TM NETWORK 40th FANKS intelligence Day19 ~DEVOTION~ 福岡サンパレス
2023年11月2日
初めに
僕がTM NETWORKのライブを見るのはなんと9年ぶりになる。2021年-2022年に配信ライブ「How Do You Crash It? one,two,three」を自宅で見てはいる。しかしコンサートホールで生のライブを見るのは、「TM NETWORK 30th 1984〜 Quit30 福岡サンパレス」を2014年に見て以来である。2023年4月21日にTM NETWORKが全国ツアーを行うと発表があり、6月に久々のニューアルバム「DEVOTION」封入チラシで全国ツアーの日程とチケット先行予約のシリアルナンバーが入っていたので、地元福岡サンパレスの日程を確認して、チケット先行予約を申し込んだところ、無事チケットが確保できた。ただ、チケットの入金方法が時代にそぐわないローソンでの現金支払いというのには、驚いたが。
チケットは公演日のおおよそ2週間前に書留で届いた。CD封入特典の先行予約にしては、前方だったのでラッキーと思った。ただ、かなり左側に寄っていたので、スピーカーの真正面あたりかなと懸念はした。実際は、小室哲哉がよく見える位置で、スピーカーからの真正面からは多少ズレていた。
9年ぶりの福岡サンパレスに早めに到着
11月2日の当日、仕事は在宅勤務だったので、フレックス勤務で早朝から勤務し、16:00には仕事を終えた。仕事用のPCを片付けてから着替えて、早めに会場である福岡サンパレスに向かった。2022年にTM NETWORKは東名阪と埼玉、横浜限定でライブを開催していたが、ネットでグッズ売り場が大混雑で数時間待たされた、という話をよく見かけたからである。17:20ごろに福岡サンパレスに到着し、グッズの先行販売でツアーパンフレットを購入した。さすがにグッズのほとんどはツアー前にネット通販していたのもあったのか、待たずにパンフレットを買えた。ただ、開場後にグッズ売り場を覗いたら行列がかなりできていたので、先行販売で買って正解だった。場内では「シティハンター」制作者によるイラスト垂れ幕も飾ってあった。
福岡サンパレスでライブを見るのも実は9年ぶりである。TM NETWORK以外にも何人かのミュージシャンのライブを見に行っているが、どのミュージシャンも福岡サンパレスではライブを開催しなかったからである。最後に行ったのがTM NETWORKのライブなので、どちらも9年ぶりになる。
17:48ごろから開場に向けての観客の入場のための整列が始まった。程なくして開場してしまい、18:00前には自分の席に着席した。他の観客も結構早くから会場に集まっていて、ホール内は座席が埋まっていった。他の観客は仕事、どうしたのだろうと疑問を感じさせられるぐらい人は多かった。
ステージは様々なオブジェクトが配置されていた。小室哲哉のキーボードは割と少なめ。タワーのようなオブジェクトが3つあり、そこにはビルの映像とツアーグッズの紹介映像、「Whatever Comes」、「DEVOTION」、「Get Wild」のプロモ映像、「KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」のビデオのイントロ、メンバーソロのプロモ映像が繰り返し流れていた。また、SEも街の騒音を想起させる音が終始流れていた。TM NETWORKが劇中歌を提供した映画「劇場版 シティハンター 天使の涙」の舞台になっている新宿を印象付ける効果を出していた。
18:30と18:55に場内アナウンスがあって、恒例の「写真撮影等は禁止です」などの注意事項は流れたが、18:55の方は非常口の案内だけだった。
19:00ちょうどに場内の照明は消え、オープニングのインストルメンタルが流れ、オブジェクトにメンバーの映像が流れてからライブは始まった。
ここから先はセットリストを掲載しています。まだライブを未見の方は、ネタバレになりますのでご注意ください。
セットリスト
- OPENING
- Whatever Comes
- Mission to GO
- 君の空を見ている
- 曲名不明(Let’s You Know(?))
