土岐麻子 Lonely Ghost TOUR/20th~21st ANNIVERSARY|日本橋三井ホール

土岐麻子 Lonely Ghost TOUR/20th~21st ANNIVERSARY|日本橋三井ホール

2025年2月16日

はじめに

2024年は土岐麻子のソロデビュー20周年記念イヤーであった。身内の事情で長らく暮らした福岡から神奈川に戻ってきたこともあり、土岐麻子のライブは5月のBillboard Live11月の恵比寿ガーデンホールを見ることができた。

そして、12月には3年ぶりのオリジナルアルバム「Lonely Ghost」がリリースされ、そのプロモーショナルツアーとして、「Lonely Ghost TOUR」が東名阪でのみ開催されることが告知された。東京のライブは2月16日の日曜日に日本橋三井ホールで開催されるとのことで、プレイガイドのチケット先行予約に申し込んだところ、無事チケットの確保はできた。

当日は、見たい映画もあったので、昼は映画館で映画を見て、夕方から日本橋三井ホールに移動して土岐麻子のライブを見ることにしていた。日本橋三井ホールは今まで訪れたことはなかった。土岐麻子はしばしばこのホールを使っているのは知っていた。どうやっていくのかネットで調べたところ、東京メトロの三越駅直結のビルの中にあると知ったので、行くのは非常に楽だった。

17:10ごろ日本橋三井ホールに着くと、入場時にドリンク代を別途取られた。チケットをよく見ていなかったので驚いたのだが、このホールでもドリンクを提供していた。せっかくライブに来たのだからと、生ビールを選んで、ロビーで飲んでいた。

また、物販コーナーではCDやグッズを売っていた。今回、せっかくなのでアナログレコードの「Lonely Ghost」を購入した。ランダムで土岐麻子のサイン入りポスターがもらえるというのに釣られた感はある。実際にもらったポスターにはサインは入っていなかったのだが。

18:02ごろになると場内が暗くなり、バンドメンバーがステージに登場する。そして、土岐麻子も登場し、最初の楽曲を歌い出した。

本編第一部セットリスト

  1. Lonely Ghost
  2. Flame
  3. FALLING
  4. KAPPA
  5. SU SA MIN
  6. 夜凪
  7. RADIO
  8. Tablecloth

ライブ最初の楽曲は、意外なことにアルバムタイトルナンバーである「Lonely Ghost」から始まった。この楽曲が持つパワーが一曲目にはふさわしい感じはした。

「Lonely Ghost」から間髪入れず二曲目の「Flame」を歌い出す。まさか二曲目にこの楽曲が来るとは想像していなかったので、少々驚いた。「Lonely Ghost」からの連続性という点では、マッチしている。ただ、この楽曲、なんかアルバムと違って途中で終わった感じはしていた。

三曲目は再びアルバム「Lonely Ghost」から「FALLING」を歌っていた。冒頭三曲の楽曲のトーンは割と近いものがあるので、違和感を感じることなく、じっくり聴くことができた。

三曲が終わったところでMCが入る。「最後まで楽しんでください」と言って、そのまま四曲目の「KAPPA」を歌った。この楽曲で少しライブのトーンは変わった感はある。

MCが入る。「ツアーファイナルです。オリジナルアルバムを掲げたツアーは久しぶりです。そして、ソロデビュー20周年の締めくくりツアーでもあります。アルバム「Lonely Ghost」からは全曲やりますが、昔の曲もやります。ソロ活動20周年ですが、昔からアルバムを出してきて、充実してきた感はあります。アルバム「Lonely Ghost」を聞いた方はいますか? 場内、寒くないですか? 途中で休憩入れます。大阪、名古屋はトイレが少ないので休憩入れなかったのですが、東京はホールですので、休憩入れます。」

長いMCが終わった後、歌ったのは「SU SA MIN」だった。意外な選曲に驚くと同時にご機嫌な気分になった。「心が荒んだ様子を歌にした」というこの楽曲の意味を知って、「へー」という気分になった。

MCが入る。「SU SA MIN」の意味を説明した。衣装の説明をしてから次の楽曲を歌い出した。

再びアルバム「Lonely Ghost」から「夜凪」をしっとりと歌った。静かなこの楽曲を聴くと、心が落ち着く。

そのまま続いて歌ったのは「RADIO」だった。この楽曲は前のライブでも聞いているが、好きな楽曲なのでここで歌ったことに喜びを感じた。

MCが入る。「今日は新旧演奏しますが、曲のつながりがあるようにセレクトしています。次の楽曲を歌うと休憩に入ります。なんか時間が短い感じしますが、45分経っているのですか? 次の楽曲は、日常、非日常を歌った楽曲です。日常を考えると今、不思議な感じがします。」と話をして、第一部最後の楽曲「Tablecloth」を歌った。

「Tablecloth」を歌い終わると、土岐麻子もバンドメンバーもステージを去る。そして、15分間の休憩に入った。観客の多くがトイレに行ったので、トイレは大混雑である。

15分の休憩の後、バンドメンバーがステージに上がり、第二部の演奏が始まった。

本編第二部セットリスト

  1. Queen of Mystery
  2. モンスターを飼い馴らせ
  3. SUPERSTAR
  4. ラブソング
  5. Gift~あなたはマドンナ~
  6. Mint Cherry Cake
  7. Dong, Nan, Xi, Bei
  8. August

第二部の最初の楽曲はまたアルバム「Lonely Ghost」からアルバムの最初の楽曲「Queen of Mystery」だった。第一部の「Lonely Ghost」と共に、「Queen of Mystery」も最初の楽曲に相応しいので、第二部のスタートというより、ライブそのものが最初からやり直しのように思えた。

