Shaft:The Killing(Blu-ray)|黒いジャガー/あかしは俺がたてる!|輸入盤DVDで観た映画のレビュー
邦題 | 黒いジャガー/あかしは俺がたてる! | |
レーベル | Warner Home Video | |
制作年度 | 1973年 | |
上映時間 | 73分 | |
監督 | ニコラス・コラサント | |
出演 | リチャード・ラウンドトゥリー、エディ・バース、ジャネット・デュボワ | |
画面 | 1.33:1/SDR | |
音声 | DOLBY DIGITAL 1.0ch 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
ダイアナという黒人女性は自宅から逃走しようとしていたが、ソニーというマフィアに捕まり、暴行を受けてしまう。病院に運び込まれたダイアナの身辺を捜査していたニューヨーク市警のロッシは、ダイアナが持っていた写真に私立探偵のジョン・シャフトが一緒に写っていたことから、ジョンに連絡し、ダイアナの身辺を調査させる。
ジョンは、退院したダイアナを庇護しようとするが、ダイアナはソニーを恐れていて、アルコール依存症になっていた。そんなダイアナをソニーの魔の手から守ろうとしたジョンであったが、ソニーはダイアナに手をかけようとして、ジョンはソニーを殴ってしまう。
それから一晩が明け、ソニーは何者かに撲殺された状態で発見される。そのソニーを殺した犯人として、ジョンに容疑がかかり、逮捕されてしまう。ただし、ロッシが自分で保釈金を用意したので、ジョンは保釈され、裁判を受ける形になる。
ジョンは自分の身の潔白を晴らすべく、ソニーを殴った際に一緒にいたダイアナに証言をしてもらおうとしていたが、ダイアナはソニーの手下に無言の圧力を受けていて、ジョンの無実の証言をすることができなかった。
そして、裁判が休廷している間にダイアナは姿を消し、ジョンは逮捕状が再び出されるのを覚悟で消えたダイアナの行方を追いかける。ダイアナの証言こそがジョンの無実を証明する唯一の手段だからである。
その頃、ソニー亡き後、ソニーの弟のカイルは組織の拡大を図っていた。ソニーはライバルマフィアであるローガンの縄張りには手を出さないように気をつけていたが、カイルはローガンの縄張りを侵食し始めていた。
ダイアナの行方を探すジョンは、次第に事件の真相に迫っていくことになる。
レビュー
私立探偵ジョン・シャフトが活躍する黒人を主人公にしたアクション映画「黒いジャガー」シリーズの成功を受けて、「黒いジャガー/アフリカ作戦」公開後にテレビドラマとして7話制作されたシリーズのうちの第2話が、この「黒いジャガー/あかしは俺がたてる!」です。ドラマとしての評価はあまり芳しいものではなく、IMDbでは6/10辺りの評価に落ち着いています。Rotten Tomatoesでは評価はなしです。
「黒いジャガー」シリーズのテレビドラマ版という触れ込みのこの作品ではありますが、やはりテレビドラマだけあって、スケールが小さいです。昔のアナログテレビの画面サイズである1.33:1という理由もありますが、ドラマとしてのスケールがテレビドラマの枠内に収まってしまい、映画が持っていた魅力に欠けるものがあります。
女性にモテる黒人私立探偵であるジョン・シャフトもテレビドラマという制約があるせいか、様々な女性に手を出すという要素がなく、ピュアな恋心でこの作品のヒロインであるダイアナに接しているところがあり、黒人パワーを感じさせた映画からは後退しています。
物語はどちらかというと法廷ミステリー的要素が強く、物語中盤の裁判シーンが結構メインで描かれているのも、私立探偵であるはずのジョン・シャフトの活躍をスポイルしてしまっているところはあります。それでも、保釈中の身であるはずのジョン・シャフトが裁判所の決定を無視して自分の手で事件の真相を探るところは、現実離れしている部分もあり、なんでもあり的内容になっていると言えます。
クライマックスではアクションシーンがあり、テレビドラマの刑事物的展開です。途中から真犯人として容疑がかかっていたカイルとの一騎打ちになっていますので、それなりの楽しさはあります。ミステリーなので、ジョン・シャフトにかかっていた殺人容疑をどうジョンが晴らしていくのかという面白さはありますが、平凡なテレビドラマの枠内に収まっているとは言えるでしょう。
映像はSD/SDRでの収録です。IMDbによればマスターは35mmフィルムですが、素材そのものはおそらくテレビ放映用の素材を使っているものと思われ、解像度は低いし、フィルムの傷やゴミ等も散見されるので、状態が良くないマスターなのだと思います。テレビドラマなので、1.33:1というアスペクト比であり、画面のスケール感が乏しいものになっています。
音声はDOLBY DIGITAL 1.0chのモノラル音声です。モノラル音声なので迫力も何もありません。物語を進行させるための効果はありますし、音質は思っていたよりは悪くはないです。音量自体が小さいので、AVアンプのボリュームを結構上げる必要があります。
なお、このテレビドラマは元々は輸入盤DVDとして全話パックになったものがリリースされていたようですが、輸入盤Blu-rayの「黒いジャガー」の特典映像として、このエピソードだけが改めて収録されています。輸入盤Blu-rayの「黒いジャガー」自体が全世界対応盤ですので、特典映像そのものにも日本語字幕はついており、このエピソードも日本語字幕ありで鑑賞できます。
コメント