを排除しようとする。占い師の持っていた船のエネルギーコアを復旧させるべくジャンクオムは機械を調べるが、時間がないためすでにエンジニアの知識を蓄えていたロクにコアの復旧を任せ、自身は自分たちを排除しようとする機械たちの猛攻を防ぐ働きをする。そこにドレッドノックもやってきて、彼らの排除を行おうとするが、ダルや「ゼロ」が囚われの身になっていた囚人たちを解放したので、ドレッドノックは破壊される。しかし、破壊される前にドレッドノックはワープコアをプロトスターに転送してしまった。そして、プロトスターはワープドライブを得て、プロトドライブの稼働に漕ぎ着ける。だが、グウィンが密かにシールドを下げる動きをしていたばかりか、占い師によって自身のしもべととして書き換えられたホログラム・ジェインウェイをさらに書き換え、再びグウィンたちの味方にする。そして、占い師はグウィンとホログラム・ジェインウェイによって負傷する。瀕死の負傷を負った占い師は、娘であるグウィンに対して、なぜプロトスターが必要なのか真相を語る。占い師やグウィンたちの種族は50年前に連邦とファースト・コンタクトを果たしたが、その結果内戦が起こり、彼らの種族は占い師とグウィンを除いて絶滅してしまったのである。占い師はプロトスターのプロトドライブがあれば、歴史を巻き戻してファースト・コンタクト前の時間に戻せるという理由で、プロトスターを狙っていたのである。動揺するグウィンだったが、プロトスターのプロトドライブ稼働を検知したダルと「ゼロ」は転送でプロトスターに行き、「ゼロ」は自身の真の姿を占い師に明かして、事態の収集を図る。
感想
LOST AND FOUND:PART 1 AND PART 2
スター・トレックの新シリーズであり、パラマウントと子供向けアニメを配信しているニッケルオデオンが共同で製作した子供向けCGアニメが、この「スター・トレック:プロディジー」です。物語は連邦の士官の物語ではなく、ティーンエイジの犯罪者が巨大な陰謀に巻き込まれる中、遺棄された連邦の宇宙艦に乗って刑務所惑星を脱出し、新たな冒険に挑むという展開で、子供向けでありながらCGアニメという斬新な映像で面白い展開を見せてくれます。登場キャラ的にもなんかスター・ウォーズを思わせるキャラがいたり、ちょっとスター・トレックぽくないところもありますが、番組最後にホログラムでジェインウェイ艦長が登場するので、やはりスター・トレックなのだなと感じさせてくれます。ニッケルオデオンとも共同製作なので日本でも配信されるのかと思ったら、現時点で配信されていないので、ひと足先にアメリカでリリースされた輸入盤Blu-rayで鑑賞しています。SEASON 1は10エピソードで完結するとのことで、1話30分もかからないのと子供向けなので英語のセリフがわかりやすく、気軽に見ることができます。展開的には次回が気になるところです。
STARSTRUCK
第3話目のエピソードは、シリーズを大きく動かす展開にはなっておらず、ダルの勝手な判断で遺棄された宇宙艦プロトスターを危機に陥れるが、ホログラムのジェインウェイの指示に最終的には従ったことで、プロトスターは危機を脱するという単純な展開になっているのがメインのストーリーになっています。ジェインウェイのホログラムは物語の重要な要になっており、第1話、2話でゲスト出演かと思われたケイト・マルグルーがメイン出演というのが面白いと思います。ただ、次回に向けた布石は少しずつ描かれており、逃亡者「ゼロ」と娘であるグウィンを取り戻すべく、占い師が動き出すところは、次回以降のダルたちの行動に応じて危機が訪れる可能性を示唆していて、面白いと思います。今エピソードでもグウィンが監獄に閉じ込められるも、プロトスターの危機に乗じて脱走を図る展開は、今後の話に大きく影響していくような布石になっています。ただ、前述の通りにこのエピソードはそんなにストーリー全般に影響するような話ではないと思います。
DREAM CATCHER
いよいよ、シリーズの本質である新たなる生命体との遭遇や、その危機から脱出するための活躍を見せるのが、この第4話目のエピソードになります。ホログラムのジェインウェイがダルたちに連邦の仕事のやり方を教えて、Mクラスの惑星で調査任務を与えるのが、今エピソードの筋ですが、生命体がいないはずの惑星でダルたち主人公グループがそれぞれ幻覚を見せられ、それに気づいて惑星から脱出するためのアクションを起こすも、プロトスターはグウィンに乗っ取られ、脱出すらできないという展開で次回に続く、となってしまい、次回が気になる展開です。犯罪者集団にすぎないダルたちが次第に連邦の流儀を身につけていくのは、スター・トレックっぽい展開かなと思いますし、グウィンが自分の居場所を占い師に連絡してしまうのも、次回以降の展開に期待がかかるところです。話が本格的な展開に入り始めた感はあります。
