SUPERMAN IV:THE QUEST FOR PEACE/スーパーマン 4/最強の敵/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

SUPERMAN IV:THE QUEST FOR PEACE

SUPERMAN THE MOVIE DVDジャケット 邦題 スーパーマン 4/最強の敵
レーベル WARNER HOME VIDEO
制作年度 1987年
上演時間 90分
監督 シドニー・J.フューリー
出演 クリストファー・リーヴ、ジーン・ハックマン、マーゴット・キダー
画面 2.35:1/アナモルフィック
音声 DOLBY DIGITAL 2.0ch 英語、フランス語
字幕 英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語

あらすじ

  刑に服していたレックス・ルーサーは甥の助けを借りて労働刑務所から脱出をする。ルーサーは再びスーパーマンを倒して自分の王国を作ろうと画策する。それはスーパーマンの髪の毛から遺伝子操作でスーパーマンとうり二つの能力を持つ超人を生み出そうとするものだった。折から世界各国のサミットが決裂し、その核国の協調をとるためにスーパーマンは核ミサイルを集めて太陽に処分していた。その核ミサイルの一つにルーサーは超人を生み出すデバイスを取り付け、スーパーマンの核ミサイルの処理を利用して超人ニュークリアマンを作り出す。ニュークリアマンは、スーパーマンを倒すべく、世界中で災害を巻き起こす。スーパーマンはそれに対するのだったが、ニュークリアマンの力は強大だった。

レビュー

 スーパーマンを演じているクリストファー・リーヴがストーリーに参画して作られたシリーズ第4作目がこの「スーパーマン4/最強の敵」です。前3作とは製作者が異なっており、物語のテイストがかなり異なっています。

 物語の出来としてはかなり悪いものと思わざるを得ません。スーパーマンの超人的な力が過小評価されてしまっているかのような展開にはがっかりせずにはいられません。最強の敵と称されるニュークリアマンの能力が見た目そんなに強そうに思えないのもその一因かと思います。

 ニュークリアマンが知能があればそれなりに面白い展開だったのかもしれませんが、知能はなさそうな感じなのもこの作品の出来の悪さを感じさせる要因かと思います。ただ、太陽の光を浴びるとスパークがピカピカ光るというだけの存在で、悪役としての魅力に欠けるというのが正直なところです。そんな彼に苦闘するスーパーマンもちょっと不満を感じ、ヒーロー映画としてのカタルシスに欠けているというのが本音です。

 本作でデイリー・プラネット新聞社が実業家に買収され、その娘が新聞社の編集局長となって、ロイスとクラーク/スーパーマンを巡って丁々発止の恋のさや当てを行っていますが、これも型通りの展開だなと思わせる部分が多々あり、二人がクラークとスーパーマンにそれぞれ会うところでのクラーク/スーパーマンの入れ代わり立ち代わりには失笑を感じさせるところです。

 本作で製作者側が言いたかったのは核の脅威に対し、人類が成長しなければならないという点ではないかと思います。それはサミットの決別によって、各国が険悪な状態になる中、スーパーマンの提案により核ミサイルを太陽に処分するという点と、その核ミサイルと太陽のエネルギーから生み出されたニュークリアマンの強力さに現されているように感じます。それにしては物語的に格調がないのが残念です。

 スーパーマン最強の敵は本来レックス・ルーサーなのではないかと思うのですが、第1作目、第2作目に比べてもジーン・ハックマン演じるルーサーのキャラがよりコミカルになってしまっているのも残念な点です。この辺がもっと重厚な感じを出していれば、多少はよくなったのかもしれません。

 画質はDVDで、1987年という時代を考えても、ちょっとよくないような感じがします。色乗りがちょっと足りないかなという感じと、時代を感じさせらる雰囲気を持った画調をしています。シーンによっては特撮の粗がはっきりしてしまい、興醒めするところが多々あります。音響はDOLBY DIGITAL 2.0chのDOLBY SURROUNDで、限定的ながらサラウンドはしています。ただ、当時の音響設備を再現しているようで、ナローレンジです。リアは特にそれを感じます。

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