LAST ACTION HERO(Blu-ray)(VHS retro packaging)/ラスト・アクション・ヒーロー/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

LAST ACTION HERO(Blu-ray)(VHS retro packaging)

LAST ACTION HERO Blu-rayジャケット 邦題 ラスト・アクション・ヒーロー
レーベル MILL CREEK ENTERTAINMENT
制作年度 1993年
上演時間 130分
監督 ジョン・マクティアナン
出演 アーノルド・シュワルツェネッガー、F.マーレー・エイブラハム、オースティン・オブライエン
画面 2.40:1/アナモルフィック
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語
字幕

あらすじ

ダニー・マディガンという少年は、大の映画好きで、特にアーノルド・シュワルツェネッガーが主演を務める「ジャック・スレイター」シリーズの大ファンだった。学校の授業すらサボって映画を見ているダニーは、映画館の館主から深夜に「ジャック・スレイター」シリーズの最新作、「ジャック・スレイター4」のテスト上映をすることを教えてもらい、母親の言うことを守らずに、深夜に映画館に訪れる。館主から映画のチケットの半券をもらったダニーは、「ジャック・スレイター4」を楽しんでいたのだが、チケットの半券には魔法が仕掛けられていて、ダニーは映画の途中で映画の世界に飛び込んでしまう。映画の中のジャック・スレイターは、ダニーの存在を知らず、彼の知識を否定的に捉えていたが、次第に悪人との戦いの中、ダニーといいコンビになっていく。ジャック・スレイターの今回の敵は、ダニーの魔法のチケットを入手してしまい、現実世界に入り込んでしまう。そこで悪事を働く悪人、ベネディクトを追ってジャック・スレイターとダニーも現実世界にやってくるが、ジャックは自分がシュワルツェネッガーの演じるキャラであることを知り、動揺する。

レビュー

 1980年代後半から1990年代前半まで、ハリウッドの大スターに上り詰めたアーノルド・シュワルツェネッガーを主演において、おなじく「プレデター」、「ダイ・ハード」の大ヒットで高い評価を得たジョン・マクティアナンを監督に置いたスーパー・アクション・ムービーが、この「ラスト・アクション・ヒーロー」です。大人気スターとヒット作連発の監督を起用して、大ヒットを目論んだ作品ではありますが、1993年当時の劇場公開では同時期に公開された「ジュラシック・パーク」に惨敗し、映画の製作会社であるソニー・ピクチャーズの経営を傾けさせるほどの失敗作となっている作品でもあります。その失敗度合いは、現在でも語り草になっているほどです。

 物語は、映画好きの少年、ダニーが魔法のチケットのおかげで大好きなアクション映画「ジャック・スレイター4」の世界に入り込み、ヒーローであるジャック・スレイターとコンビを組んで、ジャックの命を狙う悪党と共に戦うという展開で、映画の中での映画で物語が進んでいくという、頭の痛い展開になっているのが面白いところであります。

 当然、ダニーは「ジャック・スレイター」シリーズをよく知っているので、映画の中に入り込んでからも、ジャックにあれこれと指示するのですが、当のジャックはそれを気にせず悪党と戦う、という主役がシュワルツェネッガーなのか、ダニー役のオースティン・オブライエンなのかよくわからない展開になっているのが、不評の原因かと思います。

 アクション映画てありますが、子供でも見られるようにレーティングを下げたために、アクションシーンが漫画のような展開なのも、この映画が正当な評価を受けられない原因であると思います。敵は倒れるが、血を出すこともなく、死者もコミック調なので、テンションは少々下がり気味です。

 映画の中の映画での展開ということもあってか、なぜかカメオ出演する俳優が豪華で、シャロン・ストーン、ロバート・パトリック、シルヴェスター・スタローンと笑っていいのかどうよく判断できない演出がされています。

 物語後半は、敵であるベネディクトがダニーの魔法のチケットを手に入れ、現実世界であるニューヨークに現れ、「ジャック・スレイター4」のプレミア上映で現れたシュワルツェネッガーを抹殺し、ジャック・スレイターそのものを消し去ろうとするところが、話をややこしくさせています。ジャックとシュワルツェネッガーという同じ俳優が二人揃ってカメラに写っているシーンは、ギャグかと思うほどです。

 ただ、改めて低い評価であることを知りながらこの作品を見ると、メタ世界での映画のあり方という設定そのものは悪くないのではないかと思います。アクションは決まりきっていますが、それなりにド派手ですし、音響効果も悪くないので、そこそこ楽しめる映画ではないかと思います。ヒットする要素は少ないですが、駄作とまではいかないのではと思います。

 映像は暗いシーンでのフィルムグレインが多いのと、ボケが結構目立つために、画質的には厳しいところがあると思います。明るいシーンでの解像度は悪くないのですが、暗いシーンが多いので、どうしても画質評価的には低い評価を与えてしまいます。音響もBlu-rayなのにDOLBY DIGITAL 5.1chというロッシーな音質ですので、プアな音質になっているかと思います。サラウンド感はかなりあり、ロスレス音声だったら文句もないのですが、ロッシーなためにそのサラウンド感が物足りない感じになっています。

 なお、この映画はソニー・ピクチャーズの映画ですので、過去にソニーからBlu-rayでリリースされていますが、今回はなぜかMill Creek Entertainmentという会社からVHSのジャケットを模したパッケージングでリリースされたものになろっています。権利関係がどうなっているのか、よくわかりませんが、画質や音響がプアなのは、Mill Creek Entertainmentが独自にオーサリングした関係もあるのかもしれません。

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