INTO THE STORM(Blu-ray)/イントゥ・ザ・ストーム/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

INTO THE STORM(Blu-ray)

INTO THE STORM Blu-rayジャケット 邦題 イントゥ・ザ・ストーム
レーベル WARNER HOME VIDEO
制作年度 2014年
上演時間 89分
監督 スティーヴン・クエイル
出演 リチャード・アーミテージ、サラ・ウェイン・キャリーズ
マット・ウォルシュ
画面 1.85:1/アナモルフィック
音声 dts-HD MA 5.1ch 英語
DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語、スペイン語
字幕 英語、フランス語、スペイン語

あらすじ

ピートやアリソンは、竜巻の追跡者だった。しかし、なかなか竜巻の観測ができず、時間が経っていた。そんな中、テレビの天気予報で、シルヴァートンという街で大規模な竜巻が発生するという情報を耳にする。ピートらはシルヴァートンに移動し、竜巻を観測しようと試みる。そのシルヴァートンでは、高校の卒業式が開催されていた。その式典に出席していた教頭のゲイリーは、竜巻が近づいているのを確認する。式典を中止し、高校の建物内に入ったゲイリーたちは、竜巻に遭遇し、一難を過ぎる。しかし、息子であるドニーがいないことを知り、彼の行方を探す羽目になる。そのドニーは、ケイトリンという少女とともに、廃墟になっている工場で、ビデオ・タイムカプセルを撮影していたが、竜巻により、廃材とともに生き埋めになってしまう。

レビュー

1990年代の中盤に公開された「ツイスター」の二番煎じのような作品が、この「イントゥ・ザ・ストーム」です。2014年の夏に公開されましたが、北米地域だけでは制作費は回収できず、若干コケ気味の興行収入を残しています。

作品としては、複数の登場人物が、ビデオを使って、竜巻を撮影するというドキュメンタリータッチの雰囲気で、物語は進んでいきます。登場人物が多いのも特徴で、そのために登場人物が最初にカメラに映る際に、一々そのキャラの名前と、どういう位置付けにあるのか、という説明をしなければならないほどになっています。

そこが実はこの映画の欠陥であると思います。ドキュメンタリータッチにしたために、登場人物に感情移入しづらく、物語の主人公は誰なのかが非常に分かりにくくなっています。正確にいえば、この映画の主人公は誰でもなく、竜巻そのものが主人公であると言えるのですが、気象現象である竜巻を主人公にしたところで、感情移入できるはずもなく、物語が淡々と進んでいってしまうのは仕方ないことだと思います。

一応物語が進んでいき、画面から消えるキャラが整理されることによって、誰が物語で重要な位置付けにあるのかが、多少は分かります。高校の教頭であるゲイリーと息子のドニー、竜巻観測を行うピートと、アリソン、YouTuberであるリービス辺りがまあキャラとしては、重要な位置付けにあるとは思います。とはいえ、前述のように感情移入まではできないのは、キャラの描き方に不十分さを持っているからだと思います。

ドキュメンタリータッチと書きましたが、登場人物の大半がカメラを持って竜巻を撮影しているので、皆危険に対して危機感を持っていない感じがするのも、ちょっと難点かなと思います。竜巻に対して好奇心で向かって行っているかのような雰囲気を漂わせているのが、パニック映画としては、欠陥かなと思います。その辺の恐怖心がもっとあれば、出来は変わったかと思います。

その代わりに物語の主役であると言える、竜巻の描写は素晴らしいの一言につきます。5.1chサウンドトラックと、CGで生み出した映像が、シルヴァートンの街を破壊して行く様は、見ていて圧巻の一言であると思います。ただ、それも繰り返し登場するので、その度に規模が変わってはいても、次第に見慣れてきてしまうところもあります。どうしても竜巻といえば、強い風と巻き上げる力、その辺の破壊力辺りがメインになってしまうので、飽きる部分もあります。

映像はかなり鮮明で、色乗りも十分です。竜巻という映像の圧縮的には破綻しやすいシーンでも破綻せずにクリアな映像を届けているのは、見事だと思います。音響は前述のように5.1chのサラウンドが唸りまくり、重低音が響き渡ります。そういう意味では、サラウンドのデモ映画としては、お勧めしたい映画であると思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました