リトル・マーメイド(2023)(4K UHD/Disney+)|Apple TVで観た映画のレビュー

リトル・マーメイド(2023)(4K UHD/Disney+)|Apple TVで観た映画のレビュー

配信仕様

No Image 原題 THE LITTLE MERMAID
レーベル Walt Disney Studio
制作年度 2023年
上映時間 135分
監督 ロブ・マーシャル
出演 ハリー・ベイリー、ジョナ・ハウナー=キング、アート・マリク
画面 2.39:1/DOLBY VISION
音声 DOLBY ATMOS 英語
字幕 日本語

あらすじ

海を支配していた海の王トリトンは、自分の娘たちである人魚姫に7つの海を管理させていた。人魚姫の一人であるアリエルは人間に興味があり、沈没した船からの遺品を収集していた。しかし、トリトン王は人間と関わることを固く禁じていた。そんなある日、アリエルは嵐の中沈没する人間の船を見つけ、海で溺れかけていたエリック王子を救助してしまう。エリック王子に好意を持ったアリエルは、トリトン王の妹でありながら追放されていたアースラという魔女に付け込まれ、3日間人間になれる魔法をかけられる。3日間のうちにエリック王子と真実の愛のキスを交わせばアリエルは人間になるのだが、3日間を過ぎると人魚姫に戻ってしまうという魔法であった。しかもアースラの魔法には悪巧みが仕掛けられており、人間になったアリエルは人間の言葉が喋れず、3日間後に人魚姫に戻った時にも美声は戻らないという仕掛けも仕込まれていた。アースラは自分を追放したトリトン王に恨みを持っていて、それを晴らす企みをアリエルを通じて果たそうと考えていたのである。人間になったアリエルはエリック王子と接近し、二人は次第に親密になっていくのだが、アースラはそれを妨害しに動く。

レビュー

1980年代に業績が低迷していたディズニーが復活するきっかけとなったアンデルセン童話のアニメーション映画化である「リトル・マーメイド(1989)」をリメイクし、実写映画化したのがこの「リトル・マーメイド(2023)」であります。主役であるアリエルを黒人女性であるハリー・ベイリーが務めたことで「アニメーション映画のアリエルと人種が違う」、「ディズニーはポリティカル・コレクトに囚われ過ぎている」などと批判が出ていましたが、興行収入的にはなんとか赤字は免れました。作品評価は水準は達しており、Rotten Tomatoesの批評家評価は67%、観客評価は94%と観客の方が評価する結果になっています。

僕自身は1989年版の「リトル・マーメイド」は未見ですので、どこまでこの映画がポリティカル・コレクトなのだろう?と思いながら視聴しましたが、作品からポリティカル・コレクト臭が漂ってくるというようには感じ取れませんでした。1989年版の「リトル・マーメイド」を未見というのもありますが、主人公アリエルが黒人女性だというのも特に違和感を感じることもなく、またアリエルを演じたハリー・ベイリーの歌声の綺麗さに結構魅力を感じたのは事実です。

敢えて「この映画がポリティカル・コレクトだな」と思ったシーンを挙げれば、ラストのシーンで人間と人魚の融和のシーンで多種多様な人種が登場するので、そこは確かにポリティカル・コレクトだと批判されても仕方ないかなという気はします。でも、僕的には今まで分断していた人間界と人魚界が融和することで新しい世界が開ける大団円的ラストとして見ていましたので、ポリティカル・コレクトとはやはり感じませんでしたけれど。

基本的には人魚であるアリエルと人間であるエリック王子の間で起きるラブストーリーとして物語は進行していくのですが、クライマックスはそこを突破してトリトン王に追放されていたアースラが海の世界を支配しようとして大暴れするのですが、アリエルの必至の活躍によりアースラを抹殺するという突然ラブストーリーから離れたスケールの大きな展開に変わっているところが、面白いところではあります。アースラの悪事は物語冒頭から徐々に始まっているのですが、視聴者である僕としてはアリエルとエリック王子のラブストーリーだなと認識して視聴していましたので、クライマックスの展開は少々意外でした。

アリエルに寄り添うカニのセバスチャンたちはCGによる描写ではありますが、その描写がリアルなため、結構リリーフポイントとしてインパクトを与えるキャラクターになっているかと思います。あまりにリアルな描写のため、世界観を壊すようなキャラ設定になっておらず、彼らの存在がアリエルたちをサポートする状況になっているのは、楽しいところだと思います。

映画自体はミュージカル映画のため、ストーリー自体が歌で語られるため、日本語字幕で歌詞が出てくるのは結構助かります。ミュージカル映画ですので、基本的にファンタジーの世界をリアルに感じさせるものがあり、出演役者やCGキャラたちの描写が秀逸であります。

映像は4K/DOLBY VISIONで配信されています。DIが4Kですのでネイティヴ4Kでの配信になっています。海中のシーンはCG等による特殊効果での撮影なのだろうと思いますが、映像の高精細な解像度は臨場感が豊かでとても魅力的です。また、DOLBY VISIONによる色彩管理も鮮やかな色彩が終始見られていて、驚きを感じさせる映像に仕上がっています。

音響はDOLBY ATMOSでミックスされています。音のオブジェクトが明確に定位する感覚はあまりないため、ハッとさせられるシーンは少ないのですが、全般的に視聴者を包み込むかのようなサラウンド感はあるため、結果的に映像に寄り添ったサラウンドになっています。ミュージカル映画のため歌のシーンが多いのですが、音が室内に充満するかのような感覚は十分に感じ取ることができます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました