TAKEN 3(Blu-ray)
邦題 | 96時間/レクイエム | |
レーベル | 20th CENTURY FOX HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2015年 | |
上演時間 | 109分(UNRATED CUT) | |
監督 | オリヴィエ・メガトン | |
出演 | リーアム・ニーソン、ファムケ・ヤンセン、フォレスト・ウィテカー | |
画面 | 2.39:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語 DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語、スペイン語 |
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字幕 | 英語、スペイン語 |
あらすじ
元CIA工作員のブライアン・ミルズは、別れた妻の相談を受けていた。今の夫との関係について、悩んでいたのである。その元妻であるレノーアが、何者かに殺される。しかし、その遺体を発見したブライアンは、警察からレノーア殺害の容疑をかけられてしまう。警察による逮捕から脱出したブライアンは、事件の真相を探り、レノーア殺害犯人と、愛する娘であるキムの生命の確保のため、密かに情報を収集し、犯人を見つけるために行動する。しかし、警察のドッツラー捜査官は、ブライアン逮捕に向けて、次々に警察の配備をしていく。ブライアンは、独自の調査の結果、ロシアンマフィアが事件に絡んでいることを知るが、その裏には、まだ驚愕の真相が隠れていた。
レビュー
戦う無敵のお父さん、ブライアン・ミルズが活躍をするアクション映画「96時間」のシリーズ第3段に当たるのが、この「96時間/レクイエム」です。シリーズ物ではありますが、ブライアンが戦う相手が、前2作と違って、全く独自の展開になっているのが特徴です。ただ、興行収入的には成功せず、失敗作とみなされています。
今回は、前2作の敵と違って、ロシアンマフィアが背後に隠れている、という設定になっています。それどころか、驚愕の犯人が、ブライアンをはめる、という展開になっていますが、前2作が共通の敵になっていたのに比べると、少々分かりづらい犯人になっていると思います。そのせいかもしれませんが、話的にあまり面白みがない、という感触を感じました。
ブライアンと元妻であるレノーアの関係が、修復されつつあるところに、レノーアが何者かに殺され、それを発見したブライアンが、同時に居合わせた警察によって容疑者にされ、そこから逃走する、という展開は、ブライアンが警察に追われつつ、真犯人を探る、という二重の追いかけ、追いかけられ、という面白みに繋がると思うのですが、それがあまり機能していないような気がします。
それは、犯人であるロシアンマフィアの存在感の無さと、真犯人の平々凡々な存在感が、ブライアンの敵として、いまひとつ強大に見えないところによる、物足りなさを感じるところでもあります。犯人が強大ならば、ブライアンの無敵ぶりも面白く感じるのですが、それがあまり出ていないため、ブライアンが強く見えない、という欠点につながっています。
警察もドッツラー捜査官は存在感を出していますが、その部下の立ち位置が魅力的に見えないため、なんかロシアンマフィアと同じ立ち位置になってしまい、ブライアンの危機感を出し切れないでいるところに、物語の欠陥を出していると思います。警察に一度は捕まったブライアンが逃走する場面でも、カメラのショットが素早く切り替わるのはいいのですが、そのために誰が追いかけ、誰が逃走しているのか、分かりづらいため、緊迫感を出し切れていない感じを持ちました。
全体的に物語のテンションが低い感じで、ブライアンのアクションも抑えめな感じがし、アクション映画ならではの爽快感に欠ける、というのが、今作の印象です。とにかく、登場人物の存在感の無さが、印象を弱くし、誰がどう動いているのか、よくわからないところがあり、それがテンションを下げている要因かと思います。
映像は、色乗りがカラフルで、魅力的な色彩を放っています。色温度が低いのか、暖色系のホワイトバランスを取っていて、フィムルの感触が強く出ていると思います。音響はdts-HD MA 5.1chですが、自然なサラウンドを提供しています。誇張されたサラウンドではありませんが、アクションシーンでは、それなりに音響効果があり、映画の面白さは十分にカバーされていると思います。
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