THE DAY THE EARTH STOOD STILL
邦題 | 地球が静止する日 | |
レーベル | 20th CENTURY FOX HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2008年 | |
上演時間 | 104分 | |
監督 | スコット・デリクソン | |
出演 | キアヌ・リーヴス、ジェニファー・コネリー、ジェイデン・スミス | |
画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 DOLBY DIGITAL 2.0ch フランス語、スペイン語 |
|
字幕 | 英語、スペイン語 |
あらすじ
博士であるヘレンは、ある日国家安全保障局に無理矢理出頭を命じられる。センターに連れて行かれたヘレンは他の学者とともにブリーフィングを受け、正体不明の物体が地球のマンハッタンに衝突するという報告を受け、動揺する。しかしその物体は衝突はせず、セントラル公園に着陸した。その物体の中からエイリアンが出てくるが、彼は軍や警察の発砲した弾丸を受け、負傷する。センターに連れて行かれたエイリアンは、自身の肌を脱ぎ去り、かつて物体に接触した事のある男の姿を借りて復活する。そしてセンターをヘレンとともに脱出したエイリアンは、自身の目的をヘレンに明らかにする。それは地球が人類によって危機を迎えているので、人類を排除しようとするものだった。ヘレンは必死でそれを止めようと説得するのだったが…。
レビュー
1951年製作の「地球の静止する日」を最新のVFXでリメイクし、設定も現代風にアレンジしたのがこの「地球が静止する日」です。かなり高い製作費をかけていますが、興行収入的にも批評的にも失敗作と評価を受けています。
作品なのですが、何か不思議な静かさを保った映画であるというのが第一印象です。それは主役のエイリアンを演じたキアヌ・リーヴスの存在に起因していると思うのですが、彼が何を考えているのかがよく分からないところが、その不思議な静かさを表現しているように思います。
ただ、オリジナルの「地球の静止する日」が東西冷戦の最中の比喩を持ったテーマを包含していて、それが作品の重さになっていたのに比べると、今作「地球が静止する日」は、人類が地球を滅亡させるというテーマは説得力が少し弱いのではないかとも思います。
その分をカバーするのが特殊効果とサウンドトラックになってしまっているのは、映画にとって良かったのか悪かったのかと言われると、結局最新技術でデモンストレーションしてみました、という感は否めず、作品の批評が悪いのも分かる気はします。ただ、個人的にはその辺でかなり面白い、と感じる部分はあります。ストーリーというより特殊効果で楽しむ作品ではないかと思います。
主人公は博士であるヘレンだと思うのですが、彼女の行動がエイリアンに影響を与えているかと思うと、あまり影響は与えていないところも、物語の質を貶めている感はあります。結局エイリアンが地球を救うのはヘレンの継息子であるジェイコブであり、彼とヘレンの関係が後半になるまで明かされないのは、最初のリレーションシップがきついところにあると思います。
とはいえ、人類を最終的には滅ぼさなかったエイリアンが最後に人類に対して施してやる行為は、インパクトはあると思います。このシーンは、映画の中でも印象に残り、映画の余韻を高めているかと思います。また、謎のロボット(?)が人類の抵抗に対し、色々動く様は、観ていてどうなるのかの好奇心を持たせるようになっていると思います。
画質はDVD画質ではありますが、ほどほどの質を提供していると思います。映像的にかなり圧縮のきついシーンが多いと思いますが、それが破綻なく観られるというのは、DVD製作者の腕の見せ所だと思います。音響は5.1chをフルに使っていて、映像の効果を高めるデザインをしていると思います。その辺も実は作品の評価の一つになっていて、奇妙な静けさをサウンドデザインで表現している一例ではないかと思います。
コメント