GODZILLA(2014/Blu-ray 3D)
邦題 | GODZILLA ゴジラ | |
レーベル | WARNER HOME VIDEO | |
制作年度 | 2014年 | |
上演時間 | 123分 | |
監督 | ギャレス・エドワーズ | |
出演 | アーロン・テイラー=ジョンソン、渡辺謙、エリザベス・オルセン | |
画面 | 2.40:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 7.1ch 英語 DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語、スペイン語 |
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字幕 | 英語、フランス語、スペイン語 |
あらすじ
1999年のフィリピンで起きた天変地異の様子を、芹沢博士が研究に訪れる。最初は、放射能による爆発かと思われたが、クリーチャーの痕跡を発見し、芹沢博士は危惧する。その頃、日本では原子力発電所に勤めるジョーが、天変地異により原子力発電所を破壊され、妻を失い、失意に堕ちる。その15年後、ジョーの息子、フォードは軍隊にいたが、休暇をもらい、家族の元に帰る。そこに父であるジョーが逮捕されたという報を聞いて、日本に向かう。そして、ジョーがずっと研究していた資料を見せられる。それは原子力発電所の事故は天変地異ではなく、クリーチャーによるものであることが明らかになる。そして、その研究をしていた芹沢博士は、クリーチャーが蘇り、日本を破壊し、餌である放射能を求めて、ハワイ、ネバダと移動していく姿を見ることになる。そしてそのクリーチャー、ムトーを追って、伝説の怪獣ゴジラも動き出していた。
レビュー
1998年のローランド・エメリッヒの監督に続き、2度目のリメイクになるハリウッド版の「ゴジラ」が本作です。さすがに批判の多かったエメリッヒ版とは違って、もう少しまともな出来にはなっていて、BOX OFFICEのチャートもかなりのヒットを記録していますが、IMDbでの評価はあまり芳しいものではありません。
ゴジラといえば、基本放射能の影響により巨大化したクリーチャーであり、その設定は、核兵器の恐怖を体現したものであると言えるのですが、今作では、ちょっとその放射能の恐怖を、軽々しく扱っているような感じがして仕方ありません。
その最たるものが、日本の原子力発電所が、謎のクリーチャー(おそらくムトー)によって破壊される姿で、それは東日本大震災で放射能漏れを起こした、東京電力福島発電所のそれを、容易に想起させるものになっているような気がします。その壊滅ぶりが、あまりに軽々しい破壊の仕方で、ちょっと疑問を感じるところです。
その後の展開も、ハワイ、ネバダ、サンフランシスコと、舞台を変えてクリーチャーによる街の破壊を描いていきますが、あまりにあっさりと壊滅していくのと、そこに住む人間の恐怖感みたいなものがあまりうまい具合に表現されていないので、カタルシスのようなものが少々薄いかな、と思います。
また、ムトーとゴジラの対決も、なんか緊迫感がない気がします。物語後半のサンフランシスコでの戦いは、巨大クリーチャー同士の戦いが、テンポ悪く描かれているようで、見ていて最初の期待感が徐々に裏切られていくように感じます。
人間ドラマとして見ても、ちょっと薄いところがあるので、主人公に感情移入しにくいところはあります。伏線を張っているのかと思えば、それは放置されたり、脚本的に弱い感触を受けます。クリーチャー研究家の芹沢博士も、その存在感が今ひとつない感じを持ちました。芹沢博士の名は、たぶん東宝の初代「ゴジラ」に登場する芹沢博士の名から拝借したのだと思います。そういう気遣いがありながら、活躍の場があまりないのは、残念というしかありません。
あとCGの粗を見せなくする作戦だと思うのですが、ゴジラとムトーが暴れるシーンは、だいたい夜のシーンか、水を大量に使うシーンがほとんどで、映像として見づらかったのも、作品として評価を下げる一つだと思います。画面が暗いので、細部が見づらくなり、バトルシーンの迫力を削いでいる感じがします。
映像は3Dで、奥行き感はありますが、画面自身が暗いので、あまりよく見えないという弱点を持っています。クォリティが少し下がっていると感じます。しかし、その分音響はものすごいところがあります。重低音が鳴り響き、サラウンドも全開で、物語の迫力を一手に引き受けている感触を受けます。特に重低音の威力は、滅多に味わえないレベルまでいっていて、それが作品の出来を少し上げることに成功していると思います。
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