続いて歌ったのは、前のライブでも歌っていた「モンスターを飼い馴らせ」だった。この楽曲を聴くと、「懐かしい」という気分にさせる。今の土岐麻子の楽曲の作曲者とこの楽曲の作曲者が異なることによる曲調の違いがそう感じさせているのだと思う。

MCが入る。「「モンスターを飼い馴らせ」は2007年ごろの「TALKIN’」からの楽曲でした。ここでメンバー紹介をします。」と言って、バンドメンバーを紹介した。ギターが高木大丈夫、ドラムスが伊吹文裕、ベースが林あぐり、キーボードが井上薫で、バンドマスターは高木大丈夫だったのだが、高木大丈夫がメンバー紹介をするという形式だった。大阪ではバンドメンバー紹介が30分ぐらいあったと言って観客を笑わせた。バンドメンバー紹介順番は、高木大丈夫との付き合いが長い順番だった。バンドメンバーはそれぞれが面白い話をしていて、爆笑の渦だった。

長いバンドメンバー紹介が終わって、また古い楽曲を演奏する。「SUPERSTAR」を歌ったのだが、これまた懐かしい楽曲だった。この楽曲はBillboard Liveでも演奏しているが、僕が土岐麻子を知った頃に触れた楽曲であり、印象強い楽曲である。

続けて、「ラブソング」を歌った。これまた予想外な選曲だった。アルバム「Bittersweet」からの選曲が2曲もあったので、びっくりした。

MCが入る。「次の楽曲は思い入れの深い楽曲です。CMソングの歌入れを行なって、作曲がEPOさんだったので嬉しくて、CMソングのサビの部分だけでなく、全編作ってもらえませんか、と頼んで作ってもらった楽曲です。EPOさんの1980年代の楽曲をイメージさせる曲にしてもらえませんか、という依頼をクライアントがEPOさんに行ったようです。「Gift」というタイトルですが、ライブでは必ず歌うので、一時期ゲシュタルト崩壊していました。皆さんの人生の中には必ず「Gift」と思えるシーンがあると思います。」と話しした。

そして、ライブでの定番である「Gift~あなたはマドンナ~」を歌った。バンドメンバーの演奏もあるのだろうが、割と新鮮な気持ちで聴けるアレンジで、必ず歌う楽曲にしては、良い感触を受けた。

続けて、アルバム「Lonely Ghost」に戻り、「Mint Cherry Cake」を歌った。この楽曲はご機嫌なアレンジなので、心が踊る。

MCが入る。「「Mint Cherry Cake」はクリスマスソングなのですが、ツアーが年明けなのでどうしようと思いましたが、強制的に聞かせるのも悪くないですね。ライブも終盤に入りましたが、もう50分もやっているのですか。まだ、話し足りないのですが、このツアーは歌を歌うツアーですので。次の曲は、「スカッとする漫画」をずっと読んでいて、曲ができても歌詞ができていなくて、そこから「スカッとする漫画」にハマる心理を考えたら歌詞ができた、というのがあります。麻雀がモチーフになっています。」

笑いをとったMCの後、「Dong, Nan, Xi, Bei」を歌った。この楽曲はYouTubeでMVを見た時に「麻雀をしている時の心理を歌った楽曲じゃん」と面白がっていたのを思い出すが、ライブ後半で聴くと、盛り上げ曲として成立しているのがわかる。最後にドラムソロが入り、本編ラストの楽曲に行く。

本編ラストはアルバム「Lonely Ghost」から「August」だった。ラストには相応しい楽曲かなと思う。歌い終わった後、「どうもありがとうございました」と言って、土岐麻子とバンドメンバーはステージから去った。当然、観客はアンコールを要求する手拍子を打った。そして、間も無く土岐麻子はステージに戻ってきた。

アンコールセットリスト

  1. ファンタジア
  2. 窓辺

MCが入り、「久々のリリースツアーであり、皆さんの声援、ありがとうございます。今回もグッズを作りましたので、2つだけ紹介します。」と言って、新作グッズ2つを紹介した。土岐麻子がイラストで描くひよこちゃんのキーホルダーと、トートバッグだった。さらにCDの紹介もした。

アンコール一曲目は、「同じ景色でも気分が変わると違って見えます。元々はステージ立つのが苦手でしたが、次第に慣れてきました。それを歌にしてみました。」と言って「ファンタジア」を歌った。この楽曲もなんか懐かしい。

MCが入る。「新しいアルバムを20周年の記念に出せたのは嬉しいです。ソロデビュー20周年の時にできることはなんだろうと考えて、過去曲のアーカイヴということでベストアルバムを出して、次にニューアルバムを作ったのですが、事務所を卒業して最初は一人で全てやろうとしたのですが、挫折して仲間を頼って今日、ライブができるようになりました。メンバーの皆さん、何か伝えることはありますか。」と行ってメンバーに確認したが高木大丈夫は「詳細はSNSで」と言っていた。そして、再びバンドメンバーを紹介し、最後の楽曲を歌った。

ライブの最後の楽曲はアルバム「Lonely Ghost」でも最後の楽曲である「窓辺」だった。土岐麻子のライブはアンコールのラストが落ち着いた楽曲であることが多い。今回もそのパターンだった。歌い終わると土岐麻子は先にステージを降り、バンドはアウトロを演奏してから、ステージを降りた。

土岐麻子のアルバムプロモーションツアーは、「Morning Twilight」以来なので、3年ぶりに見たことになる。演奏時間は2時間半を回っていたが、満足してライブを堪能できた。でも、もし福岡に在住のままだったら、このライブは見られなかったと思う。そういう意味では、身内の事情とはいえ、神奈川に戻ってこられたのは幸運だったと思う。

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