EVEREST(Blu-ray)/エベレスト 3D/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

EVEREST(Blu-ray)

EVEREST Blu-rayジャケット 邦題 エベレスト 3D
レーベル UNIVERSAL PICTURES HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2015年
上演時間 122分
監督 バルタザール・コルマウクル
出演 ジェイソン・クラーク、ジョシュ・ブローリン、ジョン・ホークス
画面 2.40:1/アナモルフィック
音声 DOLBY ATMOS 英語 / DOLBY DIGITAL 5.1ch スペイン語、フランス語
字幕 英語、スペイン語、フランス語

あらすじ

 世界最高峰のエベレストに登頂する人は後を絶たなかった。1992年に世界初のエベレスト登頂をアマチュア登山者に指導するツアーを起こしたロブ・ホールは、1996年にもエベレスト登頂を導くツアーを開催していた。その中には、ベックやダグ、ヤスコといったキャラクターたちがいた。1996年5月10日にエベレスト山頂に登頂するため、1ヶ月かけて徐々に高山病に対して体を慣らしていったが、それでも薄い酸素に対して登頂者たちは苦しめられる。そして、5月10日が来て、ロブはパーティを引き連れエベレスト山頂に登頂する。その途中でベックは視界を失い、登頂を断念する。残りのメンバーは無事山頂に登頂したのだが、エベレストの気象が急激に変わり、下山途中で吹雪に見舞われ、何人もの登頂者が命を落としていく。そして一旦下山しかけたものの、登頂を諦めなかったダグについていったロブは、下山途中で酸素を失い、ダグも滑落し、自身の命を失っていく。

レビュー

 1996年に実際にエベレスト登頂で発生した遭難事件を元にした映画が、この「エベレスト 3D」です。3Dとついているように、劇場公開では3D上映がなされ、Blu-rayも3D仕様で発売されましたが、3D環境を捨てて4K環境に移行したため、今回、通常の2D環境での視聴となっています。映画の評価としては水準並の評価を得ていますが、興行収入は製作費を若干下回り、成功したとは言い難い成績を残しています。

 実話をベースにした映画ということもあり、リアリティのある作品になっていますが、そのリアリティを増しているのが、エベレストの荘厳な映像にあると言えるのが、特徴ではないかと思います。実際のエベレストの映像と、ロケーションをしたイタリアの山々の映像が見事にエベレストの強大さを表していて、その強大さゆえに登頂するキャラクターの小ささが対比されるという印象になっています。

 今やエベレストもツアーガイドの元、アマチュア登山家たちがチャレンジするほど難易度が下がった感のあるエベレスト登頂ですが、やはり世界最高峰の山だけあって、登頂時の気象の急激な変化が発生していて、登頂家たちが次々に倒れていく様子は、山を甘く見ると痛い目に合うということを思い起こさせてくれます。それもアマチュア登頂家だけでなく、ツアーガイドですら倒れていくのですから、山の危険性をよく表した映画になっていると言えます。

 エベレスト登頂も、所々にワイヤーが貼ってあって登頂のガイドになっている場面や、酸素ボンベが用意されていて登頂家を助ける場面もあったりしますが、この作品ではそれらが尽きていて、登頂家の道筋を阻むところが、余計に怖い部分であると思います。ガイド役のロブですら、尽きたワイヤーガイドや酸素ボンベなどに苦しめられ、自身の命を失っていくのですから、余計に恐ろしさを感じる部分ではあります。

 物語でエベレスト山頂を目指すパーティの中に日本人のナンバヤスコという女性も登場しますが、彼女は世界中の山を制覇し、残るはエベレストだけというところまで来ているという設定になっています。しかし、彼女もエベレスト山頂には到達したものの、下山時の悪天候の中、命を落としていくのですから、心に重くのしかかる部分ではあると言えます。逆に登頂途中で視力不良に陥り止まっていたベックは、最後まで生き残り、無事下山するのですから、運命は分からないものだなと感じる次第です。

 映像はフルHDでの提供になりますが、解像度は申し分なく提供されています。エベレストの荘厳さがよく現れている映像を提供していると言えます。雪の白さは輝き、色乗りも十分な映像になっています。吹雪のシーンでの雪の映像は素晴らしいものであると言えます。音響はDOLBY ATMOSサウンドトラックでの提供であり、三次元サラウンドによる音響効果が、視聴者に襲い掛かる感触を表しています。吹雪のシーンでは、下から突き上げるような風の動きが感じられ、DOLBY ATMOSでの効果は抜群であると言えます。

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