LOAD OF WAR
邦題 | ロード・オブ・ウォー | |
レーベル | LIONS GATE HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2005年 | |
上演時間 | 121分 | |
監督 | アンドリュー・ニコル | |
出演 | ニコラス・ケイジ、ジャレッド・レト、イーサン・ホーク | |
画面 | 1.78:1/アナモルフィック | |
音声 | DTS-ES 6.1ch 英語/ DOLBY DIGITAL 5.1ch-EX 英語 | |
字幕 | 英語、スペイン語 |
あらすじ
ウクライナ生まれの移民であるユーリーは、ふとしたきっかけで、武器商人となって世界中を駆け巡ることとなる。最初は弟と一緒に世界を巡っていたユーリーだったが、弟の麻薬中毒をきっかけに一人で武器を売り始める。エヴァと結婚し、子供も生まれたユーリーだったが、自らが武器商人であることを隠し、二重生活を送ることとなる。80 年代の冷戦時代を潜り抜け、90 年代のアフリカ内戦を彼は武器を売ることで生き延びていく。しかし、彼の元には、インターポールの執拗な追跡をはじめ、危機と隣りあわせだった。
レビュー
人気俳優であるニコラス・ケイジが武器商人に扮した映画がこの「ロード・オブ・ウォー」です。実話をベースにした作品ということで、80 年代の冷戦時代のことや、90 年代のアフリカ内戦を事実に基づいて描いています。
この映画の特徴は、普段描かれることのない武器商人を主人公に置いたところではないでしょうか。戦争の死の商人としての武器商人の存在は知られたものでありますが、それを詳細に描いた映画は、珍しいと思います。
物語は、主人公ユーリのモノローグで終始語られています。彼は、ウクライナ出身のアメリカ移民であり、最初は両親のレストランを手伝っています。しかし、レストランでの銃撃戦を目撃した彼は、次第に武器商人への道を歩んでいきます。
物語序盤では、彼と弟の武器を売って金を稼ぐ姿が描かれますが、途中で得たものが麻薬であったことから、運命が狂い始めます。ユーリの弟が麻薬中毒になってしまうのは、運命とは言うものの、なんともいえないものがあります。彼はリハビリセンターに 2 度も入所する羽目に陥ります。
物語中盤からは、家庭人と武器商人としてのユーリの二面性が描かれていきます。妻であるエヴァのアーティストの才能を応援しつつも、彼は武器商人として、莫大な利益を得ていきます。エヴァが、夫の稼ぎ方に疑問を挟まないのは、ちょっと謎ではありますが、これは、後半インターポールの執拗な追跡で正体がばれてしまうところから、意外と裏の側面に気付かないものなのかもしれません。
物語後半になりますと、アフリカの内戦に首を突っ込み、逃げられなくなっていく姿が描かれます。アメリカがアフリカ内戦に首を突っ込み泥沼化していった様に、ユーリも武器商人を辞めようとして辞められなくなっていきます。一度はエヴァとの約束で武器商人を辞めた彼は、アフリカの指導者の脅迫により、再び武器を売る羽目に陥っていきます。一度始めたことは、なかなか辞められないものなのかもしれません。
クライマックスでは、ユーリが、再び弟と組んで武器を売る姿が描かれますが、ここで、弟が怖気づいてしまい、ユーリが「武器を売った後のことは関知しないんだ」という台詞が印象に残ります。確かに武器のその後の使い方や、人の殺害に関していちいち気にしていたら、武器商人なんてやっていられないものなのかもしれません。
物語の冒頭と、ラストは、薬莢で埋め尽くされた地面の上に立ってユーリが視聴者に語りかけています。まさに死の商人といった雰囲気を漂わせていて、インパクトのある映像を提供しています。
画質は、フィルム調で、屋外のシーンが多いのか、少し赤みがかかっている感じがします。ユーリが夢でうなされるシーンは、青で統一されていて、印象に残る映像であります。劇場公開時は、2.35:1 のアスペクト比でしたが、この DVD は 1.78:1 のアスペクト比にリフィットされています。音響は、DTS-ES 6.1ch 音声を 2ch ステレオで聴きましたが、銃撃シーンなどで迫力のある音声を聞かせてくれます。しかし、物語としての展開ゆえに、あまり派手な演出はしていないような感じがします。
コメント