ザ・ロストシティ(HD/Netflix)/Apple TVで観た映画のレビュー
配信仕様
No Image | 原題 | THE LOST CITY |
レーベル | PARAMOUNT HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2022年 | |
上映時間 | 112分 | |
監督 | アダム・ニー、アーロン・ニー | |
出演 | サンドラ・ブロック、チャニング・テイタム、ダニエル・ラドクリフ | |
画面 | 2.39:1/SDR | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
ロレッタは、ラブロマンス冒険物語を執筆していたが、書く気力を失い、物語を継続できなくなった。ロレッタが最後に執筆した「ロストシティD」という本のプロモーションで、全米各地を回る仕事を嫌々受け入れるが、トークショーで小説のカバーアートを飾っていたダッシュという男性主人公役のアランとの絡みを心底嫌っていた。しかし、会場を後にしたロレッタは、アビゲイルという男に誘拐される。アビゲイルは弟が会社の経営をしている大富豪だったが、ロレッタの書いた「ロストシティD」の失われた都市が実在し、そこに炎の冠という秘宝が眠っていると確信していた。そのため「ロストシティD」を書いたロレッタに現場に行ってもらい、秘宝である炎の冠を見つけるよう強要する。ロレッタはアビゲイルのなすがまま大西洋の孤島に連れて行かれ、炎の冠を見つける作業をさせられる。一方、ロレッタが誘拐されたと知ったアランやプロモーターのベス達は、アランの知り合いのスペシャリストであるジャックと連絡を取り、ジャックとアランがロレッタの身につけていたスマートウォッチから位置を特定し、救出に向かう。ロレッタの救出に成功はするが、アビゲイルの部下の攻撃を受け、ジャックは死亡し、頼りないアランとロレッタは口喧嘩しながらアビゲイルの部下をまいて逃走する。そして、その途中で炎の冠の隠し場所について徐々に謎が解かれていき、ロレッタとアランはその場所に向けて移動する。
レビュー
サンドラ・ブロックとチャニング・テイタム、ダニエル・ラドクリフが共演した冒険ラブロマンス・コメディ映画が、この「ザ・ロストシティ」です。2022年のコロナ禍の中劇場公開され、制作費を大きく上回る興行収入を獲得し、大ヒットを記録した作品です。映画を見た人の評価も悪くなく、Rotten Tomotoesの批評家評価は79%、観客評価は83%と割と高めの評価になっています。
物語は、冒険ラブロマンス小説を書いているロレッタが大富豪のアビゲイルに誘拐され、ロレッタが書いた小説「ザ・ロストシティD」と状況の同じ失われた都市で消え去った秘宝、炎の冠をアビゲイルは手に入れるべく、ロレッタに捜索を強要するという展開から、ロレッタの書いた小説の表紙のモデルになっているダッシュという男に扮しているアランが、ロレッタ救出のために動き出し、ロレッタとアランが口論しながらもアビゲイルの追跡を避けながら、秘宝、炎の冠を探すという展開になっています。
作品タイトルからもっと冒険物の要素が強い映画かと思いましたが、基本はロレッタとアランの口喧嘩をメインにしながらアビゲイルから逃走するというコメディ映画なので、冒険要素は少なく、ロレッタとアランのキャラに頼った作品作りになっています。この二人はロレッタの書いた小説の中の主人公ダッシュとラブモアのように惹かれ合うのかと思いきや、結構反発しつつ逃走していくので、小説の世界と真逆の世界で物語が繰り広げられていくところがあります。
また、アランが小説のダッシュとは違って物凄く頼りない人なので、ロレッタはアビゲイルから助けられても、安心できないというところに、物語のポイントがあります。王子様が頼りないので王女様が自身で決断しなければならない状況に陥り、ロレッタがアクティヴに判断して行動していくところなどは、サンドラ・ブロック主演映画としてちゃんと役柄を見極めているのではないかと思います。
ロレッタを誘拐したアビゲイルを演じているのはダニエル・ラドクリフですが、どう見てもヴィランっぽくないので、無駄な俳優起用になっているような気がします。ロレッタ救出に向かうアランと行動を共にしたスペシャリストのジャックを演じているのもブラッド・ピットですが、彼も前半で早々にスクリーンから消えますので、やはり無駄な俳優起用であると思います。
物語クライマックスは、ついに炎の冠を見つけ出すところに行きつき、その辺りは結構冒険物としての作風になっていますが、真相が明らかになると、その展開はないだろうという話になり、やはり小説の世界の展開と現実の世界の展開の差異に意外性を感じます。ただ、前述のようにコメディ中心の展開なので、冒険物として見ると緩い展開だなと思うところが多々あり、派手なアクションを期待すると肩透かしに遭います。
映像はNetflixでの配信ですので、2K/SDRでの配信になっています。マスターデータは2Kのようですので、2K配信でも解像度に不満のない出来でありますし、ジャングルや太陽光下の色彩は結構華やかで見ていて魅力を感じるところはあります。配信における画質劣化も最小限にとどめられていて、2K画質を堪能できます。
音響はDOLBY ATMOSで提供されています。ただ、ラウドネスがかかっているのか、迫力という点では今ひとつです。環境音やBGMのイマーシヴ感は高くはなく、あまり映像に没入できるようなサラウンドではないです。それでもシーンによってはオブジェクトがはっきりしているシーンもありますし、クライマックスでは頭上で音が鳴っているのがわかる程度にはDOLBY ATMOSの効果は発揮されています。
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