THIS! オルタナティブ 2017 フェスティバルホール
2017年3月25日
最初、この「THIS! オルタナティブ 2017」の開催を知った時、大阪のフェスティバルホールなので、「見に行けないな」と一瞬思った。しかし、情報をよく見ると、3月25日の土曜日開催ということが分かり、「これは大阪遠征ができるな」と思った。2016年に佐野元春のビルボードライブでチケットを取っていながら、会社の都合で見に行けなかった身としては、今回の「THIS! オルタナティブ 2017」は是非行きたいと思っていた。
チケットはファンクラブ先行で予約したが、1階5列とまずまずの席順だった。チケットが確保されたのを確認して、大阪の宿の確保と、博多から大阪までの新幹線のチケット確保に動いた。春休みということもあってか、ホテルの確保に少々苦労したが、Booking.comでフェスティバルホールに近いホテルの確保ができた。また、新幹線も変更不可だが格安のチケットを押さえられ、3月25日の準備はできた。
「THIS!」のイベントは、1990年代半ばに3回開催され、2016年にも東京で1回開催されている。1990年代の「THIS!」は最初の1回は見に行った記憶がある。佐野元春自身も出演メンバーとして歌っていたからである。その後、行く機会がなくなり、2016年の「THIS!」はちょうど会社が夏期休暇に入る1日前というタイミングの悪さで参加できなかった。なので「THIS!」に参加するのは20年ぶりということになる。もちろん佐野元春 & THE COYOTE BANDが目当てだが、その他出演メンバーにも興味があった。特に「佐野元春のザ・ソングライターズ」で知った七尾旅人はどういう曲を歌うのか、関心を寄せていた。
25日当日は、博多を昼に出発する新幹線「のぞみ」に乗って移動した。新幹線のチケットを予約した時、25日の午前中の予定が決まらなかったので、新幹線のチケットをライブの開場時間に合わせたためだった。約2時間半で、博多から新大阪に到着。地下鉄に乗り換え、淀屋橋から歩いて数分の所にフェスティバルホールがあった。
大阪のフェスティバルホールは初めてのコンサート会場である。確か数年前にリニューアルしたのではないかと思う。大阪屈指のコンサートホールだけあって、会場は広いし、綺麗である。開始前は、ライブ音源のオルタナティブのBGMが流れていた。
残念ながら、今回は会場は満席にならなかったようである。2階席、3階席は空席が目立っていた。大半は佐野元春ファンで占め、他の出演アーティストのファンはあまりいない感じだった。
17時5分に佐野元春が舞台の袖に出てきて、この「THIS!」の開催意義を語り、最初のアーティストである中村一義が登場した。
中村一義
- 犬と猫
- 1,2,3
- スカイライン
- ロックンロール
- キャノンボール
2016年のTHIS!にも出演した中村一義は、今回、「中村一義と海賊」としての登場、ノイジーなポップナンバー連発した。2曲目で歌詞が飛び、観客に詫びる場面があった。3曲目はコーラス等を佐野元春ファンにも振るという、無茶振りが楽しい。今年がデビュー20周年で、5月にセルフカバーアルバムと、ライブDVDを発売する告知をしていた。そして、いつも佐野元春にお世話になってい事を強調していた。
サニーデイ・サービス
- baby blue
- 夜のメロディ
- セツナ
- 白い恋人
- 桜 super love
- 胸いっぱい
サニーデイ・サービスが登場する前に、佐野元春が彼らを紹介し、この「THIS!」の前に名古屋でもイベントを開催していた事を告げ、働き者である事を話していた。3曲目のアウトロのギターバトルがものすごく、1曲分ぐらいあった。4曲目の後にM.C.があり、マネージャーから長くなるのであまり喋るなと言われている、と話していた。5曲目の「桜 super love」は、YouTubeにもビデオクリップが上がっている事をアピールしていた。
七尾旅人
- 星に願いを
- 兵士Aくんの歌
- 少年兵ギラン
- Across Africa
- Rollin’ Rollin’
佐野元春が「3日前にアフリカから帰国したばかり」と話しをした七尾旅人、今回の「THIS!」では異色の存在であった。シリアスな歌詞に、本人の陽気な雰囲気は、ギャップを感じる部分である。本人は、子供が会場にいれば、なんか弄りたかったらしいが、いなかったので、年配の観客をステージに立たせ、帽子に仕掛けられたパーカッションを叩かせていた。そして、最後には観客を総立ちにさせて、歌を歌った。ただ、唯一、予定演奏時間を大幅に過ぎ、イベントの終了時間が遅くなった。また、観客の中でも賛否両輪であった。
カーネーション
- New Morning
- Garden City Life
- いつかここであいましょう
- アダムスキー
- Paradise Express
- Edo River
佐野元春が「1983年デビュー」と紹介したカーネーション、Schroeder-Headzの渡辺シュンスケがキーボードをサポートしていた。サニーデイ・サービスほどではないが、アウトロのセッションが心地よい。ギターとキーボードの掛け合いが魅力的であった。七尾旅人がいい意味でも悪い意味でも癖があったので、それを打ち消し、普通のロックに空間を転換させた感がある。
Gotch & The Good New Times
- Paper moon
- Good New Times
- Wonderland
- Baby Don’t Cry
- A Girl in Love
ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文のソロプロジェクトで、アルバムのタイトルである「The Good New Times」が、そのままバンド名になっているとのことである。後藤正文が、今回の出演アーティストの中では一番メジャーな人なので、曲は聞きやすいが、それでもアバンギャルドな演奏もあり、息を突かせない演奏であった。最後の曲でアウトロが長く、どう終わるのか、かなりハラハラした。バンドの規模も、出演アーティストの中で一番多いのではないかと思う。
佐野元春 & THE COYOTE BAND
- 君をさがしている
- La Vita é Bella
- 優しい闇
- 空港待合室
- 紅い月
- 私の太陽
- 境界線
- 新しい雨
- 東京スカイライン
- 星の下 路の上
- サムデイ
- アンジェリーナ
- 約束の橋
最後は、佐野元春のライブであった。全般的に「Blood Moon」からの選曲が多く、バンドのノリもご機嫌だった。「空港待合室」と「東京スカイライン」の選曲は意外であった。なんか、2015年の「サマー・ツアー」を彷彿とさせる選曲だったと思う。「歌詞を知っている人もいない人も一緒に歌ってください。知らない人は歌えないか。」と言って「サムデイ」が演奏されたのは、ちょっと意外。ラストの「約束の橋」は、全出演者が舞台に登場し、思い思いにコーラスや歌を歌っていた。
普段聞かない80年代、90年代にデビューして、現在までサバイブしてきたアーティストたちの曲を聴けたのは、なかなか楽しいイベントであったと思う。ただ5時間以上の長さであり、結構疲れたライブでもあった。今後も大阪でも「THIS!」を続けていきたい、という意向なので、またの機会があれば、参加したいと思う。
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