REAL STEEL(Blu-ray)|リアル・スティール|輸入盤DVDで観た映画のレビュー

REAL STEEL(Blu-ray)|リアル・スティール|輸入盤DVDで観た映画のレビュー

REAL STEEL Blu-rayジャケット 邦題 リアル・スティール
レーベル TOUCHSTONE HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2011年
上映時間 127分
監督 ショーン・レヴィ
出演 ヒュー・ジャックマン、ダコタ・ゴヨ、エヴァンジェリン・リリー
画面 2.35:1/SDR
音声 dts-HD MA 7.1ch 英語/DOLBY DIGITAL 2.0ch 英語/dts-HD HR フランス語/DOLBY DIGITAL 5.1ch スペイン語
字幕 英語、フランス語、スペイン語

あらすじ

チャーリーは、田舎の移動遊園地でロボットを操作して闘牛に戦いを挑み、それで金を稼ごうとしていたが、闘牛に負けてしまい、金を手にすることができなかった。

そんなチャーリーの元に、彼の元恋人が死亡したという知らせが入る。チャーリーと元恋人の間にはマックスという息子がいたが、マックスは元恋人と暮らしていて、マックスは元恋人の姉妹とも親しかった。しかし、チャーリーは金のためにマックスを引き取ることに同意する。親子のつながりの薄い二人は、ことごとく衝突していく。

チャーリーは、かつて彼が自分自身ボクサーだった時代の師匠の娘であるベイリーの元を訪れ、新しいロボットを手に入れる。チャーリーとマックスは、その新しいロボットを駆使してロボット同士のボクシング、「リアル・スティール」に挑むが、隙をつかれてコテンパンにぶちのめされ、ロボットは大破する。

大破したロボットの修理に部品を使おうと、ロボット廃棄場に忍び込んだチャーリーとマックスだったが、マックスは崖から落ちてしまう。しかし、古い世代の破棄されたロボット、アトムによって一命を取り留める。アトムを掘り起こしたマックスは、アトムを整備して「リアル・スティール」に挑戦できるようにする。

アトムの整備を通じて、少しずつだがチャーリーとマックスは心を通わせ始める。また、マックスはベイリーとも心を通じ合わせるようになっていく。ベイリーがマックスにチャーリーの過去を話す。チャーリーは元ボクサーであったのだが、負け続けていた。

整備したアトムを担いで、チャーリーとマックスは、「リアル・スティール」に参戦する。初戦で苦戦するアトムだったが、相手の弱点を見つけだし、そこを突くことで勝利を収める。勝ったマックスは、「リアル・スティール」の絶対的勝者であるゼウスに宣戦布告する。

「リアル・スティール」で勝利を収めたチャーリーとマックスは賞金を手に入れるのだが、暴漢に襲われて金を取られてしまう。そして、チャーリーの元恋人の姉妹がマックスの保護を申し出て、マックスはチャーリーと離れてしまう。

マックスと離れて一人アトムの整備を行うチャーリーだったが、マックスの喪失感は大きく、ゼウスにアトムで挑戦すべく、マックスを一夜限り取り戻すことになる。そして、チャーリーとマックスは「リアル・スティール」で絶対的勝者であるゼウスに挑んでいく。

レビュー

人間ではなくロボットがボクシングを行う近未来の世界で、失われた親子の絆を取り戻すと同時に、負け続けた元ボクサーが再起をかけた感動的なエンターテインメント映画が、この「リアル・スティール」です。興行収入は北米だけでは制作費を賄うことはできませんでしたが、全世界での興行収入は制作費の3倍近い売り上げを上げています。評価は水準並みで、Rotten Tomatoesでは批評家評価は60%、観客評価は73%となっています。

物語は、アカデミー賞作品賞を受賞したボクシング映画の名作「ロッキー」のロボット版的な映画です。戦いを繰り広げるのがロボットであるという以外は、割と「ロッキー」の展開をなぞっているようにも思えます。ただ、「ロッキー」では独身のボクサーが主人公でしたが、この「リアル・スティール」では離れて暮らしていた親子が反目を繰り返しながら、次第に親子の絆を深めていく展開になっていて、そこは大きく違いが見て取れます。

チャーリーとマックスの親子の絆を深めていく過程では、親子関係というよりは相棒関係の絆の方が強いです。マックスはチャーリーを親と思っておらず、一緒に「リアル・スティール」を戦う同士として見ている節があります。だから、単純な親子の絆の再生物語にはなっていません。

そして、チャーリーの過去も描かれていて、かつては負け続きのボクサーだったという過去を描くことで、過去の惨めな人生をマックスと共同で取り戻す戦いに興じるところがあり、この映画のヒロイックな部分でしょう。

物語のクライマックスは、「リアル・スティール」の絶対的王者、ゼウスとアトムの戦いに持っていきますが、ゼウスの猛攻にも関わらず、何度ダウンしても立ち上がるアトムと、それをコントロールするチャーリーの姿、応援するマックスの姿は、敗残の人生の再生を彷彿とさせるところがあります。ゼウスとアトムの戦いの行方の結果は、予期できた展開ではありましたが、それでもやり直しの人生の成功を予感させる終わり方になっていて、ハッピーエンドと言ってもいいでしょう。

映像はHD/SDRで収録されています。Blu-rayなので解像度は2K止まりですし、そもそもの劇場用マスター自体2Kですので、そんなに不満を感じさせない解像度になっています。Blu-rayのマスターを作る際にノイズリダクションを効かせているせいか、ノイズ感は皆無です。色調もSDRという制限はあるものの、割りとナチュラルな色合いを表現していて、臨場感は高いです。HDRだったらさらに素晴らしい画像になっていたと思います。

音響はdts-HD MA 7.1ch 英語です。オブジェクト・オーディオではないのですが、サラウンドチャンネルに相当の音の割り振りをしているため、音の包囲感は素晴らしいものがあります。「リアル・スティール」での司会者の声は視聴者後方に定位し、観客の声援も視聴者を取り囲むように響き渡るので、臨場感は抜群です。ロボット同士のボクシングシーンで金属がぶつかり合う音も視聴者の周囲で鳴り響くので、迫力があります。

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