- Fool On The Planet
- Still Love Her
- TIMEMACHINE
- Come On Everybody
- ACTION
- TIME TO COUNT DOWN(TK Remix)
- DEVOTION
- 小室哲哉ソロ~Angie
- THE POINT OF LOVERS’ NIGHT
- Children Of The New Century
- Get Wild
- ENDING(intelligence Days)
オープニングはインストルメンタルで、3つのオブジェクトにTMのメンバー3人の東京でのイメージショットを映しながら、進行していった。中央のオブジェクトから3人が登場し、ポジションについてから、最初の楽曲へと移っていった。
最初の楽曲は映画「劇場版 シティハンター 天使の涙」のオープニング曲、「Whatever Comes」だった。映画と同じく最初に歌われたことでテンションが上がってくる。映画自体は未見なのでどういう演出なのかは知らないが、ライブ映えする楽曲である。
次はライブで聴けるとは思っても見なかった楽曲だった。アルバム「QUIT30」に収録されていた「Mission to GO」で、「QUIT30」のプロモーショナルツアーでは一切演奏されなかった楽曲である。個人的には好きなのだが、ライブで演奏されたことはないので驚きである。
「Mission to GO」の後は、バラードの楽曲が続く。最初に演奏されたのはアルバム「DEVOTION」の中で唯一の木根尚登作曲の新曲「君の空を見ている」だった。冒頭からテンションが上がっていたので、この楽曲の演奏はクールダウンさせる効果があった。
「君の空を見ている」の後、宇都宮隆のライブ唯一のMCが入る。それもメンバーの紹介だけ。今回のツアーは、メンバー3人以外のサポートメンバーはいないようである。だからドラムとかベースの音源はシーケンサーによるもののようである。
宇都宮隆はステージから去り、木根尚登がまずギターの独断場を見せる。木根ソロなのかなと思ったが、実はその後木根尚登が歌い出し、後から小室哲哉も歌い出すので驚いた。聞いたこともない楽曲で、セットリストでは「曲名不明」と書かざるを得なかった。ただ、サビの部分で「Let’s You Know」と繰り返していたので、こういうタイトルかも、という意識はあった。木根尚登や小室哲哉の生歌声を聴いたのは初めてで、嬉しい演奏だった。
バラードは続き、ライブのラストで演奏されることの多い「Fool On The Planet」がこのバラードコーナーで演奏されることになった。木根バラの中では好きな楽曲なので、心地よい演奏に浸っていた。
映画「劇場版 シティハンター 天使の涙」の挿入歌ということで、「Still Love Her」も歌われた。ライブ自体が「劇場版 シティハンター 天使の涙」のプロモーショナルツアー的要素もあったと思うのだが、映画の劇中歌は結構網羅していた。後半で木根尚登がハーモニカを演奏していた時に宇都宮隆がアコースティックギターを持ち、演奏していたのも印象的である。宇都宮隆はボーカル専任という印象が強かったので。
バラードコーナーの最後は、「TIMEMACHINE」である。アルバム「DEVOTION」ではスタジオ録音版が収録されているが、以前はライブでここぞという時にしか演奏されず、幻の楽曲となっていた。この楽曲も生で聴けて、感動した。
「TIMEMACHINE」の演奏が終わって一息つくのかと思ったらそのまま演奏が続き、小室哲哉ソロっぽい演奏に入ってから「KISS YOU(TK Remix)」のイントロかと思わせておいて、実際は「Come On Everybody」だったという予想外な展開でアップテンポな楽曲のオンパレードに戻った。この楽曲で宇都宮隆がライトセーバーのような棒を振り回し、演出に一役買っていた。
次の選曲も想定外で、アルバム「SPEEDWAY」から「ACTION」を演奏した。「SPEEDWAY」はあまり評判が良くなかったアルバムで、そこからの選曲に意表をつかれた。ただ、「ACTION」自身のぼくの印象は悪くない。「SPEEDWAY」の中では好きな楽曲である。
続けて、「TIME TO COUNT DOWN(TK Remix)」である。これも小室哲哉のソロっぽいイントロから始まり、何が次に演奏されるのだろうと期待感を持たせながら演奏された楽曲である。この楽曲もそうだが、観客に楽曲のサビを歌わせるシーンが多かった。コロナ禍が落ち着いてきて、ライブを通常開催できることで、観客も声を発声できるようになったのが大きい。
間髪入れずにツアータイトルである「DEVOTION」も演奏された。ノリのいい楽曲であり、観客に歌わせて盛り上げる効果は大きかった。アルバムのタイトルナンバーであり、「劇場版 シティハンター 天使の涙」の劇中歌でもある。
「DEVOTION」の演奏に続いて、小室哲哉のソロになった。音の厚みが素晴らしく、陶酔の境地に陥ってしまった。演奏の後半でサンプリングしたらしい讃美歌のような歌声が聞こえてきたのに続いて、宇都宮隆が英語で短い楽曲を歌った。全く知らない楽曲である。ライブ後、ネットで調べると「劇場版 シティハンター 天使の涙」で使われた「Angie」という楽曲とのこと。Apple Musicで映画のサントラをチェックしたが、同名曲は似ても似つかない短いインスト曲であり、作曲者も小室哲哉ではなかった。ただ、楽曲名は「Angie」で合っているようである。
そのまま「THE POINT OF LOVERS’ NIGHT」に傾れ込む。重たい感じのするこの楽曲は個人的には好きではないが、今回のライブでは映える演奏をしていた。この楽曲も観客にコーラスを歌わせていた。
続いて珍しく、「Children Of The New Century」をフルでまともに演奏した。1999年の横浜アリーナライブで聴いた記憶はあるし、2013年のさいたまスーパーアリーナライブを映画館で鑑賞した時も聴いているのだが、定番曲ではないし、ここでこの楽曲を演奏するかと楽しさを覚えた。時系列がアップデートされた歌詞は新鮮だった。
本編最後の楽曲はライブで定番の「Get Wild」だった。もちろん、「シティハンター」のエンディングテーマでもある。映画「劇場版 シティハンター 天使の涙」のプロモーションライブと考えれば、選曲の構成はマッチしている。イントロは思ったほど長くはない。ただ、炎が爆発する演出は盛り上がった。
「Get Wild」が終わるとメンバー3人は楽器を離れて観客に手を振り、ステージからオブジェクトの中へと消えていった。オブジェクトにはツアーを支えたスタッフのクレジットが映し出され、自動演奏で「intelligence Days」が流れていた。そして、最後には「次のライブはDay20、1103 熊本」という意味の英文がオブジェクトに表示され、ライブは終了した。演奏時間は107分とかなり短いが、充実感はあった。
今回のライブは、2022年の東名阪、埼玉、横浜で開催された「TOUR 2022 FANKS intelligence Days」からの続きのツアーになっているので、タイトルの「Day19」の部分は会場によって異なる。福岡公演は19日めのライブということになる。9年ぶりのTM NETWORKの生ライブだったが、豪華な照明や映像表現、進化する演奏といい、満足のいくライブだった。2024年1月27日には次のツアーのチケットを確保しているので、そちらも楽しみである。
コメント