DEJA VU
邦題 | デジャヴ | |
レーベル | TOUCHSTONE HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2006年 | |
上演時間 | 126分 | |
監督 | トニー・スコット | |
出演 | デンゼル・ワシントン、ヴァル・キルマー、ポーラ・パットン | |
画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 DOLBY DIGITAL 2.0ch フランス語、スペイン語 |
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字幕 | 英語、フランス語、スペイン語 |
あらすじ
ニューオリンズのフェリーで爆破事件が起こる。それを調査に来た「アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局」の捜査官ダグは、爆発で死亡した人の検死を行っている最中に一人の女性が爆発ではないもっと前に殺害されていたことを知る。その女性の捜査をし始めたダグは、アメリカ政府が秘密裏に行っていた過去のタイムラインを見ることのできるデバイスの存在を知る。その装置で爆発を行った犯人の存在を知ったダグは、過去に連絡をして歴史を変えようと試みるのだったが、うまくいかずについには自分自身が過去に行くことを決意する。
レビュー
ここ数年デンゼル・ワシントンとコンビを組むことの多い監督トニー・スコットが、今作でもコンビを組んだのがこの「デジャヴ」です。プロデューサーはヒットメーカーのジェリー・ブラッカイマーということで、ヒットが期待されましたが、残念ながらアメリカ国内だけでは制作費の回収まで行かずに残念な結果に終わっています。
最初「デジャヴ」というタイトルから、デンゼル・ワシントン扮する主人公が事件の追体験をする映画かなと思いましたが、内容は全然違い、SF的設定が盛り込まれた予想外の映画であったと思います。
物語冒頭では捜査官として貫禄を見せつけているワシントン扮するダグですが、物語が途中からSF的設定になっていくや、あれ、ちょっと違うぞこの作品と思うようになりました。最初の雰囲気では骨太の捜査官物語なのかなと思いましたが、途中から過去をどう変えるのかといった方向に物語が方針転換していき、単なるアクション物ではなくなっています。
途中の政府が秘密裏に開発していた過去を覗き見ることの出来る装置を演出しているシーンは、スコット監督の過去作である「エネミー・オブ・アメリカ」を彷彿させるなと思いながら見ていましたが、これが過去を追体験しながら過去を変えることもできると知ったときには、「なんだ?この映画は?どう展開していくんだ?」と先が読めなくなってしまいました。
その装置を描いているシーンがちょっと長くて、物語的にはたるんでいるなと感じるところもありましたが、その装置を使って犯人の行動を追跡しているシーンでは、現実のカーチェイスシーンと過去のチェイスシーンが同時進行で描かれており、なかなか面白い描写であったと思います。
しかし、物語も後半に入って、ダグが過去に行こうとすると、物語的には「SFの設定としてどうなのよ?」という感じにもなってきます。というのもネタバレになりますから書きませんが、過去に行った段階でダグは二人いることになってしまうのでは?という疑問が生じてくるからです。
タイムトラベル物の傑作として「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズがありますが、あれがタイムトラベルというSF設定のぎりぎりの成功例で、今作の場合、ちょっと成立しているのかしていないのか悩むところがあります。特にラストを見てそう思いました。
とは言うものの、ダグが過去に行った段階から犯人とダグ、そして犠牲者になるはずのクレアの行動等が、これまで前半で描かれた描写と同一であったり、まさに「デジャヴ」な展開が訪れるので、見ていて面白い、と感じるところはあります。
出演者的には共演としてヴァル・キルマーがFBI捜査官として登場していますが、あまり存在感がなく、むしろ装置を開発したデニーを演じたアダム・ゴールドバーグのほうが存在感があったような気がします。エンドクレジットでは2番目であるポーラ・パットン演じるクレアが最初は単なる犠牲者かと思いきや、後半ではその存在感を大きくしているのも本作の特徴ではないかと思います。彼女の生死をダグが握っているという展開は、興味深いものがあります。
画質ですが、フィルム調ではありますが、ジェリー・ブラッカイマー制作の作品に特徴的なように鮮やかな色調をしているのがポイントではないかと思います。色乗りが十分で、DVDにしては解像度も高く、きれいな発色をしているところがあります。音響は5.1chの効果をちゃんと活かしているデザインで、要所要所でサラウンドが活躍しています。また低域も十分に効果を出していて、爆破シーンなどは迫力のあるサウンドを提供しています。
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