Bill & Ted’s EXCELLENT adventure(4K UHD Blu-ray UK)
邦題 | ビルとテッドの大冒険 | |
レーベル | STUDIOCANAL LIMITED. | |
制作年度 | 1989年 | |
上演時間 | 90分 | |
監督 | スティーヴン・ヘレク | |
出演 | キアヌ・リーヴス、アレックス・ウィンター、ジョージ・カーリン | |
画面 | 2.35:1/HDR10 | |
音声 | dts-HD MA 2.0ch 英語 | |
字幕 | 英語、ドイツ語 |
あらすじ
ボンクラ高校生であるビルとテッドは、ギターで有名になることを夢見ていた。しかし、そのために高校の授業では落ちこぼれで、歴史のレポートに合格しない限り、落第させると先生に言われてしまう。また、テッドの父はテッドを軍の学校に入れさせて、テッドを更生させようとしていた。そんな状況下にあって、ビルとテッドの目の前に電話ボックス型のタイムマシンが現れる。電話ボックスから出てきたのはルーファスという男で、ビルとテッドが歴史のレポートに合格しないと、未来が変わってしまうと宣言する。ビルとテッドのギターが未来に祝福していたからである。電話ボックスがもう一台現れ、別の時間軸のビルとテッドが現れ、彼らにタイムトラベルを勧める。それを受けて、ビルとテッドは電話ボックスでタイムトラベルをして、過去の有名な人物をタイムトラベルさせ、歴史のレポートに合格しようとする。しかし、ナポレオンやリンカーン、ジンギス・ハーンなどといった歴史上の有名人を現代に連れてきたため、騒動が起こる。
レビュー
「ドラキュラ」、「スピード」で人気俳優になる前のキアヌ・リーヴスが主人公の一人を演じるバカ映画が、この「ビルとテッドの大冒険」です。半ばカルト映画化している本作ではありますが、続編が2本も作られるぐらいの人気があります。映画評論家の批評は水準並で、観客評価も水準並ですが、興行収入は製作費を大きく上回り、成功の部類に入っている作品であります。
この映画が面白いところは、主人公であるビルとテッドがおバカであるという点にあります。それも天然ボケという感じで、どんな目にあっても全く気にしないタイプの天然ぶりが、この映画の雰囲気を支配していて、作品の面白さに繋がっていると言えます。その天然ボケの二人が、高校の歴史の授業で落第しそうになり、それを救うべく未来から来たルーファスという男の助けを借りて、歴史上の人物を現代に連れてきてしまうというところにバカバカしさがあると言えます。
しかも歴史上の人物というのも誰もが知っているナポレオンに始まり、ビリー・ザ・キッド、ジャンヌ・ダルク、ベートーベン、リンカーンなどなど、世界中の著名人をことごとくタイムトラベルさせ、現代に連れてきてしまうという点に、面白さがあると思います。それら歴史上の人物が現代で巻き起こす騒動は、歴史上のギャップを感じさせるところがあり、腹を抱えて笑ってしまうところであります。
映画全体を包む雰囲気も、ノー天気ぶりが漂っていて、あまり真剣に考える環境にないことも、この映画の特徴かと思います。タイムトラベル物につきものの矛盾は完全に無視していて、とにかくなんでもあり的状況が物語を支配しているのが、作品の良さを発揮しています。タイムトラベル物だと通常は矛盾点をどう交わすかにストーリーの設定を持ち込んでいくのですが、この作品に限ってはそれはなし。時代の違う歴史上の人物が一堂に介してもなんの問題も起きないところがすごいところです。
時空を超越するタイムマシンが、今では絶滅種別になっている電話ボックスというのも、時代を感じさせてユニークであると思います。電話ボックスに設置されている公衆電話のダイヤルを押せば、タイムトラベルできるというところに、映画の特徴がよく現れていると思います。しかも歴史上の有名人がだんだん増えて電話ボックスに入り切らなくなるという状況も面白いところであります。
映像は4K UHD/HDR10での収録になっています。1989年のフィルム世代の映画ということもあり、解像度はフィルムの解像度に依存していて、フィルムのグレインノイズは終始乗っているのが確認できますが、それなりの解像度が堪能できます。色乗りや画面の明るさも適切で、フィルムで映画を見ているなという感覚に陥らせてくれます。音響はdts-HD MA 2.0chの収録です。劇場公開時にはDOLBY STEREOで公開されましたが、この4K UHD Blu-rayは3-1方式のサラウンドではないようで、空間に音が広がるというより、左右の移動感だけが明瞭に聞こえるといった状況を作り出しています。
このディスクはイギリスのZavviで購入したスティールブック・エディションになります。アメリカや日本では4K UHD Blu-rayのリリースはない模様なので、この映画を4K UHDで鑑賞するには、イギリス版で購入する必要があります。当然ながら、日本語字幕も吹き替えも入っていないので、英語が苦手な人には辛い状況であると言えます。
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