ALIENS(4K UHD Blu-ray)|エイリアン2|輸入盤DVDで観た映画のレビュー

ALIENS(4K UHD Blu-ray)|エイリアン2|輸入盤DVDで観た映画のレビュー

ALIENS 4K UHD Blu-rayジャケット 邦題 エイリアン2
レーベル Buena Vista Home Entertainment
制作年度 1986年
上映時間 137分(劇場公開版)/154分(完全版)
監督 ジェームズ・キャメロン
出演 シガニー・ウィーヴァー、マイケル・ビーン、キャリー・ヘン
画面 1.85:1/DOLBY VISION
音声 DOLBY ATMOS 英語/DOLBY DIGITAL 4.1ch 英語(劇場公開版のみ)/DOLBY DIGITAL 5.1ch スペイン語/dts-HD HR 5.1ch フランス語
字幕 英語、スペイン語、フランス語

あらすじ

エイリアンから逃れたリプリーは、宇宙船の中で冷凍冬眠を続けていた。その宇宙船は他の宇宙船に助けられるのだが、その時にはリプリーが冷凍冬眠に入ってから57年が経過していた。そのため、冷凍冬眠から覚めたリプリーは、57年の時の経過を知らず、実の娘もすでに老衰でこの世を去っていた。

リプリーはエイリアンを倒すために会社の船を爆破したために、会社側から追及される。それに対して反論をしていたリプリーだったが、リプリーがエイリアンと遭遇したLV426という惑星にはエイリアンはおらず、すでに入植者が入植して20年が経過していると知らされる。

そのLV426からの通信が途絶えた。会社はLV426に海兵隊を送り込むことを決める。会社の窓口であるバークに要請されたリプリーは、渋々ながらLV426に行くことを決める。LV426にいるエイリアンの怖さを知らない海兵隊は、威勢のいいことを言っていた。

冷凍冬眠でLV426に向かった海兵隊とバークとリプリーは、冷凍冬眠から覚め、LV426に近づく。海兵隊の中にアンドロイドのビショップがいたことを知ったリプリーは、不信感を抱く。なぜならば、かつてエイリアンと遭遇した時に、アンドロイドがエイリアンを会社に持ち帰ろうとしてリプリーたちを危機に陥れたからである。

LV426に到着したリプリーやバーク、海兵隊たちは地表に着陸し、入植者たちのいる地域を探索する。そこには人の気配が全くなかったが、ただ一人、少女の生き残りであるニュートを発見する。リプリーはニュートを保護する。

いなくなった入植者を探していた海兵隊たちは、エイリアンの群れと遭遇してしまい、エイリアンの奇襲に対してあっさりと自滅していく。それを見ていたリプリーは独断で装甲車を海兵隊救出のために運転し、生き残った海兵隊を救助する。その時の行為で隊長は負傷し、ヒックスが臨時の隊長となって指揮することになる。

ヒックスたちはエイリアンの奇襲に備えるために、標的が近づいたら自動で発射するマシンガンを自分たちのいる場所の手前に設置する。一時的にその防御は役に立つが、エイリアンの数は多く、あっという間にマシンガンの弾を打ち尽くしてしまう。

バークは会社の要請でエイリアンを地球に持ち帰ろうと、リプリーやニュートの体内にエイリアンのエンブリオを産みつけさせようと画策する。しかし、リプリーの決死の戦いによりその作戦は失敗する。

ヒックスたちは母船である宇宙船に帰ろうと輸送船に連絡するが、輸送船にもエイリアンが潜んでいて、海兵隊の操縦士を殺してしまったため、輸送船は制御を失い墜落してしまう。そのために母船にも帰れなくなった。しかし、ビショップは入植者の作ったアンテナを使って、母船にあるもう一隻の輸送船を遠隔操縦して地表に運び込む作戦を考える。それを成し遂げるのはビショップだけだったので、ビショップは一人アンテナのある施設まで向かっていく。

残ったリプリーやヒックスたちはビショップが操縦する輸送船の着陸地点まで移動しようと試みるが、エイリアンの群れに襲われて生き残った海兵隊たちも次々に死んでいく。そして、ニュートもエイリアンに攫われる。ビショップは輸送機を地表に持ってくるが、リプリーはニュートを救うべく、エイリアンの巣に入っていく。そこでリプリーはクイーン・エイリアンを発見する。

