BATMAN RETURNS
邦題 | バットマン リターンズ | |
レーベル | WARNER HOME VIDEO | |
制作年度 | 1992年 | |
上演時間 | 126分 | |
監督 | ティム・バートン | |
出演 | マイケル・キートン、ダニー・デヴィート、ミシェル・ファイファー | |
画面 | 1.85:1/アナモルフィック | |
音声 | DTS 5.1ch 英語 / DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語 | |
字幕 | 英語、フランス語、スペイン語 |
あらすじ
クリスマスのゴッサム・シティには、謎のサーカス団の犯罪が相次いでいた。バットマンの活躍により、犯罪は阻止されるが、そのサーカス団を率いていたペンギンは、町の有力者であるマックス・シュレックと組んで、市長に立候補しようとする。ペンギンの企みを嗅ぎ取ったバットマンは、ペンギンに戦いを挑んでいくが、罠にはまり、犯罪者の汚名を着せられてしまう。一方マックスの秘書だったセリーナ・カイルは、マックスに突き落とされ、キャット・ウーマンとして復活をする。彼女は、バットマンと危険な恋に落ちていく。
レビュー
1989 年に大ヒットした「バットマン」の直接の続編であり、監督であるティム・バートンの闇の側面が 120% 発揮された異色作でもあります。もちろん第 1 作目と同様にこの作品も大ヒットしておりまして、1992 年の年間映画興行収入トップワンを獲得しています。
今作の特徴となっているのは、クリスマスの悲劇を描いた作品だということであります。物語冒頭から、ペンギンの誕生が描かれますが、これの起きた事件はクリスマスの時期ということになっています。誰もが幸せになるクリスマスで、オズワルド・コボルポッドがペンギンになるという悲劇をテーマ曲をバックに描かれているところが、物語のトーンを決めています。
物語はその 33 年後を描いたものになっていますが、その舞台となっているのもクリスマスの時期であります。町の有力者であるマックス・シュレックがクリスマスプレゼントを市民に与えているときにサーカスギャング団が町を襲います。華やかなクリスマスの街が一転して恐怖のどん底に陥れられることになりますが、それを阻止するのがバットマンです。
ペンギンは、最初姿をなかなか現しませんが、影や手の描写だけで、物語の冒頭から登場しています。監督が、ペンギンに感情移入をしていることは明らかで、物語もペンギンの企みやその背景を中心に描いていくことになります。彼を描いていることで、その悲劇性が浮かび上がっていくことになります。
物語ラストのペンギンの死に様は、悲劇の象徴として描かれています。最後には、仲間も去り、独りきりになったペンギンは、その死後、動物のペンギンたちに葬られていくことで、ようやく平穏を得ます。
一方、セリーナ・カイルは、マックス・シュレックに殺されたことにより、猫の力で復活をし、キャット・ウーマンとして町を徘徊し始めます。彼女の悲劇は、彼女を取り巻く人たちに裏切られていくことにあります。何度も彼女は高いところから地上に向かって墜落していくことになりますが、それはペンギン、バットマン、マックス・シュレックに裏切られたことによるものです。
バットマンと、キャット・ウーマンの危険な恋の行方は、物語の一つの見所だと思います。お互いを求めながらも受け入れることの出来ない違いを抱えて、二人は対峙して行く事になります。前作のビッキー・ベイルがバットマン=ブルース・ウェインを受け入れたのに比べると、今回のセリーナ・カイルは、ブルース・ウェインを愛しながらも、バットマンを受け入れていないといった違いがあります。
ペンギンを陰で操るマックス・シュレックも犯罪に手を染めている一人ではありますが、あまり印象が強くありません。監督のティム・バートンがペンギンと、キャット・ウーマンを中心に物語を描いているからだと思います。
一方主役であるはずのバットマンは、今回影が薄いといわざるを得ません。物語に登場するのは、始まってから 12 分も経過してからであり、しかも彼はペンギンの罠にはまったりして、市民の敵となってしまいます。前作では、両親の死にトラウマを抱えているという設定で、悲劇の象徴として描かれていましたが、今作では、そういう描写もなく、ペンギンの行動を邪悪の象徴として最初から捉えているに過ぎません。バットマンの活躍するシーンはあるのですが、余り印象は強くないところが、この作品の特徴だと思います。
画質は夜のシーンが多く、少しシーンによってフィルムのざらつきが見えることがあります。当然暗いシーンが多くなりますが、比較的クリアな映像だと思います。室内のシーンでは、少し赤みがかった、フィルム調の映像だと思います。音響は、DOLBY DIGITAL 5.1ch を 2ch ステレオで鑑賞しましたが、1992 年当時のドルビーデジタル 5.1ch の音響が、迫力あるサウンドで楽しめました。
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