THE RING
邦題 | ザ・リング | |
レーベル | DREAMWORKS HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2002年 | |
上演時間 | 115分 | |
監督 | ゴア・ヴァービンスキー | |
出演 | ナオミ・ワッツ、マーティン・ヘンダーソン、ブライアン・コックス | |
画面 | 1.85:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語 DOLBY DIGITAL 2.0ch 英語 / DTS 5.1ch 英語 |
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字幕 | 英語、スペイン語、フランス語 |
あらすじ
レイチェル・ケラーは、親戚の死に不審を抱き調査を始めたところ、その死に謎のビデオテープが関係していることを知った。好奇心に駆られそのビデオテープを観てしまったレイチェルは、ビデオ鑑賞後かかってきた電話により、1 週間後の死を宣告される。恐怖に駆られながらのそのビデオテープの謎を解こうとするレイチェルだが、元夫のノアや、息子のアイダンもがそのビデオテープを観てしまう。果たしてそのビデオテープにはどんな秘密が隠されているのか。また、彼らは生き延びることが出来るのか。
レビュー
日本発のホラー小説および映画「リング」のアメリカ版リメイクがこの作品です。僕は原作小説も読んでませんし、日本版の映画も観ておりませんでしたので、比較は出来ないのですが、見終わった第一印象としては、面白かったというのが本音です。つまり元々の原作の質が高かった為、アメリカナイズされたリメイク版であってもその面白さが損なわれていないのではないかと思います。
何よりホラー映画の定石は外していないような気がするのですが、その小道具としてビデオテープが中心をなしているというのは現代的かな、という気がします。もっとも 2004 年の今見てしまいますとビデオテープよりは DVD のほうがリアリティあるような気もしますが、これは時代的な部分があると思いますので仕方のないことでしょう。
呪いのビデオテープを観たものは必ず 1 週間後に死ぬという設定も緊迫感を出していると思いますが、物語途中レイチェルらがそのビデオを解析しているとき、ビデオデッキのカウンターが故障するところなど、そのビデオテープの得体の知れなさがよく出ているな、という気がしました。
さらに物語途中から、字幕で「DAY1」、「DAY2」などとカウントダウンしているところも物語のスリル感を煽っているのではないかなという気がします。この手法は確かデヴィッド・フィンチャー監督の「セヴン」でも使われていたと思いますが、静かに字幕だけが出てくるだけに余計「どうなるのだろう」と物語に感情移入できるようになっているのではないかと思います。
物語を通じて雨のシーンや、水が出てくるシーンが多いな、というのも印象的です。呪いのビデオテープと水というのはそれなりの相関関係があるのですが、そうでなくても雨のシーンが多いというのはある種物語のトーンを整えようとした結果なのでしょうか。画面も色調が終始青みがかっていますし、色と水によって物語の冷たさ、というか怖さを引き出そうとしているようにも思えます。
ところで、タイトルの「THE RING」とは何を指しているのでしょう? この作品を見ている限りでは、今ひとつよく分からない部分がありますが、井戸の蓋が閉じられるときに一瞬見える光の輪、これがタイトルの意味を指しているのかな、という気がしています。特にその他にリングを彷彿させるものもないようですし。
画質は、前述のとおり終始青みがかったシーンが続きます。極稀に普通の色調に戻るのですが、そのときの画質はすばらしいものだと思います。DVD にしてはフィルム的な色調だな、という感じを受けました。サウンドはホラー映画にありがちなこけおどし的サラウンドではなく、静かなところが逆に不気味な印象を受けました。もちろん DTS で鑑賞していると全チャンネルを効果的に使っているなと思いますが、ちょっと普通のホラー映画のサウンドデザインではないな、と思います。また音楽を担当しているのが現代ハリウッド映画の御大、ハンス・ジマーなのもこけおどし的サウンドにならなかったひとつの要因かもしれません。
ところでこの DVD、いろいろ仕掛けがしてあって、メニュー画面がまず不気味な感じを出していますし、FBI の著作権についての警告画面自体も意図的に画面をぶれさせたりして映画を観る前から映画の雰囲気を出そうとしているところが面白いなと思いました。また、隠しコマンドで呪いのビデオテープの映像そのものが観ることができるのは悪趣味というかなんと言うか、です。
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