フリー・ガイ(4K UHD/Disney+)
No Image | 原題 | FREE GUY |
レーベル | 20th CENTURY STUDIOS HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2021年 | |
上演時間 | 115分 | |
監督 | ショーン・レヴィ | |
出演 | ライアン・レイノルズ、ジョディ・カマー、ジョー・キーリー | |
画面 | 2.39:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
世界的に大人気のオンラインゲーム、「フリー・シティ」で、現実の人々はアバターをまとって、殺人、強盗など犯罪の数々を繰り広げていた。その「フリー・シティ」に存在するモブキャラのガイは、毎日飽きもせずに銀行員の仕事をしていて、決まったコーヒー、決まった起床、決まった服装をしていた。ガイはある日、銀行強盗が銀行に押し入った際に、銀行の外に自分の理想とする女性が歩いているのを発見し、彼女に近づくため、プレイヤーのサングラスを奪い取ってしまい、自分の日々の生活が虚構の世界の話であることを知る。街が恋した女性モロトフガールは、実は現実世界ではミリーと呼ばれていて、「フリー・シティ」のコアの部分を作り出した女性であった。ミリーはパートナーであるキーズと共に、「フリー・シティ」を売り込んでいるアントワンに騙され、プログラムのコアの部分を無断借用されていて、その証拠を握って、自分達の手に取り戻そうとしていた。そうこうするうちにガイは次第にスキルを上げていき、史上初のAIプログラムとして、世界にその名を知られるようになる。しかし、その辺を悟っているアントワンは、ガイを抹殺しようと、さまざまな手段を講じていく。
レビュー
新型コロナウイルスの感染がある程度収まった段階で、アメリカをはじめ、世界中で2021年の夏に劇場公開された、コメディアクション映画が、この「フリー・ガイ」です。20世紀スタジオを傘下に持つディズニーが、劇場公開を優先し、劇場公開後45日後にDisney+で配信するという取り決めに従って、日本でのDisney+のリニューアルと同時に配信された作品であります。映画は興行的には北米地域では製作費とトントンの状態ですので、世界的に見れば、おそらく黒字にはなっていると思います。Rotten Tomatoesの批評家評価は80%、観客評価は94%と結構高評価を得ている作品であります。
映画は、自分に課せられていた縛りを解いて自由に生きることについて、コメディタッチかつアクション満載で描いているのが特徴です。そもそもが主人公ガイはオンラインゲームのモブキャラであり、プレイヤーに殺されたりするだけのキャラですので、コンピュータープログラムに過ぎず、毎日ルーティンの生活を飽きもせず、繰り返すという人生を送っています。
そのガイがある日自分の理想とする女性、モロトフガールを見つけたことで、彼女を追いかけ、彼女と付き合いたいという思いから、単なるモブキャラを脱して、人工知能を持ったキャラに成長してしまっているところが、この映画の面白さであり、自分のの鎖を解き放って自由になるというテーマを描き出していると思います。そして、ガイはオンラインゲームのプレイヤーからも一目置かれるキャラに成長していくことになります。
そのガイを生み出したのは、モロトフガールというアバターを使いこなすミリーという女性と、キーズという青年ですが、彼女たちが生み出したゲームは、アントワンという金儲け主義の社長率いるゲーム会社に勝手に吸収され、「フリー・シティ」というゲームで大金を手にしている状態です。その証拠を掴むべく、ミリーとキーズは協力して「フリー・シティ」の秘密を暴こうとするのですが、それにガイが協力することで、実現しそうになります。もちろん、それをそのままアントワンが黙って見ているわけはなく、様々な手段で彼らの企みを邪魔するというところが、現実世界のパートであり、こちらはリアリティある内容になっています。
映画のクライマックスでガイの前に現れる男とガイの戦いは、あまりの設定に爆笑してしまいました。同じ映画会社とはいえ、まさかあのアイテムとキャラクターが登場するとは思いもしませんでした。エンドクレジットでもキャラクター役の俳優が本人役で登場している旨書かれていますので、シャレのわかる人だな、と思わずニンマリしてしまいました。
Disney+リニューアルに伴い、映像は4K/DOLBY VISIONで配信されています。マスターデータが2Kですので、アップスケール4Kになりますが、結構高精細感のある映像を提供しています。DOLBY VISIONにおける色彩の感覚とコントラストの十分さは、映画を映画館で見ているかのような錯覚に陥らせてくれます。今までのDisney+がHD/2ch仕様だったのに比べると、隔世の感があります。音響はDOLBY ATMOS仕様で、音が三次元サラウンドはしているのですが、ダイナミックレンジを圧縮している関係か、迫力という点では今一つの状況になっています。銃撃シーンでも音がしょぼい感覚を覚えます。ただ、頭上にも音が広がる感覚は味わえますので、DOLBY ATMOSの効果は出ていると思います。
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