ASSASSINS(Blu-ray)
邦題 | 暗殺者 | |
レーベル | WARNER HOME VIDEO | |
制作年度 | 1995年 | |
上演時間 | 133分 | |
監督 | リチャード・ドナー | |
出演 | シルヴェスター・スタローン、アントニオ・バンデラス ジュリアン・ムーア |
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画面 | 1.85:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語 / DOLBY DIGITAL 5.1ch 日本語 | |
字幕 | 日本語、英語 |
あらすじ
ロバート・ラスは、一流の殺し屋だった。しかし、依頼主の要望とはいえ、同業者を抹殺するのには、ラスの精神を疲れさせた。彼は引退をしようと決意をするが、最後の仕事を若き殺し屋、ベインに奪われてしまう。ラスはベインの素性を探るとともに、次の依頼を受けることになるが、その次の標的はコンピューター・ハッカーの女性、エレクトラの持つデータと彼女自身で、ラスは偶然にもエレクトラを救うことになってしまう。二人は、次第にベインや依頼主から命を狙われることになり、最後の仕事に取り組むことになる。
レビュー
90年代の低迷していた時期にスタローンが挑んだ暗殺者の姿を描いた作品が、この「暗殺者」です。80年代の筋肉ムキムキのスタローンは封じ込めて、過去に後悔する疲れ果てた暗殺者を演じていますが、スタローンの迷いのようなものがちょっと現れている感じのする映画で、興行的にも成功はしていない作品であります。
しかし、個人的には面白い作品だと思います。脚本が、まだ売り出し中だった頃のウォシャウスキー兄弟の手によるもので、暗殺者同士のギラギラした戦いは、その作風の中に見られているかと思います。残念なのは、監督が職業監督であるリチャード・ドナーなので、ウォシャウスキー兄弟のストーリーをうまく生かしきれていない感覚があると思います。
この作品が印象的なのは、スタローンが人を殺すことに疲れ、引退しようとするところに新たなるライバルが現れ、そのために戦いを強いられるという、その構図にあると思います。また、謎の依頼主の存在も、物語のキーとして最終的には明かされるところが、スタローン扮するラスの人生の後悔と、その贖罪を表現していると思います。
一方で新たに暗殺者集団の中でラスに取って代わりナンバー・ワンになろうとするベインの存在は、かなりの印象を与えているかと思います。彼が時々しゃべるスペイン語(でいいのか分かりませんが)は、ベインの先っ走りの性格をよく表していると思います。とにかくこの頃売り出し中だったバンデラスの個性を、よく掴んでキャラクターとして描いていると思います。
ラストとにも行動を起こすエレクトラというコンピューター・ハッカーの女性も、最初は標的として、次第にラスと共に仕事の報酬金を得ようとする人生をそれなりに描いているかと思います。まだこの頃はあまり名の売れていなかったジュリアン・ムーアが、エレクトラという女性を演じていますが、ちょっとその態度の変遷が、無理があるかなという気はします。その辺が演出の雑さ加減な気はします。
ラストは依頼主が意外な人物だったということと、その解決法に面白みがあるかと思います。その種明かしを知ってしまうと、何てことのない作品なのですが、そこに行くまでのラスの苦悩が物語の中心なので、意外な依頼主の正体は、その苦悩を吹き飛ばしてしまうところがあるかと思います。
映像は90年代のフィルムということもあるのか、結構鮮明な映像で、色乗りも十分です。かつてレーザーディスクで観たときには、ワーナー独特の色乗りをしていたような気もしますが、そういう感触は無くなり、普通に綺麗な映像という感じはします。音響はdts-HD MA 5.1chで聴取しましたが、これはまずまずのサラウンド感を持っていると思います。ただ、音圧は少々低いような気がします。レンジは広いのですが、ボリュームを結構上げないと迫力が出てこないところがあります。
なお、このディスクは日米共通ディスクですので、日本のBlu-rayプレイヤーで再生すれば、自動的に日本語メニューになり、字幕、音声共日本語を選択することができます。
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