APOLLO 13(4K UHD Blu-ray)|アポロ 13|輸入盤DVDで観た映画のレビュー

APOLLO 13(4K UHD Blu-ray)|アポロ 13|輸入盤DVDで観た映画のレビュー

APOLLO 13 4KUHD Blu-rayジャケット 邦題 アポロ 13
レーベル UNIVERSAL PICTURES HOME ENTERTAINMENT
制作年度 1995年
上映時間 140分
監督 ロン・ハワード
出演 トム・ハンクス、ケヴィン・ベーコン、ビル・パクストン
画面 2.35:1/HDR10
音声 dts:X 英語/dts 5.1ch スペイン語、フランス語、ポルトガル語、日本語
字幕 英語、スペイン語、フランス語、ポルトガル語、日本語

あらすじ

1960年代にソ連との宇宙開発競争をしていたアメリカNASAはアポロ計画を遂行する。アポロ1号は火災事故を起こして搭乗員が焼死するという悲劇に見舞われたが、1969年にアポロ11号でついに人類初の月面着陸を果たし、ソ連との宇宙開発競争に勝利する。

その後もアポロ計画は進んでいったのだが、アメリカ政府やマスコミの関心も薄れていった。ソ連との宇宙開発競争に勝利したのがその要因であった。

ジム・ラベルやフレッド、ケンといった搭乗員たちは、当初はアポロ14号に搭乗する予定だった。しかし様々な事情により、半年早いアポロ13号に搭乗することになる。彼らは期限が短くなったのにもかかわらず、シミュレーションを繰り返し、アポロ13号の発進に備えていた。

発進の2日前、スタッフの一人が風疹を発症し、ジムやフレッド、ケンたちと接触していたことがわかる。ジムやフレッドは免疫を持っていたが、ケンは風疹にかかったことがなく、免疫を持っていなかった。そのため、急遽ケンを搭乗員から降ろし、ジャックを代わりに起用する。

1970年4月11日13時13分にアポロ13号は発進する。地球圏を離れる途中、ロケットのエンジンの一つが故障するが、NASAの判断により残りのエンジンの推進時間を伸ばせば予定通り推進できる、との連絡を受け、ジムたちはアポロ13号を月に向けて進める。

ジムたちはアポロ13号船内から地球に向けて連絡を取るが、地球のマスコミの関心は薄く、彼らの連絡が報道されることはなかった。ジムたちはそれを知らないままだったが、ジムの妻であるマリリンはそれを知ってしまう。

4月13日、NASAの指示によりジャックは酸素ボンベの攪拌を行おうとする。その時、電気系統に異常が起こり、火花が飛んだ影響で酸素ボンベに引火し、酸素ボンベの一つは吹き飛んでしまう。アポロ13号の電力はたちまち低下し、酸素も急激に減っていった。異常を知ったジムやNASAはなんとか事態の収拾を図ろうとする。

その結果、二人しか乗船できない月面着陸船に三人が乗船し、アポロ13号の司令船をシャットダウンする。そして、NASAはアポロ13号が月面に着陸できないどころか、地球への帰還すら危ぶまれることを認識する。

生命の危機を知った搭乗員たちは、NASAと連絡を密に取り合い、なんとかして地球帰還の方策を検討しだす。しかし、それは絶望的な賭けであった。NASAのスタッフも全員が一致団結して、アポロ13号地球帰還作戦を遂行していった。

レビュー

1970年に月面着陸をミッションとして地球を発進したアポロ13号が、事故により月面着陸どころか搭乗員の生命の危機に追いやられる様と、その搭乗員を無事地球に帰還させるための作戦を考え出すNASAのミッションコントロールの模様を描いた映画が、この「アポロ 13」です。実話を元にした映画であり、ジム・ラベルたちが書いた回顧録を元に映像化されています。興行収入は制作費の7倍も稼ぎ出すという成果を収めていて、評価も高く、Rotten Tomatoesでは批評家評価は96%、観客評価も87%と高評価を得ています。

実話をベースにした物語ですので、本来の目的である月面着陸ができないどころか、地球に無事帰還できるかどうかすら怪しい状況に置かれた、ジム、フレッド、ジャックといった搭乗員たちの懸命の努力と、NASAが予想だにしなかった事故を受けて、どう搭乗員たちを地球に帰還させるか、という困難を乗り切るという奇跡的な事実をドラマティックに描いています。

この映画では、月面着陸に挑みながらできなかった搭乗員たちと、NASAのスタッフたちとのコンビネーションにおける、危機回避があますところなく描かれていて、まさにチームワークの勝利とも言えるストーリーになっています。1970年という今からでは考えられないほどローテクノロジーの時代に、月に行くことと、事故を受けてそのリカバリーをしながら、搭乗員たちを地球に帰還させるという難題を解決していくNASAの頭脳を駆使した作戦に、感嘆する思いであります。

その一方で、ジムの妻であるマリリンの姿を随所に入れることで、ジムを愛する家族という切り口でも物語は描かれており、ジムの生存が困難になった状況でのマリリンの気丈な態度は心打たれるものがあります。マリリンだけでなく、ジムの子供達や、母親の態度からも家族愛というものが浮かび上がっています。

そして、風疹の疑いがあるということで搭乗員から外されたケンが、ジムたちを地球に帰還させるためのシミュレーションを繰り返し行い、彼らを結果的にサポートしているところも、物語の見どころです。ケンは本来ならば月面に行けなかった男としてでしか見られなかったはずですが、彼が地球に残ったことでジムたちが地球に帰還するための手助けをする大きな役割を担うことになり、その存在感が大きく見えます。

NASAの司令官であるジーンも、NASAのスタッフのリーダー兼指示役としてその存在感を放っています。彼の判断一つで、ジムたちの命運が変わってきてしまいますので、彼の存在そのものが重要です。

映像は4K/HDR10で収録されています。マスターは35mmフィルムですが、2017年に4KのDIを作っていますので、ネイティヴ4Kでの収録になっています。解像度はマスターのフィルムの状態にもよりますが、解像度の高いシーンと甘いシーンが混在しています。ジムの自宅のインテリアシーンは総じて甘いです。逆に宇宙空間やアポロ13号船内の様子は解像度が高いです。HDR10の効果も極端ではありませんが、リアリティの高い色彩を描写していて、臨場感が感じられます。

音響はdts:Xで収録されています。劇場用音響システムはdtsで収録されているのですが、この4K UHD Blu-rayではdts:Xにリミックスされていて、上下方向の空間にも音が充満しています。アポロ13号の発射シーンや、宇宙空間における船内の物音などでまさにその場にいるかのような空間が出現します。また、音の移動感も頭上方向を含めて効果的に演出されています。搭乗員のセリフが後方頭上に定位したりするのも印象深いです。低音の響きがとても素晴らしく、アポロ13号の物音だけでなく、BGMのオーケストラの音にも相当入っているので、度肝を抜かれる部分があります。

なお、この4K UHD Blu-rayには日本語字幕、吹き替え音声が入っています。全世界共通版ではないので、メニュー画面は英語しか表示されないのですが、AudioとSubtitlesに日本語がリストアップされています。そして、ジャケット裏面のスペック表にもはっきりとJapaneseという表記がされています。

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