AVENGERS:ENDGAME(4K UHD Blu-ray)/アベンジャーズ/エンドゲーム/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

AVENGERS:ENDGAME(4K UHD Blu-ray)

AVENGERS:ENDGAME 4K UHD Blu-rayジャケット 邦題 アベンジャーズ/エンドゲーム
レーベル BUENA VISTA HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2019年
上演時間 181分
監督 アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ
出演 ロバート・ダウニー・Jr、クリス・ヘムズワース、クリス・エヴァンス
画面 2.39:1/HDR10
音声 DOLBY ATMOS 英語 / DOLBY DIGITAL 5.1ch スペイン語、フランス語
字幕 英語、スペイン語、フランス語

あらすじ

 クリント・バートンは、ソコヴィア協定に違反したため、自宅軟禁を受けていて、娘に弓矢の練習をしていた。しかし、サノスの指パッチンのためにクリントを残して家族はみんなチリになってしまう。宇宙に取り残されたトニー・スタークとネビュラはなんとか生き残ろうとするが、酸素の残量も少なくなり死が迫っていた。そこにキャプテン・マーベルが現れ、トニーたちを地球に送り届ける。スティーヴたち生き残ったアベンジャーズは、サノスの行方を追って3週間が過ぎ、ついにサノスの居場所を見つける。その惑星に辿り着くスティーヴたちだったが、サノスは自身の手でインフィニティ・ストーンを破壊し、歴史を元に戻せないようにしていた。怒りに任せてソーがサノスを殺すが、時、すでに遅しだった。それから5年の歳月が過ぎ、次第にその状況にも慣れてきた人たちもいたが、ナターシャは慣れなかった。そのナターシャとスティーヴの目の前にスコットが現れる。スコットはアントマンとして量子領域に行くテストをしている最中にサノスの指パッチンの煽りを受け、一人量子領域に取り残されていたのだった。そのスコットが言うには、量子領域では時間、空間の感覚が実際の時間、空間と違うので、量子領域に行く装置を改造すれば、タイムマシーン的使い方ができるのではないか、と話を始める。それを受けて、ハルクの状態で穏やかな精神を持つことに成功したバナー博士が、装置の改良を行うが、アベンジャーズと距離を置き、ペッパーと結婚して娘をもうけたトニーも自分の計算で、タイムマシーンができることを確信し、アベンジャーズに再度加わって装置の改良を行う。ソーは地球に作られたアスガルドの地で飲んだくれていたが、彼もアベンジャーズに再度加わる。そして、過去に行き、インフィニティ・ストーンを6個、サノスが手にする前に自分たちで手に入れて、消え去った半数の生命体を復活させる作戦を敢行する。しかし、その作戦も昔のサノスの知るところとなり、サノスは自分でインフィニティ・ストーンを手に入れようとする。

レビュー

 マーベル・シネマティック・ユニバースの22作目に当たり、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の続編にして完結編に当たるのが、この「アベンジャーズ/エンドゲーム」です。製作費は3.56億ドルかかっていますが、北米のチケット売り上げだけで8.58億ドルを稼ぎ出したばかりか、全世界での興行収入は27.97億ドルを稼ぎ出しており、劇場公開当時ではジェームズ・キャメロン監督の「アバター」の興行収入の記録を抜いて全世界No.1の興行収入を樹立した映画になっています。(2021年5月現在は「アバター」の中国再上映の関係で、「アバター」が全世界興行収入No.1の地位に返り咲いています。) 映画評論家、観客の評価も極めて高く、その出来栄えに納得するところであります。

 「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のクライマックスでインフィニティ・ストーンを6個集めたサノスは、指パッチンを行い、全宇宙の生命体の半数をチリと化してしまいましたが、この「アベンジャーズ/エンドゲーム」はその続きから始まります。サノスはインフィニティ・ストーンによって歴史が書き換えられないように、自らの意思でインフィニティ・ストーンを破壊してしまっていますので、生き残ったアベンジャーズたちがサノスの居場所を掴み、サノスと対峙した時にはすでに手遅れの状態になっています。ソーが恨みを込めてサノスの首を刎ねますが、それを行っても歴史は変わりません。

 それから5年の歳月が流れるところに、物語の意外性があると思います。たまたまネズミが量子領域に行く装置のスイッチを入れたために、量子領域に囚われていたスコットが現実に戻ってきますが、これが起こらなければ、アベンジャーズの逆襲も何も発生しなかったわけで、偶然がまた物語を動かしている感触があります。最も、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」でドクター・ストレンジがサノスに勝つ確率は、1400万605分の1と予言していたので、ネズミが量子領域にいるスコットを助け出すと言う偶然も、サノスに勝つ確率の1に相当する出来事なのだろうと思います。

 そのスコットが量子領域から生還したことにより、アベンジャーズは量子領域をタイムマシーンとして利用し、過去に戻ってサノスが集める前のインフィニティ・ストーンを先に6個集めてしまい、チリと消え去った生命体を復活させるべく、行動を開始するのですが、ここでようやく「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」で内部分裂してしまったアベンジャーズが再度一体化すると言う嬉しい出来事が描かれています。主にトニー・スタークの拘りがここにきて溶けたと言うことに尽きるのですが、ソーも生きる目的を失って酒を飲んだくれている生活を送っていて、そのソーがアベンジャーズに復帰すると言うのは、感動的ですらあります。

 画してアベンジャーズたちは、量子領域を経由して過去に行き、インフィニティ・ストーンを集める作業に取り掛かるのですが、ここのシーンが結構面白いです。このシーンに関わらず、スーパーヒーロー総集結の映画が「アベンジャーズ」の魅力ですが、過去にアベンジャーズが行ったことで、他のマーベル・シネマティック・ユニバースに登場した脇役キャラが様々に再登場して、物語に彩りを与えています。個人的には「ドクター・ストレンジ」のエンシェント・ワンがニューヨークでハルクと会話するシーンがインパクトあると思っています。

 サノスは物語冒頭でソーに殺されますが、アベンジャーズたちが過去に行ったことで、同行したネビュラの通信回路を通じて、アベンジャーズがインフィニティ・ストーンを集めていると言う事実をまだ殺されていない過去のサノスが知り、過去のネビュラにアベンジャーズに紛れ込むよう指示する様は、サノスが一筋縄ではいかない敵役であるといえます。また、インフィニティ・ストーンを集めるために、ナターシャ・ロマノフが自ら命を落とすシーンは、結構衝撃的です。

 いくつかの犠牲を払いながらもインフィニティ・ストーンを集めたアベンジャーズは、ハルクが指パッチンを行い、チリと消えた生命体を復活させますが、過去のネビュラを通じて状況を知っていたサノスが、再びアベンジャーズに立ち塞がる様は、アドレナリンが放出される出来事になります。そして、アベンジャーズの戦いが不利な状況で、チリと消えたアベンジャーズたちが復活して戦線に加わる様は、鳥肌ものの展開になっています。

 その後は総力戦になるのですが、インフィニティ・ストーンを巡って争奪戦を繰り広げ、ついにトニー・スタークが自身の手にグローブを嵌め、「私はアイアンマンだ」と決め台詞を放ちながら、指パッチンを行う様は、壮絶な展開になっていると思います。その結果、サノスと配下の兵士たちは全てチリと化して、地球に平和が戻るのですが、その代償としてトニーは命を落とし、また、戦いの後、インフィニティ・ストーンを元の時代、場所に戻しに行ったスティーヴが、キャプテン・アメリカの姿ではなく、自分の人生を取り戻して老人として現代に戻ってくるのは、感動的であります。「アベンジャーズ」シリーズの完結編にふさわしいラストではないかと思います。エンドクレジット後にはトニーが鉄を打つ音がずっと流れていますが、おまけ映像は何もなく、シリーズが完結したことを告げています。

 映像は4K/HDR10で収録されています。ソース・フォーマットは6.5Kなのですがマスター・フォーマットは2Kでまとめられており、4K UHD Blu-rayも2Kからのアップスケール4Kでの収録になっています。それでも解像度は十分に精細で、コントラストもはっきりしているシーンが多いです。色乗りも十分にあり、カラフルな色調が映像の魅力を出しています。音響はDOLBY ATMOSで、三次元サラウンドがこれでもかと言うくらいに唸りをあげ、自分が映像の中にいるかのようなインパクトを感じます。

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