STAR TREK III:THE SEARCH FOR SPOCK
邦題 | スタートレック3:ミスター・スポックを探せ! | |
レーベル | PARAMOUNT HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 1984年 | |
上演時間 | 105分 | |
監督 | レナード・ニモイ | |
出演 | ウイリアム・シャトナー、デフォレスト・ケリー | |
画面 | 2.40:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 DOLBY DIGITAL 2ch 英語、フランス語 |
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字幕 | 英語 |
あらすじ
話は前作「カーンの逆襲」から引き続く。前作ラストで誕生した惑星ジェネシスの調査のため、科学調査艦グリッソムはジェネシスに向かっていた。ジェネシスで謎の生命体のエネルギーを感知したグリッソムはカークの息子デビッドと、ヴァルカン人サーヴィックを調査に送る。一方ダメージを受けたエンタープライズはスペースステーションに帰還。ここでエンタープライズ廃艦の決定を受ける。そんな状況の中スポックの父、サレクがカークの元を訪れ「なぜ息子を置き去りにしたのだ」と詰め寄る。サレクによれば、スポックの肉体は死んでも精神は誰かに引き継がれているはずだという。そのスポックの精神はドクター・マッコイの精神と融合していた。引き離されたスポックの肉体と精神を融合させ、死後の世界に送るためカークは惑星連邦の命令を無視し、再びエンタープライズで惑星ジェネシスへ向かうが、このときジェネシス計画の存在を知ったクリンゴンがジェネシス装置の奪還を狙ってカークたちの前に立ちふさがる…。
レビュー
映画版の第三作目で、前作「カーンの逆襲」の完全な続編となります。そのため、前作を見ていない観客には不親切とも言えるストーリー展開が待っています。もちろん前作を見ていない方のために多少の説明や、前作の映像が入っていますのでまったくストーリーが分からないということはありませんが、基本的にはスタートレックファンのための作品、というがこの作品の位置づけとしては正しいのではないでしょうか。
ストーリーはただ一点、「死んだはずのミスター・スポックがどうなったのか」という点だけで引っ張っていきますので物語に深みがないのも残念ではあります。またそのために話の展開に多少無茶な点があり、それが作品の質を落としてしまっているともいえます。
もっともストーリーのつじつまあわせのために描かれたカークの息子であるデビッドの死が後々(六作目で)大きな意味を持ってくるのでこの作品単独だけで語ることはできないのですが、もともとカークに息子がいた、という設定自体前作で突然出てきたものですから、彼の死に感情移入しにくい面を持っているといえるでしょう。ただし、そのあたりでのカークに扮するウィリアム・シャトナーの演技には目を見張るものがあり、その感情移入のしにくささをカバーしているといえます。(ちなみに元々の TV シリーズでは視聴率アップのためにカークはあちらこちらで様々な異星人とアバンチュールを楽しむ「女ったらし」のイメージを植えつけられてしまったため、どうも子供がいる、という設定自体が不自然さを感じるのですが。)
もうひとつ残念な点を挙げると、ヴァルカン人サーヴィックを演じた女優さんが前作の女優さんと異なっている点です。何でも前作の女優さんと制作陣がもめたため今回の方に変更になったそうなのですが、前作の美人だが冷たい感じのする女優さんに比べると今回の女優さんは女性らしいやわらかさが出てしまっていてヴァルカン人らしくないイメージを感じてしまいます。この辺はかなりの違和感を感じるところです。
メカファンからすると、今回は後々のシリーズでもお目にかかることになる連邦宇宙艦のエクセルシオールと、クリンゴン艦のバード・オブ・プレイが初登場しています。どちらも宇宙艦もなかなか美しいデザインをしておりますので、お気に入りの宇宙艦といえるでしょう。
また、今回作品を象徴する宇宙艦エンタープライズが自爆するシーンもあるため、ファンには十分楽しめると思います。やはり前述のようにスタートレックファンのための作品だといえるでしょう。
画質はかなりフィルムの雰囲気を残した画調となっています。最近の作品ですとフィルムの質が向上したためか、まるでビデオ映像と見間違うかのようなクリアな映像を見せる作品も多いですが、さすがに 1984 年の作品ということで当時のフィルムの質を思い起こさせる色合いをしています。ただし画面自体はかなりクリアな映像だとは思いますが。サウンドは 5.1ch にリミックスされていますが、どちらかというと元々の DOLBY STEREO 4.0ch の音の鳴り方に近い気がします。それはリアチャンネルのセパレーションがなんとなくですが 5.1ch ぽくない感じがするからです。と入ってもリアにもちゃんと音は回っていますからさほど不満は感じないのですが。
なお、「カーンの逆襲」から始まったシリーズはこの後第四作目の「故郷への長い道」まで続いていくことになります。ファンの間では「ジェネシス三部作」とか呼ばれているようです。
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