BODY OF LIES/ワールド・オブ・ライズ/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

BODY OF LIES

BODY OF LIES DVDジャケット 邦題 ワールド・オブ・ライズ
レーベル WARNER HOME VIDEO
制作年度 2008年
上演時間 128分
監督 リドリー・スコット
出演 レオナルド・ディカプリオ、ラッセル・クロウ、マーク・ストロング
画面 2.35:1/アナモルフィック
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語、スペイン語
字幕 英語、フランス語、スペイン語

あらすじ

  中東のムスリムのテロリストが、ヨーロッパやアメリカに対して無差別テロを引き起こしていた。それを追跡し阻止すべく、CIAのフェリスが単独で中東を駆け巡り、組織を探そうとする。それを指示するのはヘッドクォーターのホフマン。しかし現場の状況を考慮しないホフマンにフェリスは反発する。フェリスはヨルダンのセキュリティチーフ、ハニに協力を求め、組織追跡を図るのだが。

レビュー

 最近すっかり職人監督になってしまったリドリー・スコットが監督して、レオナルド・ディカプリオとラッセル・クロウの二人の大物俳優が共演したのがこの「ワールド・オブ・ライズ」です。制作費はかかっていますが、それに見合う興行収入を得られなかったのが本作でもあります。

 しかしながら出来は悪いかというとそうでもなく、まずまずの出来ではないかなと思います。CIAエージェントの二人であるフェリスとホフマンの立場の違いから来る意見の相違がこの作品の出来を決めていると思います。この二人の意見の相違はCIAの取り組みが一枚岩ではなく、個々のエージェントに任されているという現実を突きつけてきます。

 現場で危険な任務に挑むのはフェリスで、彼はめぼしい相手に次々に接触してテロ組織を追いかけますが、その現場の状況も分からないで、冷酷な司令をしてくるのがラングレーにいるホフマンという対照的な描き方をしています。

 フェリスは途中からヨルダンのセキュリティーチーフ、ハニに協力を求め、彼は「嘘はつかないこと」という条件でフェリスに協力をしていきますが、彼の立場の方がホフマンより大きくなっていっているのが、物語的に面白いというところであります。

 つまり途中からラッセル・クロウ扮するホフマンよりマーク・ストロング扮するハニのほうがフェリスにとって重要な人物になっていて、この展開が二大スター共演という設定をぶち壊している感じがあり、ユニークだなと思います。

 物語がどうも日本に馴染みの薄い中東を舞台にしているだけあって、ストーリーの把握がなかなか難しいところはありますが、それでもフェリスの苦闘が十分に描かれているところは共感できます。

 フェリスは物語途中で看護婦と仲が良くなりますが、彼女にまで危害が加わるという展開には、少々驚かせるものがあります。これには、最初の出会いから何となく違和感を感じていたもので、アラブの人とディカプリオの関係というのがちょっと意外だったというところにあります。

 ホフマンは、存在感が薄い感じがしますが、その感じ方には理由もあって、フェリスとの会話の時にも家族とくつろいでいるというようなシーンが多いことにも由来しているような気がします。またラッセル・クロウの演技自体がメガネを掛けて上目遣いで話をしているという仕草がテンションを下げる要因になっていると思います。

 画質はフィルム調ですが、クリーンな印象で、少し冷たい雰囲気を漂わせています。それが緊張感を高める要素になっていますが、中東の熱気みたいなものが伝わってこないという弱点もあります。音響は5.1chで再生しましたが、空間包囲みたいなものはかなり強いと感じます。サスペンスですから、あまり激しい銃撃シーンとかないのですが、それでも迫力はあります。

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