イコライザー THE FINAL(4K UHD/iTunes Movies)|Apple TVで観た映画のレビュー
No Image | 原題 | THE EQUALIZER 3 |
レーベル | SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2023年 | |
上映時間 | 109分 | |
監督 | アントワーン・フークア | |
出演 | デンゼル・ワシントン、ダコタ・ファニング、デヴィッド・デンマン | |
画面 | 2.39:1/DOLBY VISION | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
イタリアのシチリアにあるワイン園で、ロバート・マッコールはボディガードに捕まっていた。しかし、ワイン園には死体が多数存在していた。ワイン園の主人は、その様子を見てマッコールに質問をするのだったが、マッコールは隙を見て残りのボディガードを倒し、主人も倒して鍵を手に入れる。
マッコールは建物の外に出てくるのだが、主人の孫に攻撃され、背中を負傷してしまう。ワイン園からは脱出したマッコールだったが、負傷のため途中で倒れてしまう。そこを見つけたのが警察官のジオであり、ジオはアルタモンテの医者であるエンゾのところに連れて行き、エンゾは「転んで怪我をした」と言いながら銃で撃たれたマッコールの手当てをする。
手当は無事終了し、マッコールはエンゾと会話しながら、徐々にアルタモンテの街中を歩くようになっていく。アルタモンテは小さな街で、いい人たちばかりだったが、街中に監視カメラが張り巡らされていた。マッコールは街の人と仲良くなって行きながら、CIAにシチリアのワイン園のことを告げ、調べるよう指示する。
CIAのコリンズはマッコールの電話を受けて、シチリアのワイン園を捜索し始める。そこでは、ワイン園なのにワインの輸入が多くあり、よく調べるとワインボトルにカモフラージュして麻薬が運び込まれていた。そして麻薬売買の資金も大量にあった。しかし、シチリアという密輸の難しい港でなぜ麻薬密売を企てていたのかがわからなかった。
アルタモルテでも、事件が起きてジオが調べ始めた。しかし、麻薬密売の黒幕であるヴィンセントがジオとその家族を脅迫する。その事実を知ったマッコールは、ヴィンセントの弟を抹殺する。そして、次第に麻薬密売組織の壊滅をかけて、マッコールはアルタモンテの住民を守るべく、ヴィンセントに対して対決姿勢を見せる。
感想
デンゼル・ワシントンとアントワーン・フークアが3度ダッグを組んだ、元はテレビシリーズだった作品の映画化作品第三弾が、この「イコライザー THE FINAL」です。映画興行的には制作費7000万ドルに対して北米地域だけで9200万ドル、全世界では19100万ドルと成功を収めています。評価も悪くなく、Rotten Tomatoesの批評家評価は76%、観客評価は94%と高評価を得ています。
第1作、2作ともアメリカ国内での話でしたので、今回のストーリーはほぼ、イタリアのアルタモンテという街での出来事になっているのが特徴です。アメリカ国外での話ですのでアルタモンテの街並みの美しさが映像から堪能でき、アクション映画としての一面もありますが、観光紹介映画としての一面も持っている作品になります。
そして、マッコールは滞在者という立ち位置から次第に街の住民になっていく、という立ち位置に変わって行きます。アメリカ人でありながら、元CIAであるが故でしょうがイタリア語もなんとか話せて、街の人々と交流を交わしていくマッコールは、一市民という立場に収まっていくことになります。それが故に、街に蔓延る悪と対峙していくという展開は、マッコールの正義感が炸裂する痛快なストーリーと言えます。
その一方で、物語冒頭からマッコールが何か悪党と対峙していたことも提示されていますので、その事件とアルタモンテでの事件とがどう関わり合いになっていくのかという、謎解きの話としても面白いものがあります。物語冒頭でマッコールが関わった事件とはなんだったのかは、物語が進むに連れ、次第にわかってくるところであり、マッコールの代わりに事件を捜査するコリンズという若い女性CIAが活躍する機会が与えられます。マッコールとコリンズの交流も見どころの一つであり、元CIAと現CIAのタッグを組んだ事件解決に挑む姿は、面白いものがあります。
シチリアとアルタモルテが舞台となっていることから、セリフがイタリア語で進んでいきます。輸入盤Blu-rayだと英語字幕で理解しなければならないところですが、iTunes Moviesでの配信は日本語字幕付きですので視聴は大変楽でした。アメリカ人であるマッコールがイタリア語に馴染んで街に溶け込んでいくところは、物語のキーになっています。
なお、邦題は「イコライザー THE FINAL」とシリーズ完結編のような売り方をしていますが、原題では「THE EQUALIZER 3」と単にシリーズ第3弾としての売り方ですので、場合によっては4作目が制作される可能性はなきにしもあらずです。
映像は4K/DOLBY VISIONで配信されています。DIが4Kですので、ネイティヴ4Kでの配信になっています。ネイティヴ4Kでの配信ですので、高精細な映像が堪能でき、シチリアやアルタモンテの街並みが大変美しく描写されます。DOLBY VISIONによる色彩管理もアルタモンテの街並みを美しく描写し、リアル感にあふれる色彩表現になっています。
音響はDOLBY ATMOS仕様です。オブジェクトとしての音は思ったほど明確に空間に定位はしないのですが、全般的に空間を包み込むかのようなサラウンドに放っています。頭上方向の音も自然に鳴っていますので、あざとさは感じません。音量は小さめですので、AVアンプのボリュームを上げる方が効果的だといえます。
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