TERROR FIRMA
第5話目のエピソードは、前話「DREAM CATCHER」の続きの話になります。生命体のいないはずのMクラスの惑星で謎の植物に襲われるダルたちの結束を描いたエピソードと、植物の正体が明らかになる展開、そして「ゼロ」を拿捕しようとする占い師やドレッドノックがダルたちの前に立ちはだかり、彼らを排除しようとする展開には、結構スピーディー感が感じられるものがあります。占い師の娘であり、「ゼロ」の拿捕に躍起になっていたグウィンではありますが、プロトスターの危機に対してマーフを助けたことで、ダルを除く他のメンバーの信頼を得て、次第に仲間になっていくのは、スター・トレックらしい展開かなと思います。そして、最終的にはダルもグウィンを信頼し、仲間として扱うようになるのは、一つの到達点ではないかと思います。その分、グウィンが実の父である占い師を見限るところは、彼女の成長を見ている感じがして、次回以降の展開に期待がかかります。ホログラムのジェインウェイが結構活躍したり、プロトスターという船の名前の真の意味がクライマックスで明かされたりと、とりあえずの話の完結に一役買っていると思います。
KOBAYASHI
第6話目のエピソードは、一応は単独で完結するストーリーで、話は2つのエピソードが同時進行しています。一つは、居場所を失っていたグウィンが、プロトスターのコンピューターに隠されていた機密情報の解析に挑む話。もう一つはホロプログラムの「KOBAYASHI-MARU」に挑むダルの指揮官の素質の物語。サブタイトルの「KOBAYASHI」は、スター・トレック・ファンならお馴染みの「コバヤシマル」テストの話であり、このホロプログラムは絶対に勝てないテストで、勝てない状況下での指揮官の資質を見るためのものであることは知られている話でありますが、その絶対勝てないプログラムにダルがどう挑むかというダルの指揮官としての資質を見るための展開が繰り広げられていきます。このホロプログラムが豪華なのは、ダルの指揮下にいる士官に「宇宙大作戦」からウフーラ、スコット、スポック、「新スター・トレック:ザ・ネクスト・ジェネレーション」からビバリー・クラッシャー、「スター・トレック:ディープ・スペース・ナイン」からオドーと、往年の人気キャラが登場し、しかも声はオリジナルの本人吹き替えというファンなら歓喜の声を上げる演出をしているところにあると思います。本人が死去しているキャラもいますが、ライブラリーから声をサンプリングしているようで、代役を立てていないようなので、好感が持てます。グウィンのプロトスターの機密情報読解も成功しますが、そこで明かされる情報も意外で、ラストに出てくるホログラムもジェインウェイと関係の深いキャラが登場するので、これまたあっと言わせる演出になっています。1話完結エピソードではありますが、ラストから次回への展開を予期させていて、面白みが増しています。
FIRST CON-TACT
このエピソードも一応1話完結であります。ラストで次に続くような展開もありますが。メインの話は、ダルの昔の指導者であるフェレンギ人のナンディが彼らの前に現れ、連邦がファースト・コンタクトを果たしていない異星人が持つクリスタルを手に入れようと、詐欺を働くという話です。サブタイトルの「CON-TACT」というCONが別れた書き方になっているのにも、その状況を説明しています。連邦がファースト・コンタクトを果たしていない異星人とファースト・コンタクトを果たしてしまうダルたちは、連邦のプライム・ディレクティヴによれば明らかに違反しているのですが、ダルとナンディがかつての顔馴染みであることもあって、ダルはナンディの口車に乗せられてしまい、異星人との初接触をしてしまうというところが、スター・トレックらしくなく面白いです。その異星人は振動でコミュニケートを行う種族というのも変わっていて、ユニークですし、ナンディが手に入れようとするクリスタルは異星人の生命にとって重要なものになっているところが、物語のキモであり、それをナンディが持ち去ってしまうところでダルたちは危機一髪の事態を迎える、という話になっています。それをプロトスターの転送装置を使い、事態解決に持ち込むという手法はユニークです。
TIME AMOK
シーズン1も後半に入ってきましたが、今エピソードではロクが物語の解決の中心にいるストーリーになっています。タキオン嵐の影響でプロトスターのワープドライブが異常を起こし、流れの異なる無数の時間が生まれてしまい、それぞれの時間にクルーが一人だけ存在する中で、無数の時間を一つの時間にまとめるためにワープドライブを修復するという話ではありますが、残された時間は10分だけであり、その時間がクルー一人一人にとってはとても早い時間の流れの中にいるか、とても遅い流れの中にいるか、という違いが生まれています。その中でそれぞれのクルーがワープドライブの修復にあたるのですが、ダルも「ゼロ」も修復に失敗し、グウィンの時には彼らを追いかけるドレッドノックの邪魔が入るため、やはり失敗。結局これまで物語ではスポットライトの当たらなかったロクがとても流れの遅い時間の中で、ワープドライブ修復のための知識をどんどん溜め込んでついに彼女一人で修復に成功するという、結構達成感を感じる展開になっています。キャラもこれまでの話だとダルとかグウィン中心の話が多かったように思いますが、ロクという子供キャラの活躍が見られるところに、この作品の見どころがあると言えます。ただ、残り2話で、どう物語は終結するのか、期待は膨らみますが。
A MORAL STAR, PART 1
シーズン1の前半のラストを飾るエピソードの前編が、この「A MORAL STAR, PART 1」です。プロトスターを追いかける占い師と、ダルたちの直接対決がメインの話になっています。占い師がなぜプロトスターにこだわるのかは、このエピソードでも明かされずじまいでしたが、大きな理由は存在しているのは感じ取れます。そしてその謎は娘であるグウィンも知らされていないようです。占い師に脅迫を受けるダルたちは、事前の準備をして、占い師に投降するフリをして彼らの前に現れますが、占い師はそれに気づかずにダルたちの罠にハマります。PART 2の方でその顛末は描かれるものになると思います。しかし、占い師の真の目的がなんなのか、プロトスターの真の役割とはなんなのか、を後1話で解決できるのか、わからないところです。実はネットで情報を探っていたら、シーズン1は前半10話を配信した後、半年以上の間隔を空けて後半10話も配信されたという事実があるからです。なので、一旦の解決はするものの、後半に物語のさらなる展開が予想されます。シーズン2の制作も決まったようですので、まずはシーズン1前半10話のラストを飾る次のエピソード、「A MORAL STAR, PART 2」を期待したいと思います。
A MORAL STAR, PART 2
前話である「A MORAL STAR, PART1」の感想で「後1話で物語が決着つくのかわからない」と書きましたが、少なくともプロトスターや「ゼロ」を追いかける占い師やドレッドノックと、ダルたちとの戦いには決着がつきました。占い師がなぜプロトスターに固執しているのかの謎も明らかにされ、その真相はグウィンですら初耳であったという展開には唸らされるものがあります。ドレッドノックも破壊され、ダルたちがいた刑務所惑星の住人たちは解放され、ダルとグウィンの信頼関係も強固なものになり、「ゼロ」が真の姿を表し、最後は大団円的な展開でエピソード10を終えることになります。スター・トレック的だなと思ったのが、ラストでダルたちはプロトスターを連邦に帰すべく行動を始めるというところと、プロトスターの痕跡を見つけた本物のジェインウェイがプロトスターの行方を追いかけるという予想外の展開になっているところです。話的にはここから本格的なダルたちの冒険物が始まると言ってもいいのでしょうが、発端部であった占い師との確執については、解決したものと思われます。占い師が死んだわけではなく、牢屋に閉じ込められるという展開なので、また、どこかで再登場する可能性もありますが、10エピソードで一旦は完結しています。子供向けCGアニメである「STAR TREK:PRODIGY」ですが、意外と面白いストーリーであったと思います。今回は輸入盤Blu-rayで英語字幕で鑑賞しましたが、日本で日本語字幕、吹き替え音声でどこかの配信サイトが配信するようならば、もう一回見たいなと思わせる物がありました。
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