佐野元春 & THE COYOTE BAND「2024年初夏、Zepp Tourで逢いましょう」|Zepp Fukuoka
2024年6月16日
はじめに
2024年の春、佐野元春 & THE COYOTE BANDの全国ツアー「2024年初夏、Zepp Tourで逢いましょう」の開催告知とファンクラブチケット先行予約の案内が届いた時、頭を抱えてしまった。実家の事情で2月あたりから現在の居住地である福岡から実家のある神奈川に戻ろうと決意し、そのための動きを始めたところで、6-7月のツアーだと、引っ越しの時期と重なり、ツアーに参加できないかも、と困惑してしまったのである。
ただ、ギリギリまでチケットの先行予約を待って状況を見ていたところ、多分6月16日のZepp Fukuokaの公演は行けるだろうと判断し、ファンクラブチケット先行予約は福岡のZepp Fukuokaだけ予約を入れた。
チケットは無事当選し、Zepp Fukuokaの公演に行けることになった。その後、転居の手続きを進め続けたが、神奈川に戻るのは8月の夏休み時期になる予定が固まってきたので、2011年以来福岡で見てきた佐野元春のライブは、今回のZepp Fukuokaが最後になりそうだった。
チケット引取りは6月に入ってからだが、座席はあまりいい場所ではなかった。今回のツアーは全国どこでもチケットがソールドアウトしていて、ファンクラブ先行予約でもチケット落選している人をネット上で見かけた。なので、チケットが取れただけ良かったと思う他はなかった。
MARK ISで開場時間を待つ
6月16日は日曜日で、まだ梅雨入りをしていなかった。それでいてかなり暑い。開場時間は17:00なのだが、早めに会場に着いて、グッズの先行販売があれば、先に買っておくか、と思った。
16:00頃にZepp Fukuokaに着いたら、グッズの先行販売はしていた。グッズを見ると、今回ツアーパンフレットが販売されていた。ツアーパンフレットは販売されている時は必ず買うようにしているので、ツアーパンフレットだけ先に買い求めた。
グッズは買ってしまったが、開場まで1時間近くあったので、MARK ISのフードコートでドリンクを買い、ドリンクを飲んで館内の冷房で涼みながら、時間を潰していた。MARK ISはオープン直後に来た記憶はあるのだが、その時は大混雑で休憩や食事をすることすら困難だった。それと比較すると、16日の午後は混んではいたが、まだゆとりはあった。
開場時間はプロ野球の観客帰宅で混乱
16:45になってMARK ISのフードコートから離れ、Zepp Fukuokaの入場口に向かった。やけに人の流れが多いなと思ったのだが、Zepp Fukuokaに入場する列に並んでから混んでいる理由がわかった。みずほPayPayドームでプロ野球の交流戦、ソフトバンク対阪神の試合がデーゲームで開催されていて、試合が終わったので、観客が一斉に帰宅の途に向かっていたのである。そのため、佐野元春のライブに参加する人と、プロ野球観戦の後の帰宅客で通路がごった返しており、整理が大変なことになっていた。
それでも17:10には会場に入場できた。Zepp Fukuokaはライブハウスなので、別途ワンドリンク代が請求される。せっかくライブで来たのだからと、ドリンクは缶ビールを頼み、ライブが始まる前にビールでほろ酔い加減になりながら、開演時間を待っていた。
座席は本当に福岡のライブでは珍しく悪い席だった。ステージも少々見づらい。前の席の人が腕を上げるとステージは見えなくなっていた。それでもチケット取れただけ良かったと思うしかなかった。
開演時間を待っていると、ステージディレクターの稲葉真奈津さんがステージ上だけでなく、観客席にも度々現れて、何か確認をしていた。稲葉さんは佐野元春のライブではステージチェックでお見かけするが、観客席にまで現れたのは初めてだったので、意外に感じた。もしかするとミキサーの人と確認をとったのかもしれない。
場内アナウンスは2回流れ、18:00ちょうどにメンバーがステージに現れ、ライブは始まった。
※ここからセットリストを公開しますので、ご注意ください。
セットリスト
- 君をさがしている
- ヤングブラッズ(New Recording 2024)
- ジュジュ
- 誰かが君のドアを叩いている
- 欲望
- インディビジュアリスト
- ポーラスタア
- 世界は慈悲を待っている
- 愛が分母
- 銀の月
- クロエ
- 純恋(すみれ)
- エンタテイメント!
- La Vita é Bella
- 東京スカイライン
- エデンの海
- 水のように
- 明日の誓い
- 禅ビート
一曲目の「君をさがしている」は、何年か前にツアーで披露されたヘビーなハードロック調のアレンジだった。いきなりの佐野元春クラシックの演奏に会場は盛り上がる。佐野元春はこの楽曲だけサングラスをかけて歌っていた。
二曲目にいきなり先ごろ配信リリースされた「ヤングブラッズ(New Recording 2024)」を持ってきた。てっきり、この楽曲はライブ中盤か後半に持ってくるものと思っていたので、ライブ序盤に配置されて驚いた。このアレンジはかなり好きなので、興奮できた。
三曲目も意外だった。「ジュジュ」が演奏されたのである。デビュー40周年記念イベント以来ではないかと思う。アレンジも「ナポレオンフィッシュツアー」の時のライブアレンジに近い感じかな、思った。この楽曲も好きである。
三曲演奏して、MCが入る。でも、その話は相当短い。短いMCの後には四曲目として「誰かが君のドアを叩いている」を演奏した。「名盤ライブSweet16」以来かなと思う。
五曲目が一番驚いた選曲ではないかと思う。「欲望」がオリジナルのリズム&ブルース調からポップ調に大幅アレンジを変えて演奏されたからである。あまりのイメージチェンジぶりに唖然とした記憶が残っている。
六曲目も驚く選曲ではあった。「インディビジュアリスト」がオリジナルよりも重々しい雰囲気で演奏されたからである。こちらも大幅にアレンジが変わっているのでショックを受けた。前半六曲で佐野元春クラシックの披露は一旦終わりを告げた。
七曲目からはTHE COYOTE BANDとのコラボレーション曲が始まる。まずは「ポーラスタア」からである。この辺は安定した演奏で、馴染み深いので安心して楽曲に浸れる。続けて久しぶりの「世界は慈悲を待っている」。この楽曲は好きである。
MCが入り、「初夏のツアーも気持ちいいですね」と言った後は、「愛が分母」。続けて「銀の月」、「クロエ」とアルバム「今、何処」からの選曲が続く。
続けてMCが入り、「隣でホークスがデーゲームしてますね」という話をした後、「純恋(すみれ)」を歌った。その後、MCが入り、「初日、ロックしよう」と言って、「エンタテイメント!」を歌った。そして、「La Vita é Bella」と定番曲が続く。
少々意外だったのは「東京スカイライン」が演奏されたということである。佐野元春のアコースティックギターの音色もよく聞こえて、初夏の季節にふさわしい楽曲であるかのように思えた。
次も少々意外に思ったのだが、「エデンの海」が演奏され、ここから再び「今、何処」からの選曲が続いた。「銀の月」、「クロエ」を含めると、「今、何処」Repriseという印象を受けた。「今、何処」は傑作アルバムだと思うが。
「エデンの海」、「水のように」、「明日の誓い」と「今、何処」からの選曲が続き、そろそろ本編ラストかなと思っていたら、次の「禅ビート」が本編ラストの楽曲だった。アウトロで藤田顥のギターがフィーチャーされ、会場のボルテージは上がった。また、この楽曲のアウトロでメンバー紹介がなされた。ギターは深沼元昭と藤田顥、ベースは高桑圭、ドラムは小松シゲル、キーボードは渡辺シュンスケといういつもの布陣だった。渡辺シュンスケはサングラスかメガネをかけていた。
本編の演奏が終わると、メンバーはステージを去った。当然観客はアンコールを要求した。
アンコール
- ヴァニティ・ファクトリー
- ダウンタウン・ボーイ
- 約束の橋
アンコールに答えて、佐野元春とTHE COYOTE BANDのメンバーはステージに登場し、再び佐野元春クラシックを演奏した。アンコール一曲目は「ヴァニティ・ファクトリー」である。久しぶりに聴いたような気がしたが、考えたら2年前の「Where Are You Now」Tourでも演奏していた。大幅なアレンジ変更はなしである。
アンコール二曲目も懐かしい選曲だった。「ダウンタウン・ボーイ」が歌われたのである。この楽曲を聴いたのも久しぶりのような気がする。この楽曲も大幅なアレンジ変更はなしであった。
MCが入り、「一緒に歌おう」といって、「約束の橋」が演奏された。観客に歌わせる「約束の橋」は珍しいのではないかと思う。「サムデイ」あたりを一緒に歌わせる演出は割とあったと思うが、「約束の橋」では佐野元春が歌わずに観客に歌わせていて、予想外だった。この楽曲がアンコールラストだった。
最後にMCが入りバンドメンバーを再度紹介した。そして、「来年、デビュー45周年、THE COYOTE BANDを結成してから20周年を迎えます。来年は大規模なホールツアーを開催したいと思っています。」と言って、観客から拍手を持って迎えられた。そして、佐野元春らはステージを去った。
ライブが終わったのは19:50だった。ツアー初日ということもあってか、時々佐野元春がイヤーモニターをチェックする場面が見受けられたし、演出上徐々にボルテージを上げていく感もあった。どちらにしても、1年ぶりのツアーは楽しいひと時だった。もう少し佐野元春クラシックからの選曲があってもいいような気がしたが、満足ではある。
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