GAME OF DEATH:ALTERNATE VERSIONS(Blu-ray UK)|ブルース・リー/死亡遊戯:香港公開版|輸入盤DVDで観た映画のレビュー
ディスク仕様
邦題 | ブルース・リー/死亡遊戯:香港公開版 | |
レーベル | Arrow Video UK | |
制作年度 | 1978年 | |
上映時間 | 90分 | |
監督 | ロバート・クローズ | |
出演 | ブルース・リー、ギグ・ヤング、ディーン・ジャガー | |
画面 | 2.35:1/SDR | |
音声 | dts-HD MA 1.0ch 標準中国語、広東語 | |
字幕 | 英語 |
あらすじ
あらすじは、GAME OF DEATH(4K UHD Blu-ray UK)|ブルース・リー/死亡遊戯|輸入盤DVDで観た映画のレビューを参照のこと。
レビュー
ブルース・リーが生前撮影していたクライマックスだけの「死亡遊戯」を、彼の死後ドラマ部分を制作スタッフが考えだし、ドラマとして成立させたのが「ブルース・リー/死亡遊戯」ですが、すでにレビューしているバージョンは国際上映版であり、香港で上映された香港公開版はかなりカットやストーリーが異なっています。これまで「ブルース・リー/死亡遊戯」のビデオ化の際には特典映像としてその別バージョンのシーンを紹介していましたが、今回1本の映画として発表したのが、この「ブルース・リー/死亡遊戯:香港公開版」です。
この香港公開版が国際上映版と大きく異なるのは、香港公開版が上映時間が10分も短い、というところにあります。10分も短いということは、国際上映版にあったシーンが色々カットされて無くなっていることになり、前回の国際上映版鑑賞後にこの香港公開版を鑑賞すると、どの部分がカットされているのかがよくわかります。
オープニングクレジットからして香港公開版は国際上映版と異なり、ジョン・バリーのご機嫌なBGMは流れず、中国語の歌が流れ、ブルース・リーの写真のコラージュがクレジットに添えられる、というように変わっています。そして、チャック・ノリスとの対決シーンもフェードインする形で導入されています。
全般的に言えば、10分もカットされているので、国際上映版で多く見られたブルース・リーの過去作品からの流用ショットがかなり減っており、代役さんの演技が一貫して見られるようになっています。なので、ブルース・リー主演の映画という印象は弱くなっています。特にクライマックスのブルース・リー本人が撮影したフッテージも池漢載との戦いは全面カットですので、ブルース・リー本人の格闘シーンと代役さんの格闘シーンとの差異が小さくなっており、統一感が見られます。
池漢載戦をカットした代わりに、日本では「死亡の塔」として公開された時に日の目を見たカサノヴァ・ウォンとの温室でのファイトシーンが、シンジゲートを率いるドクター・ランドの指示で主役であるビリー・ローに差し向ける刺客として対決する前半で登場し、このシーンが入ることで印象が大きく変わります。このシーンは完全に代役さんのアクションで構成されているので、そのインパクトはあります。
10分短くなっているために、ビリー・ローの恋人であるアニーや知人であるジムとの関係の描き方が浅くなってしまっており、彼らの存在感が薄くなっています。そのため、ビリー・ロー一人のドクター・ランドに対する復讐劇という印象が強いです。
そして、ラストのドクター・ランドの死後の描き方も大きく異なっています。国際上映版ではドクター・ランドが転落して死ぬところで終わりますが、香港公開版ではドクター・ランドの死後、警察や救急車が到着し、ビリー・ローが警察に逮捕されて連行される、という間の抜けたエンディングをつけて物語が終わるようになっています。もっともブルース・リーの他の作品でもブルース・リーが悪党を倒した後、彼が警察に逮捕されて物語が終わる、という展開は多いので、この展開がおかしいわけではないです。ただ国際上映版を見慣れた身としては、意表をつく展開に感じられます。
使用言語も国際上映版が英語だったのに対し、香港上映版は標準中国語ですので、セリフの意味合いが結構変わっていて、英語字幕を読む限りではかなり意訳しています。それも作品の印象を変える要因になっています。
映像はHD/SDRでの収録になっています。国際上映版が4K/DOLBY VISIONだったのと比較すると、HDによる解像度の制限もありますし、色彩管理がSDRなのでリアルな色調というわけではありません。ただ、Blu-rayの質としては水準を担保しています。映像はグレインノイズが見られますし、シーンによってはかなり解像度が悪いところもあります。それでも全体的には良好な映像だと言えます。
音声はdts-HD MA 1.0ch 標準中国語で視聴しています。モノラル音声なのでサラウンド感はないですが、1978年の音声としては聴きやすい音質になっています。中国語も聞き取りやすいですし、効果音もそれなりの迫力があります。
なお、このBlu-rayはイギリス発売盤なのでリージョンBの制限がかかっています。日本で売られているBlu-rayプレイヤーでは再生は不可能です。どこかでリージョンフリーのBlu-rayプレイヤーを入手しない限り、視聴は無理でしょう。
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