KICK-ASS(Blu-ray)/キック・アス/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

KICK-ASS(Blu-ray)

KICK-ASS Blu-rayジャケット 邦題 キック・アス
レーベル LIONS GATE HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2010年
上演時間 117分
監督 マシュー・ヴォーン
出演 アーロン・ジョンソン、クリストファー・ミンツ-プラッセ
マーク・ストロング
画面 2.40:1/アナモルフィック
音声 dts-HD Master Audio 7.1ch 英語
DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語
字幕 英語、スペイン語

あらすじ

アメコミを愛する高校生デイヴは、何を思ったか自らが正義のヒーローになろうと通販でコスチュームを買い、キック・アスと名乗って街の犯罪を退治することに動き出す。そして犯罪を防止した様子が動画に取られ、YouTubeで公開されたことで、一気に人気ものになる。しかし、アメコミのヒーローとは違い、知能も特殊能力も体力も財力もないデイヴはヒーローになるのに苦労する。そんな中、犯罪の帝王フランクの罠にはまって犯罪者の汚名を着せられた元警官デーモンが娘と共にデイヴに加担し、フランクの手下を退治する。そのことを知って激怒したフランクはキック・アスとデーモンの始末を決意する。

レビュー

予想外の人気作品になってしまった映画がこの「キック・アス」です。元々はアメコミの原作付きで、それの実写化という位置づけになっています。

アメコミのヒーローはこれまでにも沢山映画化されてきて、人気を博してきましたが、この作品が他のアメコミと違うところは、主人公がアメコミヒーローに憧れて、自ら傷だらけになりながらも悪と対峙するというそのシチュエーションにあるのではないかと思います。ただの高校生で、知力も特殊能力も体力もない、当然財力もあるわけではない主人公が、ただのあこがれからヒーローを演じる姿は見ていて微笑ましいところがあります。

しかし、この映画それだけなら単なる青春映画として語られそうなのですが、元警官デーモン扮するビッグ・ダディとその娘ヒット・ガールが搭乗する辺りからやたらバイオレンス色の強い映画に変身してしまいます。この二人、そもそもが危ない性格を持っていて、キック・アスの行動を知った辺りから彼を救援する感じで登場してくるのですが、マフィアのボス・フランクを倒すことを目標にしていて、とにかくやることが激しいのです。

特に観た者すべてが評価していたのがクロエ・グレース・モレッツが演じるヒット・ガールで、彼女の年に似合わないアクションの激しさは見ていてスカっとするものがあります。物語が途中からキック・アスではなくヒット・ガールが主役なのでは、と思わせる活躍を見せてくれます。

物語はキック・アスが最初の悪党との戦いで傷つき、回復してから再び悪党と対峙しネットに動画がアップされられ、一躍人気者になり、そしてフランクの手下の手によって生命の危機を迎えるところまで、どうなるのだという意外な展開で進んでいきますが、クライマックスはまさかの展開でやっぱり主役はキック・アスなんだよね、という納得の行くストーリーになっています。

登場人物としてはその他にもキック・アスと人気を二分するフランクの息子のレッド・ミストというヒーローも登場しますし、主人公デイヴはガール・フレンドを作ることができるし、とアメコミの定番を踏襲していて、それはそれで面白いところがあります。それにしてもやっぱりバイオレンス色の強くなる後半は、音響と伴って、すごい物語だなと思わせるところがあります。

映像は最近の公開映画ということもあり、素晴らしい色乗りと、立体感あふれる映像を提供しています。マスターの状態がいいせいか、フィルムのグレインが目立たず、綺麗な発色と解像度を提供しています。音響はdts-HD MA 7.1chを5.1chで再生しましたが、かなりサラウンドに音を振っていて、また音響のワイドレンジ感が素晴らしく、音に包み込まれる感覚が存分に味わえます。見事な音響効果だと感じる次第であります。

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