THE BANK JOB
邦題 | バンク・ジョブ | |
レーベル | LIONS GATE HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2008年 | |
上演時間 | 112分 | |
監督 | ロジャー・ドナルドソン | |
出演 | ジェイソン・ステイサム、サフロン・バロウズ リチャード・リンターン |
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画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch-EX 英語 / DOLBY DIGITAL 2.0ch 英語 | |
字幕 | 英語、スペイン語 |
あらすじ
1971年のイギリス。自動車のディーラーをしていたテリーはお金に困っていた。そこに顔なじみのマルティーヌが銀行強盗の話を持ちかける。銀行の金庫室のセキュリティが手薄になる時があり、そこを狙って地下からトンネルを掘って強盗をしようという話である。テリーは話に乗り、仲間を集めて銀行強盗を実行する。しかしマルティーヌの目的は別にあり、実は王室のスキャンダルを納めた写真の奪取が目的であった。そのことを知ったテリーはMI5や警察を相手に無事生き延びることを画策する。
レビュー
ハリウッドで2000年代のアクションスターとして活躍するジェイソン・ステイサムを主人公に迎えたこの「バンク・ジョブ」は実は、イギリスで実際に起きた銀行強盗事件を元に可能な限り史実に忠実に映画化した物であります。興行収入的には製作費は回収できているスマッシュヒットの状態であります。
実話を映画化した作品ということで、いつものジェイソン・ステイサムのアクション映画とは違って、ステイサムのアクションはわずかに押さえ、犯罪映画としての面白さを追求した物になっています。ステイサム演じるテリーがあまり突出しないように、他の俳優にも焦点が当たるように映画が製作されています。そのために彼のいつものB級映画とはひと味違う面白さが出ているかと思います。
話が最初は色々な登場人物の紹介と、ちょっとしたポイントの話になるので、内容的にはなかなか分かりづらいところがありますが、物語が進むにつれて、その辺の解消がされていて、そして主人公がどうその状況を切り抜けるのかがキーとなってきます。その辺のサスペンス度は結構面白く、「これが実話なの?」と感じるくらいの出来になっています。
主人公であるテリーは単純に自動車ディーラーの経営で金に困っているところから、顔なじみのマルティーヌの誘いに乗ってしまうのですが、マルティーヌ自身はどうもMI5に通じているようで、彼女自身の銀行強盗の目的が王室にかかわるスキャンダルのもみ消しというところが、話の肝になっているかと思います。また、それを撮影したのが黒人パワーを発揮して地位向上を目指すマイケルXと言う男で、彼が話に絡んでいくことから、複雑に絡み合った展開になっているかと思います。
テリーに協力した仲間達のその後も映画の中で描かれているのが、関心を呼ぶところであり、仲間の何人かは捕まったり、殺されたりでリアル感があります。また、その仲間の呼びかけに応じてテリーが何とか事態を打開しようとするところは、物語後半の中心になるかと思います。
警察とMI5の縄張り争いも結構話を面白くしている要因かと思います。単に金銭や宝石類の泥棒であったなら、警察だけがかかわる話ですが、盗まれた物に王室スキャンダルの写真が混ざっていたことから、MI5も事件にかかわりだし、事態を複雑化しています。もっともそれがテリーの命を救う切り札になるのですから、事実は小説より奇なり、とはよく言ったものです。
画質はDVDとしては解像度は十分ですが、イギリスの憂鬱な空気を意識したのか、色合いが赤みがかっており、結構色温度が低いと感じさせるところがあります。サウンドは5.1ch-EXということですが、自然な音響効果で、サラウンドを意識させないサラウンドと言った感触の音場を形成しています。映像も音響も物語に没頭させるのには、十分な状態で提供していると思います。
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