ALIEN3
邦題 | エイリアン3 | |
レーベル | 20th CENTURY FOX HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 1992年 | |
上演時間 | 115分 | |
監督 | デヴィッド・フィンチャー | |
出演 | シガニー・ウィーバー、チャールズ・S.ダットン、チャールズ・ダンス | |
画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 DOLBY DIGITAL 2.0ch 英語、フランス語 |
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字幕 | 英語、スペイン語 | |
THX仕様 |
あらすじ
エイリアンクイーンを倒して、冷凍冬眠に入ったリプリーたちだが、スラコ号船内にエイリアンの卵が残されており、生まれたエイリアンによって船内に火災が起こり、リプリーたちは流刑惑星に不時着する。そこは、犯罪を犯した囚人達がする惑星だった。ただ一人生き残ったリプリーは、その惑星の中でエイリアンが生き残っていることを知り、その退治をしようとするが、犬と同化したエイリアンによって、囚人達が次々と死んでいってしまう。リプリーは囚人達と協力してエイリアンの抹殺を企む。
レビュー
「エイリアン 2」の大ヒットにより企画されたのがこの「エイリアン3」です。監督には、後に大ヒットを飛ばす「セブン」、「ゲーム」のデヴィッド・フィンチャーが当たり、独特の世界観をあらわしています。
「エイリアン」シリーズは、担当する監督が代わるごとにその世界観を大きく変えていくシリーズとなりましたが、この「エイリアン3」は、一種の宗教的な世界観を持ってストーリーが進んでいくことになります。
せっかく前作で生き残ったニュートやヒックスといったキャラクターをあっさりと物語冒頭で殺してしまい、前作との繋がりを絶ってしまった本作ですが、その暗い世界観を構築するためには仕方なかったといえるのでしょう。
しかし、せっかく囚人惑星という独特の世界観を構築しているにもかかわらず、囚人達のキャラクターが立っていないため、新しいエイリアンに次々と殺されていく囚人達も感情移入できないままに終わり、今一つという感じがしないでもありません。
物語前半でニュートとヒックスの葬儀のシーンとエイリアンが犬と同化して新エイリアンが誕生しているシーンは、観ていてすばらしい組み合わせだなと思うのですが、前半のそのシーンを除くと、観ていても冗長に感じられるところが多々あり、少々退屈さを感じさせるものがあります。
物語後半になると犬エイリアンの退治シーンになりますが、エイリアンをあまり映さないで、エイリアン側から見たカメラアングルが頻繁に登場するのには、新しいアイデアだなと思います。これは結構いいアイデアではないかなと思います。犬エイリアンのすばやさみたいなものがよく表現されていると思います。
この「エイリアン3」は、制作当時完結編という位置づけにあったのか、リプリーの死という形で物語が終わっていますが、「エイリアン」から始まったリプリーとエイリアンの死闘に一応の結論をつけたという意味では、この作品を評価してもいいのではないかと思います。
しかし、結局のところまたまた続編は作られることになってしまい、この作品の出来はシリーズの中でも低い評価を与えざるを得ないと思います。脚本の出来がよくないのだと思いますが、大ヒット作「エイリアン 2」の後では、ストーリーを練るのもかなり困難を極めたのではないかと思われる節があります。結果「エイリアン」のように 1 匹のエイリアンが人間を襲うという戻ってしまったかのようなストーリー展開に終始してしまい、新鮮味が少ないという傾向はあります。
映像、音響ともルーカスフィルム認定の THX 仕様ということで、シリーズの中では、その恩恵を受けている感じはあります。室内の廃墟の中という室内照明のみのシーンが多い中、極めてクリアな映像を提供していて、制作年度を考えてもすばらしい映像になっている気がします。サウンドは、DOLBY DIGITAL 5.1ch を 2ch ステレオで鑑賞しましたが、室内の反響音などがきれいに響いていて、サラウンド感が結構いいのではないかと思います。元のサウンドは DOLBY STEREO SR ということもあって、マスターが良いのではないかと思います。
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