SUPERMAN II:THE RICHARD DONNER CUT
邦題 | スーパーマン II/冒険篇 リチャード・ドナー・カット版 | |
レーベル | WARNER HOME VIDEO | |
制作年度 | 2006年 | |
上演時間 | 116分 | |
監督 | リチャード・ドナー | |
出演 | ジーン・ハックマン、クリストファー・リーヴ、マーロン・ブランド | |
画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 | |
字幕 | 英語、フランス語、スペイン語 |
あらすじ
レックス・ルーサーがカリフォルニアの獲得に使おうとした核ミサイルを宇宙に放り出したスーパーマンだったが、そのミサイルの爆発の衝撃で、クリプトン星で永久追放になっていたゾッド将軍らが、解放されてしまう。ゾッド将軍らは、アメリカを支配の配下に置こうと画策し、地球にやってくる。スーパーマンと同じ能力を持つゾッド将軍らは、アメリカ合衆国大統領をも支配し、スーパーマンを挑発する。その頃クラーク・ケントことスーパーマンは、ロイス・レーンに正体を明らかにされ、人間としてロイスとともに生きようと決意をし、その能力を失う手続きをする。しかし、ゾッド将軍らの行為に気づいたスーパーマンは、再び能力を回復して立ち向かおうとする。
レビュー
2006年にようやく製作された「スーパーマン・リターンズ」と、そのDVD商品化の目玉として、新たに製作されたのがこの「スーパーマンII/冒険篇 リチャード・ドナー・カット版」です。元々「スーパーマンII」は、第1作目と同時進行で製作され、リチャード・ドナーの監督の下で公開される予定でしたが、製作者であるイリヤ・サルキンドとギャラを巡って紛糾し、リチャード・ドナーが途中降板してしまったために、監督がリチャード・レスターに変わって完成したものです。今回のリチャード・ドナー・カット版により、本来の「スーパーマンII」を楽しむことができるという仕掛けになっています。
オープニングからしてリチャード・レスター版と違い、前作のハイライトを活用しながら、ゾッド将軍ら3人の犯罪者がどうして解放され、地球を支配しようとしていくかが明確にされています。そしてクレジットは興奮を呼び起こすサウンドとクレジットになっています。
物語的に劇場公開版よりも短縮されているせいか、緊迫感が違い、ゾッド将軍らの強大さが、劇場公開版よりも強くなっているような気がします。当然未使用カットがふんだんにあるということもあるのですが、スーパーマンと同等の能力を持つ犯罪者が3人もいるということで、スーパーマンがどう戦っていくかが物語の胆になります。
スーパーマンとロイスとの恋愛話が大幅に違い、冒頭で新聞の写真からロイスがクラークのことをスーパーマンではと疑う場面があるなど、よりこの二人の恋愛話が深まっているかと思います。スーパーマンの秘密基地での二人のラブシーンは、それをより強く感じさせるものになっているかと思います。
後半のゾッド将軍とスーパーマンのメトロポリス市街での戦いは、一部シーンでSFXの合成が未完成なところもありますが、劇場公開版よりも迫力ある仕上がりになっています。街のランドマークがいろいろ壊される様は、観ていて興奮を感じるところであります。それでもスーパーマンがゾッド将軍に敵わずに一旦退却するシーンは、「スーパーマン、どうするのだ?」とハラハラさせるところでもあります。
レックス・ルーサーの存在もこのリチャード・ドナー・カット版では劇場公開版と違い、よりゾッド将軍に協力して自分の野望を果たそうとする腹黒いところを見せています。劇場公開版では狂言回しの部分はありましたが、今作では犯罪者の匂いが強くなっています。
画質は残念ながら結構荒いです。映画冒頭のクレジットにあるように、再編集にあたって未使用カットや、テストカットなどのフィルムを使用しているために、どうしても元素材自体が荒れた状態になっているのだと思います。きれいなシーンもありますが、全般的には不満の残る映像です。サウンドは5.1chサウンドにリミックスされていて、ナローレンジですが、サラウンドチャンネルを有効活用した臨場感あふれる音場を作り出しています。
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