Gojira(GODZILLA)
邦題 | ゴジラ | |
レーベル | ClassicMedia | |
制作年度 | 1954年 | |
上演時間 | 97分 | |
監督 | 本多猪四郎 | |
出演 | 志村喬、河内桃子、宝田明、平田昭彦 | |
画面 | 1.33:1/スタンダード | |
音声 | DOLBY DIGITAL 2.0ch 日本語 | |
字幕 | 英語 |
あらすじ
太平洋で何隻もの船が沈没するという事件が勃発する。調査に当たった尾形と、博士である山根は、その後、島を破壊していたゴジラを発見し、その脅威に警鐘を鳴らす。対策本部が設置され、ゴジラを阻止しようとする日本国だったが、ゴジラの上陸を防げずに銀座が火の海と化す。山根の娘、恵美子は幼馴染の芹沢博士を訪れ、秘密兵器のオキシジェン・デストロイヤーの存在を知り、ゴジラを倒せることを知るが、芹沢博士はこの兵器を使うことにためらいを感じていた。果たして、ゴジラの襲撃を防げることができるのか。それは芹沢博士の気持ち一つにかかっていた。
レビュー
日本の映画会社である東宝のドル箱映画となって、後に何本ものシリーズが作られることになる怪獣映画「ゴジラ」の第一作目に当たるのがこの「ゴジラ」です。当時としては高水準の特撮技術が盛り込まれ、怪獣という空想の生き物を映像内で生き生きとさせる描き方をしています。
物語は、大国の水爆実験により生まれたゴジラの日本上陸による破壊と、芹沢博士の開発したオキシジェン・デストロイヤーによるゴジラ退治が物語の主軸となっています。当時大国の水爆実験が相次いで行われ、唯一の被爆国である日本にとって核兵器というのは一種のアレルギーとなっていました。この核実験により生まれた怪獣という設定が、物語にリアリティを持たせています。
しかし、観ていて思うのはゴジラのある種天災とでもいうべき存在にあるような気がします。設定上核兵器により生まれた怪獣ということですから、東京の破壊は一種の核攻撃とみなされてもいいのではないかと思うのですが、観ていてゴジラが神がかっているような感じがして、ある種の必然性を持たせているような気がします。
ゴジラが東京を破壊するのは、膨張した都市の破滅を見ているようで、観ていてある種の爽快感すら覚えます。この都市の破滅というのは、他の映画でもしばしば描かれるものですが、何か巨大なものに潰されたがっている欲求というものが見ている観客個々人にあるのではないかと思います。その願望をかなえてくれるのがゴジラというわけで、これがヒットした理由ではないかと思います。
物語後半になりますと、ゴジラをどうやって倒すかがテーマになってきますが、ここで登場する兵器は一種の核兵器と同じようなもので、一度使ってしまえば、後は歯止めがかからなくなるというテーマを包含しているように思います。芹沢博士が使用をためらい、最後には自分の身を犠牲にして兵器を使用するというのは、その歯止めをかかるようにするという意味合いを持たせているように思えます。
物語最後はゴジラの死によって完結をしますが、山根博士のつぶやいた「ゴジラは他にもいるかもしれない」という言葉通りにヒットした本作は、その後続編を次々と生み出し、次第に唯のヒーローものとしてそのテーマを失っていき、子供向けの映画として展開されていくことになります。
映像は、1954 年という時代背景もあって、モノクロの映像となっています。フィルム傷やごみが散見されますし、肝心のゴジラが出ているシーンは暗くて少々見えづらいという弱点もありますが、割とリマスターされているのではないかと思います。音響はモノラル音声を 2ch の中に収めたもので、太い感じのする音響となっています。ナローバンドで、台詞が聴き辛いところもあります。
コメント