STAR WARS:THE RISE OF SKYWALKER(4K UHD Blu-ray UK)
No Image | 邦題 | スター・ウォーズ:スカイウォーカーの夜明け |
レーベル | BUENA VISTA HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2019年 | |
上演時間 | 142分 | |
監督 | J・J・エイブラムス | |
出演 | キャリー・フィッシャー、マーク・ハミル、アダム・ドライヴァー | |
画面 | 2.39:1/HDR10 | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語 / DOLBY DIGITAL PLUS 7.1ch ドイツ語、イタリア語、フランス語 | |
字幕 | 英語、ドイツ語、イタリア語、フランス語 |
あらすじ
反乱軍は、シスの暗黒卿、パルパティーンが復活したという情報を得た。レイアはパルパティーン復活の情報の真偽を確かめるため、スパイをファースト・オーダーに送り込んでいた。そのスパイからの情報によると、宇宙に二つしかないウェイファインダーがパルパティーンのいる場所を探し当てられるという。そのうちの一つはカイロ・レンが所有していて、カイロ・レンはパルパティーンに接触していた。しかし、パルパティーンはカイロ・レンに関心はなく、レイに関心を持っていた。反乱軍にいるレイは、パルパティーンと深い関係があったのである。レイは、ポーやフィンと共にウェイファインダーを探して宇宙を駆け巡るが、行く先々でファースト・オーダーとカイロ・レンが待ち受けていた。そして、次第にレイの出生の秘密が明らかになっていく。そして、カイロ・レンにも心境の変化が現れていく。反乱軍とファースト・オーダーとの戦いは終局を迎え、レイはパルパティーンと対峙する。
レビュー
2017年の「スター・ウォーズ:最後のジェダイ」がファンの間で否定的評価を得てしまい、また、ストーリー的にも話の展開が飛びすぎでどうシリーズの終局を迎えるのか気になりましたが、監督に「スター・ウォーズ:フォースの覚醒」のJ・J・エイブラムスを再度起用し、話をなんとかまとめ上げたのが、この「スター・ウォーズ:スカイウォーカーの夜明け」です。興行収入的には成功を収めましたが、「スター・ウォーズ:フォースの覚醒」ほどのヒットには恵まれず、批評家からの評価は悪く、ファンからもそんなに高い評価は得られていない作品になっています。今回、「スター・ウォーズ:スカイウォーカー・サーガ」という9作品のボックスセットを入手し、それを鑑賞しています。
前作「スター・ウォーズ:最後のジェダイ」で、ファースト・オーダーのリーダーであるスノークを殺してしまったり、フィンとローズの恋愛模様を描いたりと話を飛びすぎにまとめたことで、続三部作の最終章である「スター・ウォーズ:スカイウォーカーの夜明け」ではその落ちにどう結末をつけるのかが気になりましたが、J・J・エイブラムスはかなり強引に広げた風呂敷を畳むことで、なんとか話が落ち着いた印象があります。しかし、そのために「スター・ウォーズ:ジェダイの帰還」で死んだはずのシスの暗黒卿パルパティーンをまたクローンという設定ながら復活せざるを得なかったことで、話の無理を感じ取ることができます。
また、「スター・ウォーズ:最後のジェダイ」の撮影後に死去してしまったキャリー・フィッシャーが演じるレイアを登場させるために、「スター・ウォーズ:フォースの覚醒」と「スター・ウォーズ:最後のジェダイ」の未使用フッテージを使って、話を展開させざるを得なかったことも、無理な展開になっている要因の一つではないかと思います。そのレイアがレイを信じ、ジェダイの騎士にしようと信頼する姿は、まさに「スカイウォーカーの夜明け」であると言えるでしょう。
そのレイの出生の秘密が本作で明らかになり、パルパティーンとの関係性も明確になりますが、多分元々のあらすじではパルパティーンは登場せず、レイの出生の秘密は別のところにあったのではないかという気がしてなりません。パルパティーンが復活してしまったことで、レイとの関係性を強めるつもりで設定が変わったのだと思っていますが、この設定は余計な部分に感じてなりません。レイがジェダイの騎士になるかならないかと同じぐらいにパルパティーンとの関係は重要な展開になっています。
「スター・ウォーズ:最後のジェダイ」でフィンと共に活動し、恋愛関係を持ち込んだローズは、今作では出番がほとんどなく、セリフも僅かで登場場面があまりありません。ファンからの酷評を受けてそういう設定に変えざるを得なかったのだと思います。とにかく、この「スカイウォーカーの夜明け」は、「最後のジェダイ」の広げ過ぎた風呂敷を回収するだけで精一杯という感じで、話のテンポはあまり芳しいものではないといえます。
この「スカイウォーカーの夜明け」はレイとカイロ・レンの関係が重要視された結果、反乱軍のポーやフィンといったキャラへの焦点がぼやけているように感じます。本来レイ、ポー、フィンのトリオがハーモニーを奏でるところなのでしょうが、ダークサイドに落ちたカイロ・レンがどうレイと折り合い、ライトサイドに戻ってくるかが焦点になってしまい、その他のキャラは本当にその他のキャラという扱いになっています。それも物語の欠点であるといえます。
ただ、ラストのパルパティーンとレイの戦いは、過去に登場したジェダイの騎士、ヨーダ、クワイ=ガン・ジン、オビ=ワン・ケノービ、メイス・ウイドゥ、ルーク、アナキンといった面々がセリフだけながら登場し、レイに激励の言葉をかけていくところは感動的ではあります。パルパティーンを自身の力で倒せば、自身がダークサイドに落ちてしまうという展開の中、どうパルパティーンを倒すのかが物語の肝であり、そこだけは見栄えがします。そして、最後にレイが自分の名前を言うシーンでは、「スカイウォーカーの夜明け」と言うサブタイトルが生きていると思います。
映像は4K/HDRで収録されています。KODAKのフィルムで撮影された、と言うエンドクレジット通りにフィルム撮影されているので、4K UHD Blu-rayは4Kネイティヴで収録されており、高い解像度と、カラフルな色彩を放っています。今作では暗いシーンが多いのですが、その明暗も結構しっかり描き出しているところがあります。音響はDOLBY ATMOSで収録されており、空間の再現性と宇宙船の移動感、ライトセーバーの唸り音などデイマーシヴな音響効果を発揮しているといえます。
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