BIRTH OF THE DRAGON(Blu-ray)
邦題 | バース・オブ・ザ・ドラゴン | |
レーベル | UNIVERSAL PICTURES HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2017年 | |
上演時間 | 96分 | |
監督 | ジョージ・ノルフィ | |
出演 | フィリップ・ウァン-リン・ン、シア・ユイ、ビリー・マグヌッセン | |
画面 | 2.40:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語 | |
字幕 | 英語、スペイン語、フランス語 |
あらすじ
1964年のアメリカ、サンフランシスコ。若きブルース・リーはアメリカ人を中心にカンフーの道場を開いていた。リーは、テレビや映画によるカンフーを世界に広めるという意思を持っていた。そんなサンフランシスコに、少林寺で修行したウォン・ジャック・マンがやってくる。彼は少林寺での修行からリーの行動には反対の意思を持っていた。リーの弟子であるビニーとスティーヴは、そんな中中国人世界で借金をしていて、リーに頼ることになる。そして、スティーヴは、中国人社会で召使いのように扱われている女性に同情し、彼女と交流をするようになって、彼女を解放したいと考えることになった。しかし、中国人社会は、リーとウォン・ジャック・マンが対決をし、勝った方によって彼女を解放すると宣告する。サンフランシスコの空手大会でリーは勝利をし、ウォン・ジャック・マンと対峙するが、その時点で対決はせず、改めて戦いを繰り広げることになる。そして、二人は勝者はいないことを悟ってしまう。
レビュー
伝説的アクションスター、ブルース・リーが有名になる前に少林寺の僧であるウォン・ジャック・マンと対決をしたという事実を元に、話をだいぶ脚色した映画がこの「バース・オブ・ザ・ドラゴン」です。制作がアメリカ中心ではなく、中国が中心のためか、出演キャストやスタッフに多くの中国人が使われているのが特徴です。アメリカではユニヴァーサル・ピクチャーズが配給しましたが、全くヒットせず、映画の出来自体もあまり良いものとは言えません。
映画は事実を元にしながら相当の脚色をしているのが、この物語の欠点であると言えそうです。ブルース・リーの伝記ものでありながら、主役としてのブルース・リーにフォーカスを当てたものではなく、リーの弟子であるスティーヴやビニーたちを中心に物語が進んでいくのが物語の出来の悪さを表していると言えそうです。
物語として、ブルース・リーのカンフーに対する哲学や、少林寺の僧であるウォン・ジャック・マンのカンフーに対する哲学はきちんと描かれていて、その辺は好感が持てますが、二人とも主役ではなく、中国人社会で底辺として扱われている女性を救いたいと考えるスティーヴや、中国人社会に借金をしているビニーらが主役なため、どうしても脇役が主役であるという倒置した展開になってしまい、物語に感情移入し難いところがあります。
リーやウォン・ジャック・マンのカンフーシーンはトレーニングの成果が出ていて、それなりに見応えがあります。ただ、サウンドデザイン的に極端なカンフーアクションを再現していないので、迫力という点では今ひとつのところもあります。また、スティーブやビニーたちのカンフーはちょっと弱すぎです。リーの1インチパンチの再現は、なかなか出来がいいと思いましたが、全般的にアクションに期待すると期待外れに終わる映画であると言えそうです。
映像はフィルム撮影ですので、色彩豊かな映像と、解像度を提供しています。時折フィルムグレインも見えますが、全般的にクリアな映像であると言えそうです。音響はdts-HD MA 5.1chですが、効果音のサラウンド感は限定的であると言えます。ただ、サウンドトラックの音楽は結構サラウンドに振っていて、そちらの効果はそれなりにあります。また、サラウンドの重低音が効果をよく出しているのも特徴です。
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