レビュー

1979年に公開されヒットを記録し、その斬新さで後のフォロワーを次々に生み出したSFホラー映画「エイリアン」の正統派続編で、当時新進気鋭だったジェームズ・キャメロンがSFアクション映画に作り変えてしまった傑作が、この「エイリアン2」です。世界的に大ヒットを記録し、制作費の6倍近い興行収入を記録しています。映画としての評価は高く、IMDbでは8.4/10でTOP 250の69位に位置していますし、Rotten Tomatoesでは批評家評価と観客評価とも94%とかなり高い水準の評価を得ています。

今回鑑賞した4K UHD Blu-rayは劇場公開版とビデオオンリーリリースの完全版の2種類が収録されていて、どちらでも4K/DOLBY VISIONの解像度/HDRとDOLBY ATMOSのミックスサウンドで楽しむことができます。シームレスブランチング機能により、1枚のディスクで両バージョンを楽しむことができます。今回も以前、輸入盤DVDで鑑賞した時と同じく、完全版での鑑賞を選択しています。

「エイリアン」はシリーズ化されていますが、リドリー・スコットが監督した「エイリアン」がSFホラーだったのと比較しますと、ジェームズ・キャメロンが監督した「エイリアン2」は、SFアクション映画と変貌を遂げているのが特徴です。しかし、今回、改めて完全版を鑑賞して、エイリアンを直接描写するシーンは記憶より少なく、SFホラー的要素が予想より強く現れています。特にエイリアンの大群に海兵隊が襲われるシーンまでは物語開始から1時間近く経過していますので、前半1時間はキャラクター設定や状況設定に相当時間を割いていて、それが物語に没入させる効果を生み出しています。エイリアンの大群が登場してからも、カメラがエイリアンを直接描写するシーンは少なく、画面に一瞬映るだけという状況が多いので、エイリアンの怖さは映画「エイリアン」ほどではないものの、ホラー的に怖さがあります。

ジェームズ・キャメロン監督のトレードマークは、「強い女性を描く」ところにありますが、この「エイリアン2」は、まさに該当します。リプリーがエイリアンの大群に対して直接行動して殲滅を図るところは、まさに戦う女性を具現化しています。また、エイリアンを殲滅する目的を持ったはずの海兵隊があっさりとエイリアンの手にかかって消滅していきますので、余計にリプリーの活躍が目に付きます。

一方で、この「エイリアン2」のテーマは、母と子供という親子の絆を描いたものにもなっています。リプリーが57年の漂流の末に自分より年老いて亡くなってしまう娘の話を冒頭に置いていたり、LV426で生き残った少女ニュートと擬似親子関係を築いていったり、というところにそのテーマが見えます。エイリアン側もクイーン・エイリアンとその子供たちという設定がありますので、リプリー対クイーン・エイリアンの戦いは、まさに子供を守る母親同士の対決になっていて、どちらが親として勝つのかという好奇心を掻き立てるものになっています。

映像は4K/DOLBY VISIONで収録されています。ビデオオンリーリリースだった完全版の映像も4K/DOLBY VISIONで収録されていますので、かなり手がかかっています。マスターは35mmフィルムですので、ネイティヴ4Kでの収録です。映像はフィルムグレインも見えず、1986年の映画とは思えない高精細な映像を堪能できます。解像度が高いので、2Dで見ても立体感を感じられます。逆に、解像度が高いので、SFXのアラが結構目立つ部分はあります。DOLBY VISIONによる色彩管理は予想以上に効果を発揮しています。とにかく画面が明るい、というのがその印象であります。それでいて、エイリアンが現れる暗いシーンは黒が沈んていて、エイリアンの恐怖を映像できちんと再現できています。輸入盤DVDの時の印象とはかなり変わっています。

音響はDOLBY ATMOSにミックスされ直されています。DOLBY ATMOSによるイマーシヴサラウンドは素晴らしいの一言に尽きます。オブジェクトがはっきりと視聴者の周囲に配置されているので、音響効果が視聴者の周囲360度を取り囲むかのような効果を挙げていて、音に包み込まれる状況になっています。天井方向の音もかなりあるので、効果は絶大です。特にLV426を吹き荒れる暴風の効果は驚異的です。ただ、音量自体は割と小さいですので、AVアンプのボリュームはそれなりに上げる必要はあります。

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