SPIDER-MAN:FAR FROM HOME(4K UHD Blu-ray)
邦題 | スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム | |
レーベル | SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2019年 | |
上演時間 | 129分 | |
監督 | ジョン・ワッツ | |
声の出演 | トム・ホランド、サミュエル・L.ジャクソン、ゼンデイヤ | |
画面 | 2.39:1/DOLBY VISION | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語 dts-HD MA 5.1ch ポルトガル語 / DOLBY DIGITAL 5.1ch チェコ語、フランス語、ヒンディ語、ハンガリア語、ポーランド語、スロヴァキア語、スペイン語、タミール語、テルグ語、タイ語、トルコ語 |
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字幕 | 英語、フランス語、ポルトガル語、スペイン語、アラビア語、ブルガリア語、広東語、クロアチア語、チェコ語、ギリシャ語、ヘブライ語、ハンガリアン語、アイスランド語、インドネシア語、北京語、韓国語、ポーランド語、ルーマニア語、セルビア語、スロヴァキア語、スロバニア語、タイ語、トルコ語 |
あらすじ
アベンジャーズの活躍により、サノスの指パッチンで消滅した人たちが、復活してきた。その復活から8ヶ月後、ピーター・パーカーは学校の友達たちと修学旅行にヨーロッパに出かける。5年の人々の消滅は、学校の運営にも影響を及ぼし、生き残った人は5年歳をとって進級していたが、チリとなっていた人は、5年間が失われたまま、また元の生活に戻っていた。そのピーター・パーカーにニック・フューリーから電話が入るが、ピーターは電話を取るのを拒みながらも、友達との修学旅行を楽しみにしていた。その修学旅行でMJにプレゼントを行い、愛の告白をしようとピーターは考えていた。しかし、辿り着いたベニスで、エレメンタルズと呼ばれる破壊者と、それを阻止しようとするミステリオという謎のヒーローに遭遇する。ピーターは、ニックに捕まり、ミステリオと面会する。ミステリオは本名をクエンティン・ベックと言い、今いる地球とは別次元の地球からやってきたこと、エレメンタルズと過去から戦い続けてきたことを話す。ピーターもその戦いに協力させられる羽目になって、エレメンタルズと戦いを挑むが、次第にクエンティンがトニー・スタークの跡を継ぐのに相応しい人物であると思い込み、トニーがピーターに残していったAI内蔵のメガネをクエンティンに渡してしまう。しかし、クエンティンは実はスーパーヒーローでもなんでもなくて、かつてトニーに裏切られた恨みを持つ男で、他の仲間とともにプロジェクターとドローンでミステリオとして戦っているふりをしていて、アベンジャーズの代わりの地位を確立しようとしていただけであった。ふとしたことから、クエンティンが演技をしていることに気づいたピーターは、クエンティンを止めようと動き出すが、彼の世界の中では無力だった。
レビュー
「アベンジャーズ/エンドゲーム」のその後の世界を描き、スパイダーマンの活躍を再び描き出したマーベル・シネマティック・ユニバースの第23作目にして、長かったフェイズ3の最終話に当たるのが、この「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」です。前作「スパイダーマン:ホームカミング」と同様にSONYとMARVEL STUDIOSが協力して映画を制作し、北米での映画興行収入は製作費を大幅に上回る成績を残しています。またRotten Tomatoesの映画評論家と観客ともにかなり高い評価をしていて、商業的にも成功を収めている作品であります。
「アベンジャーズ/エンドゲーム」が感動的なラストで終わったことに対し、この「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」は、意外と軽いノリのストーリーが展開されています。まるで「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」の後に「アントマン」が公開されたのと同じように、大作映画の後の清涼剤のような位置付けがなされています。基本はピーター・パーカーが友達と修学旅行にヨーロッパに行くのですが、そこで事件に巻き込まれる、という展開で、ピーターのスパイダーマンとして悪と戦いたくない、休みたい、という心理が随所に溢れています。
それを象徴するかのように、物語の大半はヨーロッパの観光名所がいくつも現れ、しかも旅行会社の好意(と言っていいのかは分かりませんが)でアップグレードしたからと、オペラのチケットをもらったり、行き先を変更したりと、結構いい加減な旅行になっています。そこでピーターは好意を寄せているMJに対して愛の告白をしようと色々考えるのですが、実はMJ自身がピーターはスパイダーマンであるということを見抜き切っていて、それを告白されたときのピーターの慌てぶりと言ったらなかったです。ただ、MJ自身もピーターに好意を寄せているので、二人にとってはいい思い出になったのではないかと思います。その一方で友人のネッドが旅行中少女と恋に落ち、旅行が終わると恋も終わるというのは、笑える展開であります。
今回、物語冒頭でメキシコが登場し、そこでニック・フューリーが街が破壊されているのを確認しますが、それを行なっていたのがエレメンタルズという生命体で、それと戦うのがミステリオことクエンティン・ベックであることが明らかにされます。クエンティンは、別の次元の地球からエレメンタルズを追って舞台になっている地球にやってきたと話しますが、実はクエンティンはスーパーヒーローでもなんでもなくて、かつてトニー・スタークに裏切られた男がプロジェクターとドローンを使って、自身がヒーローであるかのような演出をしているだけであることが明らかにされます。マーベル・シネマティック・ユニバースでは、結構トニーの性格により敵になるキャラが多いですが、トニー亡き後もまだトニーに恨みを持つキャラが登場し、トニーを師と仰ぐピーターと対立する様は、トニー・スターク自身の性格に問題があると言わざるを得ません。
そのトニーにピーターは、AI内蔵のメガネを渡しますが、ピーターの自信のなさから、ピーターはメガネをクエンティンに渡してしまい、クエンティンの野望に一歩近づくことになってしまいます。クエンティンはアベンジャーズの代わりに世界の注目を集めることが目的で、そのためにトニーの眼鏡が持つ力をフルに活用して、ロンドンを破壊しようとするのですが、最終的にトニーのフォローをしていたハッピーに助けられ、クエンティンに相対することになったピーターによって、その企みは阻止されることになります。
このマーベル・シネマティック・ユニバース版の「スパイダーマン」は、ピーター・パーカーがスパイダーマンであることを知っている人たちが数多く出てきますが、おまけ映像で死ぬ前のクエンティンによって、世界中にピーター・パーカーがスパイダーマンであることをバラされ、この先どうなるのか、という謎を残して物語は終わります。SONYとMARVEL STUDIOSの共同制作による「スパイダーマン」は第3作目も製作されているので、この辺は気になるところです。また、もう一つのおまけ映像では、地球にいたニック・フューリーとマリア・ヒルが実はスクラル人のシェイプシフトであり、ニックは宇宙船の中にいたというまた謎を残しています。
映像は4K/DOLBY VISIONで収録されています。マスターフォーマットは2Kですので、4K UHD Blu-rayはアップスケールの4Kになります。解像度には不満はありません。夜のシーンでは暗部階調がよく出ていて、また色彩が多彩で、映像に見惚れるところはあります。音響はDOLBY ATMOSです。効果的なオブジェクトオーディオで、クエンティンの作り出すプロジェクターの映像のシーンでは、頭上からミステリオの声が聞こえるなど、インパクトのあるサラウンドを作り出しています。
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