STAR TREK II:THE WRATH OF KHAN-THE DIRECTOR’S EDITION/スタートレック2:カーンの逆襲-ディレクターズ・エディション/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

STAR TREK II:THE WRATH OF KHAN-THE DIRECTOR’S EDITION

STAR TREK II:THE WRATH OF KHAN DVDジャケット 邦題 スタートレック2:カーンの逆襲-ディレクターズ・エディション
レーベル PARAMOUNT HOME ENTERTAINMENT
制作年度 1982年
上演時間 116分
監督 ニコラス・メイヤー
出演 ウイリアム・シャトナー、レナード・ニモイ、リカルド・モンタルバン
画面 2.40:1/アナモルフィック
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語
DOLBY DIGITAL STEREO フランス語
字幕 英語

あらすじ

時に 23 世紀、ジェネシス計画(テラフォーミング技術)のためにセティ・アルファ V 号星を調査中の宇宙艦リライアント。副長のチェコフはこの星で、かつてカーク船長によって追放された優性人類(遺伝子操作された人間)のカーンと遭遇する。カークに追放され、その後多くの困難に見舞われたカーンはカークに対して復讐をすべく、リライアントの乗っ取りと、ジェネシス計画の奪取をもくろむ…。

レビュー

おなじみスタートレックシリーズの劇場版第二作です。今回のエピソードは、オリジナル TV シリーズの 1 エピソード「宇宙の帝王(SPACE SEED)」の正当な続編となっています。現実世界の時間経過と同様の時間経過(およそ 15 年)を作品に盛り込むことにより、ファンにとってより真実味のある展開になっています。

では、ファンではない人がこの作品を観てもつまらないか、というとそうではないと思います。作品中必要な解説が登場人物の台詞などで語られたりしておりますし、物語自体のテンシヨンが非常に高いため、ファンではない人が観ても十分に楽しめるのではないかと思います。ただ、基本が 1966 − 1969 年の 3 年に渡って TV 放映されたオリジナルシリーズでの設定をベースとしていますので、こちらを観ている方がより感情移入しやすいのは確かです。

この作品、物語の後半で息詰まる宇宙艦同士のドッグファイトが観ることができ、良質の潜水艦物を観ているような気分になりますが(一説には故・淀川長治さんもこの作品を観て異常に興奮していた、という話もあるようです)、その一方で人が老いていく、ということ、また何かを失っていく、ということについて観客に問いを投げかけております。今回観賞した DVD は劇場版よりも 3 分ほど長くなっている再編集版ですが、追加シーンがその辺りを強調しているように思えます。そもそもスタートレックシリーズの素晴らしいところは、生きることとはなんなのか? という根源的な疑問を繰り返し様々なアプローチで問いかけてくるところにあると思うのですが、この作品も2時間という限られた時間枠の中でそうした疑問の提示をしてきております。

脚本家のジョン・ローガンは、「スタートレック:ネメシス」でこの作品にオマージュをささげておりますが、残念なことにアクションに比重の重きを置いてしまい、その辺の問いがあまりなされていないのが残念といえば残念です。(正確にはアクションに比重を置いたのはジョン・ローガンではなく、監督のスチュワート・ベアードなんですけど)

その他目に付いたところといえば、エンタープライズの巨大さを強調するかのようなカメラアングルが印象的です。手元にオリジナル劇場版の レーザーディスク がありませんので確認できませんが、多分今回追加されたのではないかな、と思います。

映像クオリティはリマスタリングされているだけあって 80 年代前半の作品としてはきれいな映像です。もちろんいかにも 80 年代、というような色調ではありますが。多分フィルムの性能なのではないかな、と思います。音響も、オリジナルの DOLBY STEREO を 5.1ch にリマスタリングしたため、現在のサウンドと比較すると見劣りしますが、全チャンネルに音を振り分けるミックスを行っているために結構楽しめます。

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