SON OF KONG
邦題 | コングの復讐 | |
レーベル | WARNER HOME VIDEO | |
制作年度 | 1933年 | |
上演時間 | 69分 | |
監督 | アーネスト・B.シュードサック | |
出演 | ロバート・アームストロング、ヘレン・マック、フランク・レイカー | |
画面 | 1.33:1/スタンダード | |
音声 | DOLBY DIGITAL 1.0ch 英語 | |
字幕 | 英語、フランス語、スペイン語 |
あらすじ
キング・コングをニューヨークで暴れさせられてしまったために、様々な人から追及を受けている興行師のデンハムは、キング・コングを捕まえたスカル島で、財宝が眠っていることを聞き、再びイーグルホーン船長とともにスカル島に赴く。その途中、動物の興行を行っているヘレンという若い女性と知り合ったデンハムは、同じく顔見知りのヘルストロム船長が酒の席でヘレンの父親を殺してしまったことを受けて、この二人も加えてスカル島に向かうことになる。しかし、船の船員の反乱を受け、デンハムと船長らは、スカル島に取り残される。スカル島にはコングの息子がおり、彼らを助けるが、突然の嵐に島が沈没してしまう。
レビュー
「キング・コング」が大ヒットしたことを受けて、急きょ制作されたのがこの「コングの復讐」です。邦題では「コングの復讐」となっていますが、原題は「コングの息子」であり、原題のほうが物語の雰囲気に合っているように思います。
物語としては、家族向けになっているような気がします。怪獣たちが登場するのは物語も後半になってからですが、スカル島の現地人との絡みもほとんどなく、よくは動きますが、あまり怖くはない怪獣たちを観ているとなんかほのぼのした感じがします。
興行師のデンハムがキング・コングの事件でいろいろ追われているというのは、設定としてそうだろうなとは思いますが、その彼がまた再びスカル島に赴くというのは、いくらスカル島に財宝が眠っているからとはいうものの、多少無理のある設定のような気がします。しかも方々から追われているのにあまり動揺もせず、きわめて快活な生き方に、おかしさすら覚えます。
今作のヒロインは、ヘレンという若い女性ですが、彼女がコングとどうにかなるというものでもなく、基本的にデンハムと行動を共にしてコングの息子にいろいろ助けられるというところがポイントで、デンハムの恋人っぽくなっているところがストーリーの胆のような気がします。「キング・コング」では、アンがキング・コングに恋されるという展開が美女と野獣っぽく感じられましたが、今作では特にそういう展開もなく、美人ではありますが、少し影が薄いかなという気もします。
デンハムと行動を共にするイーグルホーン船長とヘルストロム船長、中国人のチャーリーは、それなりにスポットライトが当たりますが、ヒロインのヘレン同様影が薄いなという気もします。ヘルストロム船長はヘレンの父を殺した犯人として、ヘレンから憎まれますが、最後は怪獣にやられてしまいますので、因果応報だよなという感じはします。
上映時間が短いのが物語の特徴ですが、テンポ的にはあまりいいものとは言えないと思います。後半のスカル島での怪獣の登場シーンは、見ごたえがありますが、前半パートはちょっととろい展開だなと思います。スカル島に行くまでの説得力を持たせなければいけないから仕方ないのですが、実際の上映時間よりも長く感じられます。
画質は、1933年のスタンダード、モノクロ画面で、シーンによってはフィルムグレインが強く、傷等も散見されます。また、モノクロの色調もセピア調になったり、少し緑がかったりとマスターの劣化が見られるところもありますが、特殊効果シーンは、意外と悪くないと言えます。音響はモノラル1.0chですが、思ったほどこもった音ではなく、聴きやすい音ではあると思います。セリフ中心の音響ですが、まずまずのレンジだと思います。
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